自分の論文を広く読んでもらうための7つのコツ

膨大な量の研究論文やデータが公開される今日、苦労して執筆した論文をできるだけ多くの人に読んでもらおうと思えば、それなりの工夫が必要です。論文をプロモーションするための7つのコツを紹介します。

■ 識別番号をとって自分と論文を特定しよう

論文を読んでもらうためには、まず初めに自分の売り込みが必要です。研究者を(組織、専門分野、地域を越えて)1つのIDで識別する取り組みORCID(Open Researcher and Contributor ID)に登録し、自分のIDを取得することをお勧めします。研究者がORCIDの識別番号を一貫して利用することにより、名前や組織が変わっても研究者個人と業績を正しく結びつけることが可能になります。

また、研究論文にDOI(Digital Object Identifier)と呼ばれる識別子を付けることも推奨します。DOIは、ウェブ上の電子文献に付けられるコードです。商品のバーコードや、紙の書籍に対するISBNコードと同じと言えばわかりやすいでしょうか。この恒久的なコードであるDOIが付いていれば、たとえ電子ジャーナルのURLが変わったとしても、興味を持った人は、探したい論文にたどり着くことができるのです。

■ 論文を読んでもらうための7つのコツ

では、ここからは、より多くの人々に論文を読んでもらうためのコツを見ていきましょう。

1. 誰に読んでもらいたいかを考える 

研究論文をより多くの人々に見てもらうためには、読者を念頭においた対策を取らなければなりません。対象はどういった人で、何に興味を持っているのか、どこにいるのか、同じ部門の同業者なのかなど、読者を想定した戦略が必要です。

読者を想定できたら、次はどのように論文に目を止めてもらえるかです。同じ分野の研究者たちがオンラインで論文を見ている度合いや、どのようなウェブサイトを見ているか――など、読者のオンライン利用特性を知ることは、研究をプロモーションする場所を絞り込むのに役立ちます。ソーシャルメディアで言えば、一般的なオープンプラットフォームとして利用者数の多いTwitterが効果的なのか、もしくはもっと限定的なLinkedInのほうが有効なのか。一利用者として自分も使ってみることをお薦めします。

論文のソーシャルネットワーク上でのステータス「Altmetricスコア」を表示するサービス「Altmetric bookmarklet」(Altmetric社)をインストールすると、自分が閲覧している論文がTwitterやFacebook等のソーシャルメディアでどの程度言及されているかを見ることができます。これを参考に、同じメディアを使って自身の論文のプロモーションを行ってみてはいかがでしょうか。

2.ソーシャルメディアを活用する

ソーシャルメディアは、情報のオンライン上での拡散に役立ちます。代表的なのはTwitterとLinkedInです。

Twitterから見ていきましょう。自身の研究内容について投稿することはもちろんですが、それ以外にもできることはあります。フォロワーの関心を引けそうなツイートをリツイートしたり、他のユーザーのツイートや質問に答えたり、見る人を意識した取り組みが重要です。また、興味を持った研究をシェアしたり、著者をタグ付けすることも可能です。

LinkedInは、仕事における人脈の構築やビジネス情報の共有に便利なソーシャルメディアです。最新の研究情報の掲載や、短い記事の投稿による専門知識のシェアを通じて、関心のあるユーザーとつながり、情報交換することが可能です。

3.コミュニティに参加する

オンラインだけでなく、実際に人と会えるコミュニティに参加することも大切です。自身の研究に興味を示しそうな活動組織や団体を見つけて、ボランティアで講演を行ったり、会議開催中にセミナーを開催したりしてみるのはいかがでしょうか。コミュニティの参加者の理解レベルには差があると予想されるので、自身が話す内容が相手にきちんと伝わるよう、工夫しなければなりません。実際に会って話をすることで気づくこともあるはずです。

4.Eメールの署名欄に論文へのリンクを貼る

Eメールの署名は、名刺のようなものです。その中に、論文へのリンクを入れるのも一案です。LinkedInやKudosのプロフィールページへのリンクを書き込むのも有効でしょう。これにより、Eメールを受け取った人々が、研究成果にたどり着くよう誘導することができます。

5.論文を読みやすくする

論文の内容を簡潔に表した要約文を作成してみるのも手です。要約で興味を引ければ、全文読んでみたいと思う読者も出てくるでしょう。要約文は、自身のブログやソーシャルメディア、または自身が属する研究グループなどでの発表の際にも使えます。科学分野の記者の目に留まれば、インタビューを申し込まれるかもしれません。

6.ハッシュタグを付ける

ハッシュタグとは、ソーシャルメディアで投稿内のタグとして使われる「#(半角のシャープ)」がついたキーワードのことです。例えばTwitterで「#科学」「#微生物学」「#天文物理学」などと、論文の分類をハッシュタグと共に記載しておけば、ユーザーは同じハッシュタグが付けられた投稿を検索して閲覧することができます。つまり、科学や微生物学に関心のあるユーザーの目に留まりやすくなるのです。Hashtagifyというツールを利用すれば、人気や話題のハッシュタグを調べることができます。

7.出版社や所属機関の力も活用する

多くの出版社は、学術ジャーナルや論文が読まれるようにソーシャルメディアを活用しています。所属の学術機関も、ソーシャルメディアやEメールリストの活用、さらに報道機関や政府関連部門を巻き込んだ研究促進のためのPR戦略をとっているかもしれません。自身の研究論文をどうすればプロモーションできるか、広報やメディアの担当者に相談してみるのもよい方法です。

■ プロモーションは必須の時代

研究成果のプロモーションは、助成金や共同研究者、学生などを集めるのにも効果的です。出版される論文の数は年々、増加の一途をたどり、学術コミュニケーションの場は、学会などの実世界からインターネット上にも広がっています。このような状況で、せっかくの研究成果を埋もれさせないためには、研究者が論文執筆・投稿の後、自らの成果を伝える努力が不可欠になっているのです。「これでは作業は増えるばかり――」。そうは言わず、AltmetiricやKudosなどの便利なツールを使いつつ、研究論文を広く知ってもらえる策をとってみるのはいかがでしょうか。

 

参考記事
Enago academy:
Using Social Media to Effectively Promote Your Research
Should You Use Twitter to Promote Your Research?
How to Promote My Research
Altmetric blog:
10 clever tips for promoting your research online

こんな記事もどうぞ
オルトメトリクスが2017年の論文ランキング100を発表
Kudos協同創設者・チャーリー・ラップル氏へのインタビュー(第1部)

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です