博士課程修了者の仕事探しに役立つ求人サイト4選

博士課程終了後、そのまま研究者の道を歩むか、一般的な就職をするのかは人生における大きな分岐点です。日本国内でポスドクの仕事に就くのは狭き門であり、容易ではないことは確かです。しかし国外に目を向けると、そのチャンスは広がりそうです。今回は、博士課程修了者の仕事探しに役立つ検索サイトを紹介します。
■ 日本の博士号取得者の就職状況
文部科学省が毎年行っている「学校基本調査(平成29年度版)」を見ると、博士課程修了者のうち就職者が占める割合は67.7%、そのうち正規採用が53.3%、非正規採用が14.4%となっています。進学も就職もしていない人も18.8%います。大卒(新卒)の就職者の割合が76.1%、うち正規採用率72.9%に比べると、博士課程修了者の数字はかなり低いと言えます。これは、日本では、企業が博士課程修了という学歴をあまり重視しない傾向があることや、相対的に受け皿が小さいことも影響していると思われます。せっかく専門知識と技術を習得しているのに、それを生かす場が少ないのは残念なことです。
一方で、海外には博士課程修了者をより評価する企業や、専門知識を持った研究者を探している研究機関などが多数あります。こうした国外の研究機関などに就職することを考えるのも一案なのです。
■ 研究職向け求人サイト
では海外で研究者向けの仕事を探すには、どうすればよいのでしょうか。多くが求人サイトを利用しており、ここでは代表的な4つを紹介します。
NatureJobs
「NatureJobs」は、Springer Nature社が運営する科学技術関連の求人情報やイベントなどを提供するサイトです。生物医科学、環境科学、科学技術、食品科学、化学といった分野の求人情報が掲載されています。新着情報の検索はもちろん、履歴書をアップロードしておくことができるので、求人を出している機関などに、登録したプロフィールを見てもらうこともできます。
この検索エンジンには世界中の求人情報が掲載されており、働きたい場所(国や都市)を選んで検索することが可能です。また条件を設定すれば、気になる求人情報を通知してもらうことも可能です。
NatureJobsの最新情報とブログ(News and Blog)の中には、Career toolkitとして、履歴書を書くときのコツや面接の心構えなどの就職活動をサポートする情報も掲載されています。登録しておけばNatureJobsからのニュースレターを受信することができるので、業界情報を知るのにも役立つでしょう。
ScienceCareers
米国科学振興協会(American Association for the Advancement of Science, AAAS)/Scienceが運営している求人情報サイト「ScienceCareers」は、キャリアアップしたい研究者に向けた求人情報やツールを提供しています。掲載されている分野は細分化されており(26分野)、求人数は1200を超えます。専門分野、組織の所在地と種類、雇用形態別に求人情報を閲覧することが可能です。履歴書のアップロードや求人情報通知の機能に加え、Careers adviceでは履歴書やカバーレターの書き方に関するアドバイスを読むことができます。キャリアアップに役立つブログ「Science Careerrs」や、求職者へのアドバイスや必要な情報をまとめた「Career Basics Booklet」(日本語要約版もあり)もあります。
またAAASは、仕事を探している研究者と人材を探している機関・企業との交流の場となるサイエンスキャリア・フェアを、実際の会場やオンラインで開催しています。キャリアを模索中の研究者には有益な場となることでしょう。
PostdocJobs
ポスドクの仕事を探したければ「PostdocJobs」もお勧めです。1999年に開設された、ポスドクに特化した求人サイトです。求職者は履歴書を登録することで、それを世界中に発信し、求人に直接応募することもできます。世界中の1,000以上の大学、企業、研究所、政府機関が、優秀なポスドクや研究者を求人するのに利用しており、求職者と雇用者を結び付けるプラットフォームとして活用されています。
EuroScienceJobs
ヨーロッパで働きたいと思っている人には「EuroScienceJobs」もよいでしょう。このサイトは、ヨーロッパで研究職に就きたいと考えている人と、優秀な人材を探している研究機関の情報を掲載しています。3万人もの科学研究者が仕事探しに利用しており、そのうちの55%はPhD取得者だと言われています。特に求職活動が活発なのは、生物学、化学、地球科学、エンジニアリング、数学・コンピューター、物理学の分野です。働く国、分野あるいは特定の専門知識の要・不要、就業先の種類(企業や政府系研究機関など)を条件に設定して、検索することができます。
番外編として、日本国内の求人情報についても少し触れておきます。日本での研究職の受け皿はまだまだ少ないものの、有用な研究者向けに情報を提供しているサイトもあります。科学技術振興機構は、求人公募情報検索「JREC-IN Portal」を設置し、研究職を希望する求職者向けの情報と、産学官の研究・教育に関する求人公募情報をデータベース化して公開しています。また、民間企業も研究者の採用支援に乗り出しており、一例としては株式会社アカリクが大学院生(修士/博士)、院卒社会人、ポスドク、研究者の支援業の一環として、大学院生・研究者・エンジニア専用の求職サイト「アカリク WEB」を提供しています。
■ 母校も情報源の一つ
これらの求人サイトを活用することに加えて、もう一つキャリア形成に役立つものがあります。それは、母校の存在です。多くの大学は、独自の求人情報を収集・公開しています。情報の提示方法はさまざまですので、母校の事務局に尋ねてみましょう。求人情報がウェブで公開されている場合は、他の大学のサイトも検索してみるとよいでしょう。MIT(マサチューセッツ工科大学)やスタンフォード大学は、ポスドクの求人情報を公開しています。
ここで紹介した情報源以外にも、世界にはニッチな分野に特化したポスドク/研究者向けの多様な求人サイトがあります。先輩研究者からのアドバイスなども参考にしながら、必要な情報を探してみてください。
学術以外の仕事にも興味があれば、LinkedInのようなビジネス特化型SNSを使って、さまざまな業界やベンチャービジネスとの人脈を作ることも可能です。仕事を探す方法はいろいろ。研究者を続けるとしても、別の道に進むとしても、多様な検索サイトやSNSを使い分け、多くの情報を収集し、選択に役立てることをお勧めします。

ポスドク就活のヒント

  • LinkedInのような職業ネットワークに参加する。
  • コネクションを利用する。
  • スキルを強化する。
  • 母校の求人情報を利用する。
  • 民間の求人も調べる。
  • 履歴書・志望理由書を作成する。
  • 興味のある会社に連絡をとる。
  • 早めに就活に着手する。
  • いつも明るく元気に。

 

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