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EnagoBy: エナゴ

サブスタンティブ・エディティングとコピー・エディティングの違い

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英文校正の種類の違いを理解しておくことは著者にとって重要です。心血を注いだ論文であればなおのこと、編集者(エディター)に提出して踏み込んだフィードバックが欲しいと思っているのに、軽微な変更のみで戻されたくはないことでしょう。一方、見直し、修正、再構成まで終了した原稿のスペルチェックを頼みたいという段階であれば、論文全体の構成をやり直さなければならないようなコメントは歓迎されません。どちらの場合でも、エディティングの違いをはっきりと理解していれば、自分が必要な校正やチェックを依頼することができます。ここでは、サブスタンティブ・エディティングとコピー・エディティングの違いと、これらのエディティングがどの段階で必要なのかを見てみましょう。

サブスタンティブ・エディティングを通してライティングの骨組みを作る

ライティング(文章作成)を陶芸に例えれば、サブスタンティブ・エディティングとは、粘土の塊から洗練された器を制作するための成型の段階です。サブスタンティブ・エディティングは、学術研究論文からビジネス企画書まで、あらゆる文章に役立つものであり、編集者が文章を俯瞰し、全体的な内容と著者が研究について伝えたいメッセージの分析を行うことです。伝えたいことは明確に書かれていますか?筋の通った分かりやすい構成になっていますか?論理的な流れになっていない箇所や、急に話しが飛んでしまっているような箇所はありませんか?サブスタンティブ・エディティングは、こうしたことを踏まえながら文章をどのように改善できるかの提案を行います。この作業を担う編集者(サブスタンティブ・エディター)は、著者と連携し、誰が何を伝えたくて執筆しているのか、どこに公開するかを明確に理解した上で、該当文書の特に弱いあるいは不足している部分を改善していくのです。

では、サブスタンティブ・エディティングを必要とする文書があるとき、どのように編集作業を進めればよいのかを見てみましょう。サブスタンティブ・エディティングのサービスを提供している翻訳会社などをインターネット上で検索して、自分の文章に適したサブスタンティブ・エディターを見つけてみてください。オンラインでの執筆作業の普及やグローバル化が進んだことにより、さまざまな文章に適したサブスタンティブ・エディティングのサービスが多数揃っています。該当文書をどこに公開したいか大まかな希望があるものの、その文書のかなりの部分で内容の充実を図る必要があるという場合は、サブスタンティブ・エディティングあるいはサブスタンティブ・エディティングを提供している会社を検索してみてください。どのようなことであれ自己評価には困難が伴うのと同じように、自分で執筆した文章のサブスタンティブ・エディティングを自ら行うのは非常に難しいものです。そのため、サブスタンティブ・エディティングのサービスへの関心が高まっているのです。

コピー・エディティングで文章を洗練させる

先ほどの陶芸の例えに戻ると、サブスタンティブ・エディティングは粘土から器を作る工程で、コピー・エディティングは成型された器の形を整えて見栄えを良くするための細かな作業を施す工程に当たります。コピー・エディティングでは、スペル、文法、言語の種類、スタイルと一貫性、さらに形式(フォーマット)の確認を行います。コピー・エディティングはサブスタンティブ・エディティングの後に行います。後から削除されるかもしれない部分も含めて文章を注意深く編集したのでは、作業が無駄になるかもしれないので、コピー・エディティングは文章の大幅な変更や修正が終わってから行うのが一般的です。

サブスタンティブ・エディティング同様、コピー・エディティングもあらゆる種類の文章に実施することができ、さまざまなコピー・エディティングサービスの情報がネット上に掲載されています。自分の研究論文を分野外の専門家にレビューしてもらうことに抵抗のある研究者は、学術コピー・エディティングのサービスに作業を依頼すれば、確実に自分の研究論文を該当分野に精通している人にレビューしてもらうことができます。専門的な学術知識を持たないコピー・エディターは、ニュース記事やビジネスの報告書などには素晴らしい編集作業を行うことができますが、科学的な数式や専門用語が書かれた学術論文の修正には苦労することでしょう。これが学術コピー・エディティングのサービスを提供している会社への依頼が増えている理由です。学術コピー・エディティングを専門業者に依頼することで、論文に記されたデータの意味を理解しつつ、該当分野外の専門家であれば見落とすかもしれない句読点の誤りなどを見つけられる研究者に作業してもらうことが可能になるのです。

エディティングとプルーフリーディング

サブスタンティブ・エディティング、一般的なコピー・エディティングまたは学術的なコピー・エディティングサービスのいずれが必要な場合でも、それぞれの進め方は同じです。該当文書の想定される読み手や、どこに公開するかといった情報を編集者に提供します。サブスタンティブ・エディターは、スタイルや伝えたいメッセージについて多数質問してくるかもしれません。一方でコピー・エディターからの質問は、形式(フォーマット)や言語の種類(米語または英語の違いなど)に重点を置いたものになるでしょうし、学術的なコピー・エディターであれば参考文献の引用スタイルについても確認してくることでしょう。その上で論文のレビューを行い、変更点、コメントおよび提案を付けた文書を戻してくれます。サブスタンティブ・エディティングは大きな変更を伴うことから、この作業を担うエディターは、著者とより細部に踏み込んだ協議を行うことがよくあります。コピー・エディターからは、不明点の説明や追加の事実確認を求められるかもしれません。

サブスタンティブ・エディティングとコピー・エディティングをプルーフリーディング(添削/校閲)と混同しないようにしてください。これらはまったく別のプロセスです。プルーフリーディングは文書の最終確認であり、スペル、文法、句読点の付け方、大文字・小文字の区別、さらに略語の使い方の誤りなどを注意深くチェックするものです。見落としている誤りなどがないかを確認するため、原稿を発表する前の最終チェックにはプルーフリーディングを頼むべきでしょう。

サブスタンティブ・エディティングとコピー・エディティングの違いを下表に示します。

エディティングの種類サブスタンティブ・エディティングコピー・エディティング
大幅な構成の変更  
内容の追加提案  
スタイルと一貫性のチェック  
論理フロー  
書式(フォーマット)  
事実確認  
スペルと句読点の使い方確認  

サブスタンティブ・エディティングとコピー・エディティングの作業に若干の重複はありますが、これら2つのエディティングを混同させないことが重要です。2つの違いを理解しておけば、エディティングサービスに作業を委託する際は常に、何を期待して、何を求めるか把握しておくことができるでしょう。ネット上には、サブスタンティブ・エディティング、コピー・エディティング、さらに学術コピー・エディティングのサービスが多数提供されているので、必要とするすべてのサービスを探してみてください。

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