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論文を書いた後に自分でする英文校正のポイント

※2016年1月18日に「論文を書き上げた後にチェックしたいこと」という記事名で公開した記事ですが、リライトにあたり情報を追記、修正して2021年5月10日に再度公開しました。

論文の書き方にはいろいろなルールがあり、書き終えた時には一安心となるのではないでしょうか。しかし、論文を書き終わった後のチェックも大切です。特に英語論文を執筆した場合には、学術雑誌(ジャーナル)に投稿する前に、必ず英語を母国語とする人で、かつ、その論文の内容をある程度理解できる人に英文校正をお願いしたいものです。

とはいえ、論文は数十ページにおよぶこともあるため、該当分野の研究者であっても完璧に校正することは難しく、複数名に見てもらうか、プロに英文校正を依頼するのが現実的でしょう。最終的に誰かに頼むにせよ、まずは自分で論文の英語をチェックすることをお勧めします。

論文をやっと書き終えたら、すぐに英文校正を依頼し、ジャーナルに投稿したいという気持ちはよくわかります。英語に自信がない場合には、自分で英語論文のチェックをしても意味がないように思えるかもしれませんが、ここで時間をかけて英語の校正を行うことは大切です。日本人にとって些細に見える間違いでも、 英語を母国語とする人にとっては例えば1つの冠詞がないだけで分かりにくくなったり、まぎらわしくなったりするものもあります。日本人特有の英語のミスを最小限に減らすことで、最終的には論文の質を向上させ、投稿可能なレベルにすることができます。

今回は、特に日本人の英語論文に多く見られる幾つかのミスを考えてみます。論文を書いた後、自分で英文校正を行う際のチェックポイントとして参考にしてください。

a、an、theのような冠詞の誤用

日本語にはないため、ちょっと気を緩めると注意を怠りがちになるのが冠詞です。しかし英語では、冠詞の有無およびその種類によって意味が通じなくなるだけでなく、意味がまったく変わってしまう場合があります。そのため、元の論文に冠詞の誤用が多いと、プロに英文校正を依頼したとしても校正作業に時間がかかり、校正者が前後の意味が通るようにする作業に終われて、洗練された英語にする作業がおろそかになってしまうこともあります。急がば回れと言われますが、より効率よく英語のチェックをしてもらうためには、論文を書き終えた後、すべての名詞に対して適切な冠詞が使われているか、自分でも2〜3回確認し、それから英文校正を依頼したいものです。

接続詞の多用

英語で書かれる論文では、簡潔な文章が好まれます。目安としては、論文を書き終えたあと、1文が3行以上にわたる文章を探し、分割できないか検討することをお勧めします。また、1文が長すぎないことを確認するのと同時に気をつけたいのが、接続詞の乱用です。日本語の文章では、各文の最初に「そのため」とか「しかし」などの接続詞を用いて、文のつながりを明確にする傾向が多々ありますが、英文では、すべての文を接続詞で始めると、かえって目障りになります。接続詞は、文の流れがわかりづらいとき、その接点を接続詞で補うためにのみ使いましょう。特に「on the other hand(一方)」や「consequently(その結果)」など、理論の流れを示す言葉を乱用すると、焦点を当てたい理論の展開やその解釈がぼやけてしまいますので、気をつけてください。

単数系と複数形

たとえば「研究」という言葉を、「research」と単数形にした場合と「researches」と複数形にした場合とでは意味が変わってきます。論文の結果部分で、「results」と複数形で書いたにもかかわらず、1つしか書かれていなければ、読者が混乱します。名詞をひとつずつ、単数形にすべきか複数形にすべきかを確認してください。

前置詞

たとえば「〜の下で」と書きたい場合に使用される、「below」か、「under」か、あるいは「underneath」か、それぞれに微妙な違いがあるので、前置詞の選択はなかなかやっかいなものです。まずは辞書で確認する習慣をつけましょう。

また、Googleなど検索エンジンも有用です。たとえば、「シートの下で」と書きたいのであれば、“below the seat”と“under the seat”と“underneath the seat”をそれぞれ検索してみて、英語を母国語とする人たちがどのように使い分けているのかを探ってみるとよいでしょう。そのときのコツとして、検索クエリをダブルクオーテーション「“”」で囲めば、一語一句同じ表現を見つけることができます。

自分の書いた文章の一部を検索エンジンにかけることは、前置詞以外をチェックするときにも有効です。ただし、まったく同じ文法表現で書かれた英文を見つけたからといって、すぐに喜ばないでください。その英文が日本人あるいは英語を母国語としない人によって書かれたものでないかを必ずチェックしてください。書き手によっては注意が必要です。日本人がしがちな文法ミスを、その著者もしている可能性があるからです。

英語論文の場合、これらの小さなミスが論文の内容そのものの理解に影響を及ぼす恐れがあります。校正会社に英文校正を依頼をする前に、まずは慎重に自分でチェック・校正してみましょう。

なお、エナゴ学術英語アカデミーには、学術英語の文法に関する読者からの回答に専門家がお答えする「論文英語なんでも相談室」コーナーがあります。こちらもぜひご活用ください。


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※エナゴアカデミーを運営する研究支援エナゴでは、研究論文に特化した英文校正サービスをご提供しています。

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