助成金申請を成功させる20のポイント

学術研究を続けるには資金(研究費)が必要です。特に、高価な実験設備や消耗品が必要となる研究室は、その確保が研究の実施内容に大きく影響します。そのため、多くの研究者は研究助成金を申請して資金援助を求めることになりますが、助成金の獲得はそう簡単にはいきません。研究資金の提供者は、受け取ったすべての申請に資金を提供することはできないので、選別を行います。申請者である研究者は、自分の研究がいかに魅力的かを売り込む必要があるのです。

■ 研究助成金申請、ここに注意

研究助成金とは、公的機関や財団等が行う公募などに採択された研究に対して提供される資金です。日本学術振興会が実施する「科研費(学術研究助成基金助成金/科学研究費補助金)」が有名ですが、他にもさまざまな研究助成金があります。最近では、公的機関だけでなく民間(企業や財団など)からも提供されており、国際共同研究が増えるに従って、国外の公的機関・民間からの助成金を受けることもできるようになっています。では、申請を検討している助成金が自分の研究に合ったものなのか、どうすれば確認することができるのでしょう。以下に注意すべき主な事項を挙げます。

・用途の自由度と負担対象(大学経費や人件費が含まれるか含まれないかなど)
・金額規模
・期間(1年間というものが多いが、年と年度には要注意)
・採択率(概ね数パーセントの狭き門)

研究者はこれらの点を考慮し、さらに助成金提供者がどのような研究・提案を求めているのかを理解した上で、申請書を作成する必要があります。次は、採択される申請書を書くための具体的なポイントです。

■ 採択される助成金申請のポイント

1.助成金の公募情報を探す
まず、自分の研究分野に関連する公的機関、民間、財団などが研究助成金の公募を行っているかを確認しましょう。同僚や上司からも情報を収集し、どこに資金援助を求めたらよいのかを把握します。

2.助成金の申請先が適正かを確認する
自分の研究が、申請しようとしている研究助成金に適格な内容かどうかを確認しましょう。

3.募集要項を読み込む
慎重に申請の計画を立てると共に、募集要項を読み込みます。助成金申請用のテンプレートが用意されていることが多いので、それを確認しましょう。そして、所定の書面にすべて必要事項を記入したか、要求されている書類は揃っているかを確認し、期限を守って提出します。

4.読み手を想定して申請書を書く
研究の内容をよく知らない資金提供者が読んでも理解できるように、申請書を記す必要があります。わかりやすい見出しに図表、内容を箇条書きにするなどの工夫をしましょう。

5.研究デザインを書く
明快な研究デザインは、申請先が研究の全体像を把握できるようになるのを助けます。研究目的に到達するための方法を記す際、予期せぬ出来事や問題が生じたとしても的確に対応できるよう、代替策も提示しておくとよいでしょう。

6.要旨は簡潔に
目的や方法などを簡潔にまとめます。

7.序論で研究の意義をアピールする
研究の意義やリサーチ・クエスチョン(研究課題)、そして研究がどのように課題解決に貢献するかを簡単に説明します。

8.研究分野の現況への理解を促す
自身の研究分野の現状(研究の進展具合、不足している知見や研究課題など)を資金提供者に理解してもらうための情報を提供しましょう。同分野の最近の研究などを参照することや、それらの研究結果を示すことで自身の研究課題の裏付けとすることも一案です。

9.研究の重要性をアピール
自分の研究の重要性と、いかに研究分野に貢献するかをしっかり訴えましょう。

10.経験の豊かさを示す
自分や上司、共同研究者が、研究を成功させるために十分な専門知識を有していることを書きましょう。同僚などに推薦状を書いてもらうのも役立ちます。

11.斬新なアプローチを強調する
研究がこれまでにない斬新なアプローチのもとで行われていることを強調します。

12.設備の充実も記載する
研究を遂行・成功させるために必要な設備と支援を有していることを示します。研究の立ち上げ資金の援助を受けたことがある場合には、それも詳述しましょう。

13.適切な予算申請
研究実施に必要な費用について、適切な予算を立て、記述します。

14.現実的なスケジュール立て
研究実施における現実的なスケジュールを立て、期限までに目的を達成できることを示します。

15.倫理的要件も記す
必要があれば、倫理的要件(例えば、バイオハザード物質<生物災害物質>の取り扱いなど)について、詳細に説明しましょう。

16.キャリア目標を書く
当該の研究が、自身のキャリア形成においてどのような貢献をするかを概説します。

17.エンドユーザーとの関わり
研究に関して、エンドユーザーに見解を聞く機会を持てたのであれば、その証明も提出するとよいでしょう。

18.キャリア中断に関する説明
キャリアが中断したことがある場合は、詳述します(例:子育てのため、いつ、どの程度の期間、研究者としてのキャリアを中断した)。

19.自分自身と研究を売り込む
研究論文のインパクトファクターや自分の貢献度、論文が研究分野にどのように貢献したかを示す証明などを示して、自分自身と研究を売り込みます。研究チームにどのように貢献したかを示すのに、チームでの役割や教職歴、地域社会との関わりなども詳述するとよいでしょう。

20.専門分野の説明
研究キャリアの途中で専門分野を変更した場合には、そのことが今回の研究でどのように役に立ったかを説明します。

申請できるチャンスが増え、選択肢は広がりつつあれども、競争を勝ち抜かなければ得ることはできない。それが研究助成金です。応募する助成金が決まったら、ぜひ上述のポイントを押さえて、申請書を作成してみてください。書き方一つで、受け取る相手が抱く印象は大きく変わります。「この研究者を支援したい」と思わせられるかは、あなた次第です。

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