QS専攻分野別 世界大学ランキング2018の発表

2018年2月28日、イギリスの大学評価機関「クアクアレリ・シモンズ(Quacquarelli Symonds :QS)による分野別世界大学ランキング「QS World University Rankings by Subject 2018」が発表されました。
■ QS専攻分野別 世界大学ランキング
これは、75か国、1130の大学を2018年から新たに追加された「古典・古代史」と「図書館・情報管理」の2分野を含めた48の専攻分野ごとにランキングしたものです。QSの定める判定基準に従って以下の項目の得点を個別に算出し、それらの合計によってランク付けが行われています。
1. Academic Reputation 学術界の評判
2. Employer Reputation 企業からの評判
3. Research Citations per paper 論文の引用数
4. H-index h指数
1と2はQS が世界の学術機関および職員に対して行った調査の結果であり、3と4については研究論文ごとの引用数や、大学職員が行った研究による特定の分野への影響力および生産性について評価するh指標に準じて評価をしたものです。これらの統計分析に用いた情報は、エルゼビア社の世界最大の抄録・引用文献データベース「Scopus」から提供されています。
QSは、この分野別ランキングとは別に世界の大学ランキングも発表していますが、いずれのランキングも知名度が高く、大学の評価として活用されています。特に専攻分野別の評価となるこの専攻分野別ランキングからは、それぞれの大学が力を入れている分野などが見えてきます。
■ 2018年の結果
1位は昨年からの連続でハーバード大学。14分野で1位となっています。2位に12分野で1位になったMIT(マサチューセッツ工科大学)、3位に4分野で1位になったオックスフォード大学が続きます。これらの大学は48の専攻分野においてトップ10入りしている数も並々ならぬものがあり、ハーバード大学が34分野、オックスフォード大学が35分野。MITは工科大学であるため他校より少なくなるものの24分野がランクインしています。トップ10入りした専門分野数が最も多かったのはケンブリッジ大学の37分野でした。
すべての専攻分野でトップ10に入っている大学の半分以上をアメリカの大学が、4分の1以上(27%)をイギリスの大学が占めている状況です。それでも全分野を見ると、アメリカの大学はランクが上昇するより下降してしまったものが多く、ベッツィ・デヴォス教育長官とトランプ政権の方針の影響が出ているのではないかと懸念されています。一方でイギリスの大学は、今のところEU脱退の影響を受けることなく、前年より2分野多い、計10分野で1位となっていました。中国とロシアの大学の伸びは鈍化、フランスとブラジルの大学は下降する傾向が見られました。インドとその他のアジア各国の実績も、特に科学分野で若干ランクが低下しています。
■ アジアと日本の状況
アジアの大学は、計30分野でトップ10入りしています。最多はシンガポールの12分野で、これは日本の7分野を大きく上回っています。
日本の大学でトップ10入りした分野数が最も多かったのは、5分野*がランクインした東京大学。最も順位が良かったのは「現代語」の7位です。他にトップ10入りしたのは、「工学-化学」分野で前年から1つ順位を上げて5位となった京都大学と、「歯学」で前年より2つ下げて5位となった東京医科歯科大学。これら3校で計7分野がトップ10入りしているわけですが、前年比較では3分野減少しており、日本の大学のランクイン数としては相対的に低下している状況です。対して、シンガポール国立大学は11分野でトップ10入りしているので、アジアの大学の中での突出ぶりが目立っています。
*現代語(7位)、化学(8位)、工学-機械、航空、製造(9位)、物理・天文学(9位)、工学-化学(10位)
■ ランキングから大学の実情を掴む
QS同様、英タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(Times Higher Education: THE)など、さまざまな研究機関や出版社などが独自の指標に基づき世界や専攻分野、学部のランキングを発表しています。分野の分け方や評価指標に多少の違いは見られますが、いずれのランキングでも上位を占めるのは欧米の大学で、ランクインする大学数ではアメリカが他国を引き離している状況です。今後、各国の政治的変動や研究費への予算増減などにより大学ランキングに影響が出てくる可能性は捨てきれません。しかし、定期的に発表されるこのようなランキングは、国境を越えて大学や大学院を選ぶ学生や研究者にとって非常に有益な情報となるでしょう。一方、大学にとっても第三者による客観的な評価は、学術界における存在感に影響を及ぼすため、大変重要です。学生の確保という意味でも第三者機関による評価は大きな意味を持っているので、どの大学ランキングで何位にランク入りしたかをホームページなどで公開している大学も多くなってきています。
世界の大学における研究の実情を知るために、大学ランキングの情報を活用しましょう。


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