「この人には査読されたくない」と指定してもいいですか?

「尊敬できない」、「以前、侮辱されたことがある」、「この分野に関しての考え方が根本的に違う」……。どんな正当な理由があるにしろ、この狭い学界という世界で 「この人にだけは査読されたくない」という人間関係はつくりたくないものです。しかし、実際にそういう人がいたとしたら、どうしたらよいのでしょうか? 万が一にも自分の論文がその人へ廻されたら、絶対に公平な評価はしてもらえない……。そんなときには、編集部に理由を話して、少し考慮してもらえないかお願いした方がよいのでしょうか?

残念ですが、名指しで「この人には査読されたくない」というのはあまりお勧めできません。まず、メールやカバーレターが、事務作業をボランティアでしている大学院生に廻される可能性を考えてください。どんなに合理的な理由があったとしても、「○○さんは△△さんが嫌いらしい」などと、いい加減な噂を広げられるかもしれません。

また、お願いの仕方によっては、編集部へ仕事の仕方を指導しているように聞き取られかねません。編集部としては、より深い知識をもち、公平に掲載価値を評価してくれる査読者をいつも選んでいると自負しているはずです。それを、匿名が基本の査読制度の中、「この人がいい」だとか「この人はいや」だとか言われても、感じのよいものではありません。最悪の場合、ワガママで子どもじみた人だという印象を与えかねます。

では、神頼みで何もせずに論文を投稿するしかないのでしょうか?ここは上手に、編集者に「この人には査読させられないな」と思わせるようなカバーレターを書くことに専念しましょう。査読して欲しくない人の研究論文を引用し、仮に同じ分野の研究でも、視点や問題に対するアプローチの方法がまったく違い比較の対象にならないことを強調するのもよいでしょう。また逆に、査読に適した研究者の論文を多数紹介することによって、編集者にほかの候補者を示唆するのも効果的です。

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