学術論文翻訳者を選ぶ5つのポイント

周知の通り、日本人だったら誰でも日本語の研究論文が書けるというわけではありません。それと同様に、バイリンガルだからといって、誰でも翻訳ができるというわけではありません。では、よい翻訳者を探すコツというのはあるのでしょうか?
第一に、英語圏での滞在暦があることを理由に翻訳ができるという人は避けましょう。このような人たちは、英語での日常会話には慣れているでしょうから、電話で話したり、メールのやり取りをしたりすると、「英語ができるな」という印象をもつかもしれません。しかし、論文に使われる書き言葉というものは特殊なもので、日常英語に慣れているからといって書けるというものではありません。
同様の理由で、翻訳ができる理由としてTOEICやTOEFLの得点が高いことをあげる人も避けたほうがいいでしょう。また、英語圏の大学の卒業資格がある人でも、翻訳をしてもらう論文と同じ専門分野を専攻していない限り、あまり意味がないと思われます。さらにいえば、英語での原稿執筆や編集の仕事に携わった経験がある人たちも、論文の添削作業は得意かもしれませんが、学術論文の翻訳ができるとは限りません。これらの経験が翻訳作業のマイナスになることはありませんが、それだけを理由に翻訳ができるといっている人たちには十分気をつける必要があるでしょう。
では、プロのレベルに達している翻訳者とは、どのような人たちのことを指すのでしょうか? 以下、5つの必要事項をキーポイントとして挙げてみました。
1. 翻訳スキルをつけるための専門的な訓練を受けている
2. 翻訳の実務経験がある
3. 翻訳に必要な専門知識を身につけている
4. 英語論文の出版経験がある
5. 言語学の知識を身につけている

最も心強いのは、やはり翻訳にかかわる専門的な訓練を受けたことのある翻訳者でしょう。しかしこのような人たちは思いのほか人数が少ないのが現実で、値段が上がるだけではなく、納期も長くなる可能性があります。そこで予算や時間に限りがある場合には、翻訳学校の卒業資格よりも、翻訳の実務経験があるかどうかを中心に翻訳者を選ぶことをお勧めします。また、実務経験が浅くても、翻訳をしてもらう論文の専門分野の知識がある翻訳者に依頼すれば、誤訳が減り、論文全体の質も高くなると考えられます。医学論文翻訳なら医学博士に、金融翻訳なら経済学博士に、といった具合に。このほか、ジャーナル(学術誌)に論文を投稿した経験のある人や、英語と日本語の表面的な違いだけでなく、言語としての根本的な違いを理解している、言語学の学位を取得している人も、翻訳に適した人材といえます。
翻訳会社を通して翻訳者を探す場合も、また自分でフリーランスの翻訳者を探す場合も、見積りを依頼するさいには、その翻訳者の簡単な経歴や職歴を尋ねましょう。もし快く答えてくれなければ、他の人を探すことをお勧めします。

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