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名詞付加語の形

名詞付加語(noun adjunct)とは限定形容詞の働きをする名詞のことです。日本人学者が書いた論文では名詞付加語が誤用されていることをしばしば目にします。ここでその誤用の原因となる誤解を晴らします。
まず、以下を見てみましょう。
[正] I used to work in a shoe store.
この用例中の「shoe」は名詞付加語となっています。ここで注目すべき点は、「shoe」が複数の靴を表しているにも関わらず単数形になっているということです。この文は名詞付加語の通常の用法を例示します。一般に、 名詞付加語 は、たとえそれが複数のものを表しているとしても、必ず単数形になるのです。
典型的な誤用を見てみましょう。
[誤] Here we study electrons configurations in several exotic states of matter.
ここで検討対象となっている電子配置は、明らかに複数の電子を含むものですが、それにも関わらず「電子」を意味する「electrons」を単数形に直すべきです。
同様に、「horses race」、「red blood cells count」、「fluctuations theory」、「children welfare law」は全部誤っており、「horse race」、「red blood cell count」、「fluctuation theory」、「child welfare law」が正しいです。
上述の単純なルールさえ覚えておけば、名詞付加語を誤用する恐れはないでしょう。


Dr. Paquette

グレン・パケットGlenn Paquette

1993年イリノイ大学(University of Illinois at Urbana-Champaign)物理学博士課程修了。1992年に初来日し、1995年から、国際理論物理学誌Progress of Theoretical Physicsの校閲者を務める。京都大学基礎物理研究所に研究員、そして京都大学物理学GCOEに特定准教授として勤務し、京都大学の大学院生に学術英語指導を行う。著書に「科学論文の英語用法百科」。パケット先生のHPはこちらから。

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