査読者になることのススメ

一般的にいって、誰が学術雑誌の査読者になるかと問えば、「その研究分野において国際的に認められた研究者であるとともに、論文の出版数が多いなど生産性、 客観的な観察力、論点を明確に示すことのできる語学力のある人」という答えが返ってきます。しかし現実には、限られた人員で構成された編集委員会が、 学術界のすべての分野の最新情報に精通しているというわけではなく、また分野によっては研究者自体が少なく、査読をさばけないという状況も多々あり、編集委員会はいつも査読をしてくれる信頼できる研究者を捜しています。
そこでお勧めするのが、自分が好きでよく読む学会誌に、査読者として自薦することです。査読者はほぼまちがいなく無償の仕事ですので、金銭的には得になるようなことはありません。また、査読をしたからといって、今後自分の論文が掲載される可能性が上がるというわけでもありません。時間もかかりますし、期限も限られています。英語圏の学会誌でしたら、英語力によっては自分が書いた査読の英文を、編集員会に提出する前に誰かに読んでもらわないといけないかもしれません。
人の論文を読み、公平な視点で一研究者が一研究者を評価するという作業は、学生時代に授業の一貫として論文を読み、理想論を振り回して批評をしたことなどとは大違いだとすぐにわかるでしょう。研究にかかる時間や運営費など現実問題を考慮し、学術界の向上という大きな視点から、その論文が何を貢献できるかを念頭に置いて、批判ではなく評価をする必要があります。また一読者として読むのとも違い、学術誌編集部としての視点が求められます。その学術誌が追求している目標を考慮し、査読をしている論文の主旨や研究方法と比較したうえで、「この学会誌の読者が読むべき論文か?」を評価しなくてはなりません。たいへんなことですが、この査読作業が、次回自分が論文を書くときに役に立つことはいうまでもないでしょう。
まずは、自分の論文を掲載してくれた学術誌の編集部にメールしてみましょう。自分の論文がその学会誌でいつ掲載されたかを含め簡単に自己紹介をした後、査読者になる意思があること、どのような分野の論文であれば査読できるかを明記しましょう。履歴書を添付するのもよいでしょう。
昨今では学術誌のウェブサイトで査読者の応募をしているのをよく見かけます。興味のある学術誌のウェブサイトを頻繁に訪れ、そのような求人に応えるのもよいでしょう。
また、学術出版大手のエルゼビア社はそのウェブサイトで、査読の意義歴史、査読者のガイドライン、査読者への支援などについて、多くの情報を提供しているので一読することをおすすめします。

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