第1回 学会発表は研究者が輝く舞台

学術論文ならまだしも学会発表 はかんべん!ましてや英語で!という研究者の方々がプレゼンテーションの醍醐味を感じるのに必要なのは、ほんの少しの発想の転換かもしれません。国際会議でのプレゼンテーションを成功に導く集中連載の第1回目では、まず口頭発表の意義から見直しましょう。

    1. 口頭発表は生きた情報交換の場

論文発表が「情報発信」の場であるのに対し、口頭発表は人と人が直接「情報交換」を行う場です。口頭発表の意義は、最先端の研究者が集結し、最先端の研究について‘ディスカッション’することにあります。発表者にとっては研究成果のエッセンスや解釈を聞き手に直接アピールすることができ、聞き手にとっては研究の経緯や課題を研究者本人から聞くことのできるまたとないチャンスです。そしてこの千載一遇のチャンスは参加者全員の時間を無駄にするリスクの上に成り立っていることを忘れてはなりません。

    1. キャリア向上につながる

口頭発表の主役は研究成果であると考えられがちですが、発表者自身でもあります。特に若手研究者にとっては、研究への情熱や着眼の鋭さ、コミュニケーターとしての能力を広く示すことができれば、国際的な共同研究や新たなキャリアへの道筋を開くチャンスとなります。したがって、口頭発表はやり過ごすのではなく、研究と同様にエネルギーを注ぐ価値があります。

    1. 失敗してもかまわない

多くの人が日本人はプレゼンテーションが苦手な上に英語のハンディキャップも負っていると考えています。しかし、英語圏においても研究者向けにプレゼンテーションのノウハウを伝授するツールが多く存在します。それらのツールでは必ず練習を繰り返し、場数を踏むようにアドバイスされています。母国語が英語の研究者にとってもプレゼンテーションは容易ではないのです。したがって、日本人研究者が尻込みする必要はありません。むしろ積極的に場数を踏んで失敗に学ぶ必要があります。勇気を持ってチャンスに臨みましょう。エナゴアカデミー内でもご紹介していますが、各界で活躍中のトップ研究者の英語との向き合い方も参考になります(トップ研究者インタビュー)。



キャラクター紹介:久里 夢存(Muzon Kuri)
日本の大学で材料工学を学び地元企業に就職するも、“独立型・移動式住居”開発の夢をあきらめきれず、再び大学でエネルギー工学を専攻。工学、生物学、建築学など多分野の研究者からなるプロジェクトチームに所属し、エネルギー自給型インフラストラクチャーフリー移動式住居[Self-Sufficient Camper(S.S.Camper)]を開発中。この度、国際住環境学会(“架空”)において同住宅の自然災害時における有用性について口頭発表することに・・。口演タイトルは、“Energy self-sufficient, infrastructure-free mobile house called Self-Sufficient Camper (S.S.Camper) provides both remote and on-site sheltering at times of natural disaster.”

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