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【大妻女子大学】生田 茂教授インタビュー(後編)

各大学の研究室に訪問し、研究者たちにおける英語力向上の可能性を探るインタビューシリーズ。一回目は大妻女子大学の生田茂教授にお話を伺いました。インタビュー後編では、論文執筆や学会発表において、若手研究者や学生にどのようなアドバイスを行っているか、日本人研究者が英語力を鍛えるために必要なことなどを語ってくださいました。

■英語での論文執筆や学会発表に対し、研究室にいる学生にはどんなアドバイスをしていますか?

本学の社会情報学部の売りは「英語」と「情報」。しかし、すでに英語が売りになる時代ではなくなっていますね。ちょっと留学したからといって、「語学力を生かした仕事につける」というような時代ではありません。だから、学生には「まずは自分の専門をきちんと持ちなさい」と言っています。自分の専門を持った上で、できるだけ英語を身につける。英語だけで食べていくことが難しい今、「専門ができる、加えて、英語ができる」ことがとても大事。だから、学生には人に負けない専門性を身に付けなさいと言っています。
口頭発表に向けては、「絶対に伝えたいことは何か」をまずは考えなさい、と言っています。私は学生に「聴衆は、『どこの国の人が英語を話しているか』などは関係なく、真剣に聞いてくれるよ。だから、一所懸命に、堂々と話してきなさい」とアドバイスしています。学会の参加者は、発表者の英語の訛りなどにはこだわらず、「何を言いたいのか」を一生懸命に聞いてくれます。だから、「何を伝えたいのか」を明確にし、それがきちんと伝わるように練習することが大切なのです。


■日本人研究者が英語力を鍛えるためには、どうするのが一番だと思いますか?

現地に飛び込み、色々な国々の人々と関わること。それが何事にも代えがたい経験になると思います。カナダの留学時代には、オイルサンドの全盛期でもあり、アルバータ大学には沢山の日本人がいてなかなか英語が身につかず、当時廊下に設置してあった電話の受話器を取れるようになるまで半年近くもかかりました。その後、シドニー大学、ニューヨーク市立大学にお世話になった時には、国籍に関係なく、様々な人々と知り合いになることができ、貴重な人間的繋がりができました。例えば、この3月に私を Wayne State 大学に呼んでくれた先生とは約20 数年来の付き合いです。何かをやりたいと思ったとき、築いてきたネットワークが最後にはものをいいます。海外の研究者と共同研究を行い、論文を書くときにも、こうした人脈が大切なのです。学生のうちに留学やインターンなどに挑戦し、色々な人と交流することを勧めています。

■今後、どのような英語サービスがあれば使ってみたい、ありがたいと思いますか?

研究者にとって、論文が受理されるまで何度でも校正してくれるサービスは嬉しいですね。研究者は外国のジャーナルに論文を送り、査読者から様々な指摘を受けることで初めて自分の立ち位置がわかります。右も左もわからない若手研究者にとっては、校正を依頼した論文の内容に沿って適切なジャーナルを選んでくれるような、きめ細かなサービスがあると素晴らしいですね。
アメリカのジャーナルでは、論文の内容に応じて、別の雑誌への掲載を勧めてくれるところもあります。こういった、英文校正を依頼した時点で「こっちのジャーナルの方が良いですよ」というようなアドバイスがもらえたら嬉しいですね。また、査読の結果を気軽に相談でき、受理されるまで付き合っていただけると心強いですね。


生田教授、ありがとうございました! 次回のインタビューをお楽しみに。

【プロフィール】

生田 茂(いくた しげる)
大妻女子大学社会情報学部社会情報学科環境情報学専攻教授、東京都立大学名誉教授、首都大学名誉教授

1976年、東北大学理学研究科博士課程化学専攻修了。理学博士。東京都立大学教養部教授、同理学部教授、同工学研究科教授、同附属高等学校校長、筑波大学人間総合科学研究科教授などを経て、現在は大妻女子大学社会情報学部環境情報学専攻教授。専門は教育工学、特別支援教育。1980年にアルバータ大学博士研究員、1988年にシドニー大学客員教授、1994年にニューヨーク市立大学大学院客員教授を歴任するなど海外での経験も豊富。現在、国際センター併任教授として交流協定校の創出に奮闘中。また、非常勤講師として東京農工大学や東京理科大学でも教鞭をとる。

 

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