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学会発表申し込み用のアブストラクトを書くには?

データの集計と予備分析が終わったら、論文を書き始める前に学会での発表を申し込む準備をすることをお勧めします。
とくに有名ジャーナルでの出版を目指している場合には、学会発表での質疑応答から得られるいろいろな助言やアイデアはきわめて有益です。また、論文掲載を目指しているジャーナルが学会から発行されている場合は、その学会で発表することによって、読者層を確認することができるでしょう。忙しいスケジュールをやりくりしながら学会発表の準備までするのは面倒なことですが、論文出版への第一歩だと思って頑張ってください。
学会発表の申し込みをするとき、必ず書かなければならないのがアブストラクト(要約)です。アブストラクトに、自分が発表する研究の簡単な説明とデータを紹介し、分析結果を提示することによって、その研究がその学会に適したものかを審査してもらいます。


学会の主催者が最も嫌がることは、始めてもいない研究について、いかにも発表できる状態であるかのように書かれたアブストラクトが送られてくることです。そのため、実際にデータ集計と予備分析が終わっている場合には、それらが文面から伝わるようにアブストラクトを書く必要があります。たとえば、もしすでに計算が終わっているのであれば、単に「多くなった」と表現するのではなく、「13パーセント増加した」と具体的な数字を示すとよいでしょう。
また、文法的には少しおかしいのですが、未来形を使うのは控えて、「In my presentation, I talk…(私のプレゼンでは、…について話します)」と現在形を使うことも効果的です。
発表する内容は、時間枠をよく考えて決めてください。仮にいろいろな発見があったとしても、短い時間内で発表できる内容には限界があります。時間内に収まるように論点を絞りましょう。
学会参加者の多くは、題名を参考にして、発表を聞きに行くかどうかを決めます。そのため論文の題名は、読んだだけで何についての研究なのかわかるようなキーワードを含むものがよいでしょう。研究の詳細を説明するような長い題や、抽象的な短い題はお勧めできません。
写真などを使って事例を紹介するときには、論点を最もよく表現しているものを慎重に選びましょう。論点と写真などの視覚的素材とのつながりに無理があると、アブストラクトで書かれた内容がどんなにすばらしくても、実はその分析は主観的で当てにならないかもしれない、と疑われてしまいます。
また、研究の説明も大切ですが、研究結果とその結果のもたらす意義について書くのを忘れないようにしてください。学会の参加者がどのような人たちで、どうしてあなたの研究の結果を知っておくべきなのかをアブストラクトで指摘できれば、最終的に投稿した論文が受理される可能性も俄然と高くなります。
フォーマットとしては、論文の2行間隔とは違い、1行間が基本です。文字のフォントはTimesかTimes New Romanの12ポイントが無難でしょう。長さは通常、字数制限がありますが、できるだけ字数制限ギリギリまで書くようにしましょう。しかし字数制限を超えては絶対にいけません。
アブストラクトを書く基本方針としては、より簡潔に書くこと、そのために言葉や表現を慎重に選ぶことです。たとえば、「一方で」と書いて議論を展開したい場合には、「On the other hand」と書くこともできますが、「Conversely」と書けばより簡潔になります。何度も推敲を繰り返して、情報量を減らしたり内容を変えたりせず、文章をより簡潔に書き直してみることをおすすめします。
アブストラクトの審査方法は、学会によってかなり違います。申し込むときに、いつ頃までに返事をもらえるかを聞いておきましょう。また、ジャーナルへの論文投稿と違って、アブストラクトの査読結果を返してくれる学会はあまりありません。もし何かコメントをもらえたら、それがたとえあなたにとってあまり好意的なものでなくても、ていねいにお礼を述べておきましょう。

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