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「インパクト・ファクター」の基礎知識まとめ

インパクトファクター

どのジャーナルに投稿しようか?」ということを、インターネットで調べ始めると必ず目に留まるのが、「インパクト・ファクター(Impact Factor: IF)」という言葉です。インパクト・ファクターとは、「文献引用影響率」とも呼ばれるように、ジャーナル(学術雑誌)の影響力を、引用される頻度で測る指標です。
今回は、「インパクト・ファクター」を取り巻く世界をご紹介したいと思います。
トムソン・ロイター社 (Thomson Reuters)
1960年にユージーン・ガーフィールド博士によって創設された科学情報研究所(Institute for Scientific Information: ISI)は、50年以上に渡ってインパクト・ファクターを集計および発表してきました。その後、何度かの買収を経て、2008年4月以降はトムソン・ロイター社として、自然科学と社会科学関連の幅広い情報を有料で提供してきました。現在でも、インパクト・ファクターについて調べるとISIという言葉がよく併記されていますが、これは現トムソン・ロイター社のことです。
サイエンス・サイテーション・インデックス (SCI: Science Citation Index)
トムソン・ロイター社が集計するジャーナルの引用索引です。拡張版には世界中で発行されている6400以上のジャーナルを対象に、どの論文がどのような参照文献を使っているか、ある研究者が過去にどのような論文を出版したかなど、ジャーナルに掲載された論文の、ありとあらゆる情報が分かる膨大なデータベースです。サイエンス・サイテーション・インデックスは、印刷物として発行されているほか、CDやインターネット上(ウェブ・オブ・サイエンス・データベース Web of Science Database)でも閲覧することができます。「論文の題はわかっているんだけれど、著者がわからない」などというとき、たいへん便利なデータベースです。
ジャーナル・サイテーション・レポート (Journal Citation Reports: JCR)
サイエンス・サイテーション・インデックスのデータをもとに、自然科学と社会科学分野のジャーナルに関する情報の集計結果の発表を目的とした年刊物です。インパクト・ファクターは、毎年このレポートで発表されます。
インパクト・ファクター (Impact Factor: IF)
そして世界中で発行されている自然科学で5900誌以上、社会科学で1700誌以上のジャーナルを対象に、各ジャーナルに掲載された論文の「平均被引用回数」を出し、それをもとにそれぞれのジャーナルの学術界への影響度を測る指標が「インパクト・ファクター」です。インパクト・ファクターが高いハイ・インパクト・ジャーナルは、各学会でより注目を集めている存在だと考えられています。
しかし、それぞれの引用が批判的な引用なのか肯定的な引用なのかということはこの計算に含まれていないため、インパクト・ファクターが高いということが、本当にそのジャーナルの質や価値が高いということを示しているかどうかを疑問視する声も根強くあります。インパクト・ファクターに代わる指標として、たとえば閲覧数やダウンロード回数なども取り入れた「オルトメトリクス(altmetrics)」などの新しい指標も登場していることは、研究者ならば常識として知っておくべきでしょう。

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