論文のアブストラクト(要旨)とは

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By: エナゴ

Oct 13, 2026|この記事を読むのにかかる時間 : 5分

論文のアブストラクト(要旨)とは

投稿された論文原稿、および出版された論文の中で最初に読まれる部分は、タイトルやキーワードを除けば「アブストラクト(Abstract=要旨)」でしょう。

査読者はまずアブストラクトに目を通して研究の全体像を把握し、参考となる文献・研究を探している研究者はアブストラクトでその文献を読み進めるかどうかを判断します。

この記事では、アブストラクトの定義、適切なボリューム、記載すべき内容について、基礎的な事項を解説します。

アブストラクトとは何か

アブストラクトとは、論文全体の内容を簡潔にまとめた要約文のことです。

読者に本文を読む前に研究の概要を把握してもらうための、論文の「顔」とも言える部分です。

アブストラクトには主に2つの役割があります。

読者の獲得データベース検索やジャーナルの一覧での表示で、潜在的な読者を実際の読者につなげる
概要の伝達研究の背景・目的・方法・結果・結論をまとめて、読み手に予備知識を持って読んでもらう

多くのジャーナルでは、アブストラクトが無料で公開されており、論文の被引用数にも影響します。

アブストラクトの種類

アブストラクトには、大きく分けて「構造化アブストラクト(構造化要旨)」と「非構造化アブストラクト(非構造化要旨)」の2種類があります。

どちらの形式が求められるかはジャーナルや分野によって異なるため、投稿前に必ず確認が必要です。

構造化アブストラクト(Structured Abstract)

構造化アブストラクトとは、"Background"、"Methods"、 "Results"、 "Conclusion"のように見出しを付けてセクションごとに記述する形式です。

医学系・臨床系・生命科学系のジャーナルで多く採用されており、査読者や読者が知りたい情報を素早く見つけられるのが特徴です。

見出しの構成はジャーナルによって多少異なり、"Objective"、 "Design"、 "Setting"、 "Participants"のようにさらに細分化される場合もあります。

非構造化アブストラクト(Unstructured Abstract)

非構造化アブストラクトは、見出しを付けずにひと続きの段落で記述する形式です。人文社会科学系や、工学・自然科学系の一部のジャーナルで一般的に用いられます。見出しがないため、文章の流れや論理展開を工夫し、背景から結論までを滑らかにつなげる文章力が求められます。

どちらの形式で書くべきか

形式はジャーナル側の規定によって決まるため、著者自身が自由に選べるわけではありません。投稿予定のジャーナルが公開している著者ガイドラインや投稿規定を確認し、求められている形式で執筆することが重要です。

論文アブストラクトの単語数

一般的な単語数

ジャーナルによって規定が異なりますが、英語論文のアブストラクトは一般的に150〜300語程度です。医学系・生命科学系のジャーナルでは250語前後、工学系では200語程度に収めるよう求められることが多く、こちらも著者ガイドライン・投稿規定を確認する必要があります。

アブストラクトに書くべき内容

研究の背景と目的

冒頭の1〜2文で研究分野の背景や、その研究が取り組む課題(research question)を明示します。

以下のような表現がよく使われます。

  • "Despite recent advances in [field], little is known about [gap]."
  • "This study aims to investigate [purpose]."

方法・結果・結論

続いて、使用した手法、得られた主要な結果、そしてその結果が示す意義を簡潔に述べます。

  • 方法:"We conducted [method] to examine [target]."
  • 結果:"Our results showed that [key finding]."
  • 結論:"These findings suggest that [implication]."

数値データを含める場合は、最も重要な結果に絞り、細部の統計値は本文に譲るのが一般的です。

アブストラクト執筆時の注意点

本文執筆後に書く

アブストラクトは論文の要約であるため、本文をすべて書き終えた後に執筆するのが基本です。

引用文献を含めない

アブストラクトには通常、参考文献の引用は含めません。独立して読める文章として完結させる必要があります。

専門用語・略語の使い方

アブストラクトは単体で読まれることが多いため、略語を使う場合は初出時にフルスペルを併記するなどの配慮が求められます。

アブストラクトの英語は、専門家の英語校正で仕上げを

アブストラクトは査読者や読者が最初に読む部分だからこそ、英語表現の正確さが論文全体の印象を左右します。Enago(エナゴ)の英語校正では、研究分野に精通した専門家が投稿前の原稿を確認し、アブストラクトを含む論文全体の仕上げをサポートします。

まとめ

アブストラクトは論文の概要をコンパクトに伝える極めて重要なセクションです。ジャーナルごとの単語数規定や形式を確認したうえで、背景・目的・方法・結果・結論を過不足なく盛り込むことが、査読者や読者からの好印象につながります。

投稿前には、本文との整合性やジャーナルのガイドラインとの照合を行いましょう。

参考文献

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