関係代名詞節1

限定と非限定
関係代名詞節とは、関係代名詞(that、which、who、whom、whoever、whomever、whose)によって導かれる従属節のことです。その文法的な役割は名詞を修飾することであり、形容詞的な役割を担うので、「形容詞節」とも呼ばれます。関係代名詞節は修飾する名詞の意味を限定するケースと限定しないケースとの2通りに分けることができます。
それぞれの場合に応じて、関係代名詞節と関係代名詞自体は「限定的」、「非限定的」と呼ばれ、用法はコンマ使用の有無により区別されます。その使用を支配するルールは、次に述べるより一般的なルールの中に示されています。つまり、ある修飾語・句・節が前の語・句・節の意味を「限定する」場合には、コンマをその間に入れてはならず、意味を「限定しない」場合はコンマを入れなければなりません。
2種類の関係代名詞節(「限定的」、「非限定的」)の使い分けについての基本的な規則は上に述べたとおりです。なお、「that」と「which」の使用法についてはもうひとつ特別なルールがあります。そのルールとは、関係代名詞節を導くために「that」と「which」のいずれかを使用する場合には、非限定的な意味を示すときは「which」を使わねばならず、限定的な意味を示すときは「that」を使用すべきだということです。
下記に関係代名詞節の正しい用法を示します。
限定的

(1) This is the solution to Eq.(2.1) that was obtained by Maxwell.
(2) The person in this picture whom you met previously is my son.

非限定的

(3) I am waiting for my brother, who is coming from Chile.
(4) The tallest mountain in Africa is Mt. Kilimanjaro, which is in Tanzania.

前記の文における関係代名詞節とそれらによって修飾される名詞は次のとおりです。
「限定的」用法の例では (1)「that…Maxwell」が「solution」を、(2)「whom…previously」が「person」を、「非限定的」用法の例では(3)「who…Chile」が「brother」を、(4)「which…Tanzania」が「mountain」を、それぞれ修飾しています。
(1)と(2)では、関係代名詞節は修飾される名詞の意味を限定するため、それらを削除すると文全体の意味が変わってしまいます。たとえば、(1)には「Eq.(2.1)の解が複数ある」という意味*が暗に含まれていますが、修飾節「that…Maxwell」を除いてしまうと「『this』が指すのは問題となる方程式の一意解である」という意味になってしまいます。
*あるいは「複数あるかどうかはまだ解明されていない」という意味で捉えることもできます。
対照的に(3)と(4)の例では、関係代名詞節の役割はその前の名詞の意味を「限定せず」に名詞が示す内容について追加の情報を提供することにとどまるので、これら関係代名詞節を削除しても文全体の意味は変わりません。


Dr. Paquette

グレン・パケットGlenn Paquette

1993年イリノイ大学(University of Illinois at Urbana-Champaign)物理学博士課程修了。1992年に初来日し、1995年から、国際理論物理学誌Progress of Theoretical Physicsの校閲者を務める。京都大学基礎物理研究所に研究員、そして京都大学物理学GCOEに特定准教授として勤務し、京都大学の大学院生に学術英語指導を行う。著書に「科学論文の英語用法百科」。パケット先生のHPはこちらから。

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