研究の理論的根拠(Rational)の書き方を解説

研究の理論的根拠とは、ある研究を行う正当性、つまりその研究を行う理由や必要性を示すものです。研究者がなぜそのテーマに焦点を当てるのか、その意義は何なのか、どのような研究ギャップを埋めようとしているのかなど、研究の必要性を理論的に説明するものです。一般的な研究論文では、理論的根拠の後に、仮説、リサーチクエスチョン(研究課題)と研究目的が続きます。

研究の理論的根拠をいつ書くか?

研究の理論的根拠は、研究を実施する前に準備しておくことも後から執筆することもできます。助成金の申請を行う場合には、研究を実施する前に理論的根拠を準備します。後から執筆する場合は、研究を振り返り、どのような結果が得られたかを説明することができます。

  • 研究の実施前に書く:研究の理論的根拠は研究計画書の重要な部分であり、研究を実施する前に研究計画、目的を示します。
  • 研究の実施後に書く:研究が終了してから研究論文または学位論文に理論的根拠を書き込む場合、研究プロセスを振り返り、なぜその課題に焦点を当てて研究を行ったのかの理由、どのような結果が得られたのかを説明します。研究プロジェクトの理論的根拠を研究の目的と成果に結びつけて記述することが鍵です。

研究の前と後、いずれにおいてもその研究がなぜ重要なのかを示し、読者に研究の価値を理解してもらうことが大切です。

研究の理論的根拠は何に基づいて書くか?

研究の理論的根拠は主に予備データに基づいて書きます。現在の知見とのギャップを明らかにするとともに、既存の研究と重複していないかを確認するには文献レビューが役立ちます。研究テーマに関する既存の文献と、提案した研究で得られる成果から、研究の正当性を説明することができるでしょう。

研究の理論的根拠の理想的な長さは?

理論的根拠の長さは、研究提案書や論文全体の文章量によって異なり、一般的に決まっているものではありません。投稿先の学術雑誌(ジャーナル)などの投稿規程に従って、理論的根拠にさける分量(行数もしくはページ数)を確認してください。

ジャーナルの場合は、理論的根拠の説明に使えるのが数文となることもあるので、配置にも注意します。論文や学位論文の場合、2~3段落に及ぶ記述が可能なこともあります。研究分野や実験の内容によっても異なり、まったく新しい、あるいは斬新なアプローチであれば、長く、詳細な説明が可能なこともあるので、状況に応じて調整してください。過度に長くなったり、繰り返したりすることは避け、研究の重要性と関連性を正当化するために簡潔かつ焦点を絞って説明することを心がけましょう。

研究の理論的根拠の基本的な構成要素は?

研究の理論的根拠には、その研究を選んだ理由を説明し、研究の必要性を正当化するために以下のような言及や議論を含める必要があります。

  • 文献レビューで得た結論の概要
  • 現在の知見とのギャップ
  • 過去の研究で得られた結論の不一致や議論の的となっている知見
  • 過去の研究を基にする必要性(未解決の問題、新しい知見や技術的進歩に照らした概念の更新の必要性など)

研究の理論的根拠の例

以下に架空の研究の理論的根拠の例を挙げてみます。

Abc xyz is a newly identified microalgal species isolated from fish tanks. While Abc xyz algal blooms have been seen as a threat to pisciculture, some studies have hinted at their unusually high carotenoid content and unique carotenoid profile. Carotenoid profiling has been carried out only in a handful of microalgal species from this genus, and the search for microalgae rich in bioactive carotenoids has not yielded promising candidates so far. This in-depth examination of the carotenoid profile of Abc xyz will help identify and quantify novel and potentially useful carotenoids from an untapped aquaculture resource.

Abc xyzは、水槽の水から単離された新種の微細藻類である。Abc xyzは養殖業にとって脅威とみなされてきたが、その異常に高いカロテノイド含有量と特徴的なカロテノイド・プロファイルを示唆している研究もある。カロテノイドのプロファイル分析は、この属の微細藻類のほんの一握りでしか行われておらず、生物活性カロテノイドを豊富に含む微細藻類を探索しても、今のところ有望な候補は得られていない。Abc xyzのカロテノイド・プロファイルの詳細な検討は、未開発の水産養殖資源から、新たな潜在的に有用なカロテノイドを同定・定量するのに役立つであろう。

研究分野や内容によって序論(イントロダクション)の長さは異なりますが、注意すべきは、この例のように、研究背景、理論的根拠(その研究を行う理由、研究の必要性)を提示するとともに、明確な問題提起と研究の潜在的な影響力をバランスよく配置・強調することにより、研究の動機や正当性を読者が容易に理解できるようにすることです。

まとめ

特定の研究の意義と新規性を明確にするには、研究の理論的根拠を説明することが重要です。研究の理論的根拠は読者やジャーナル編集者などに研究の必要性を説明するものであり、説得力のある理論的根拠を提示することができれば、論文が受理される可能性や、助成金を獲得するチャンスも高まるでしょう。

研究を実施する理由をうまく説明できれば、研究の新奇性、研究がもたらす可能性や利点、社会への影響も含め、読者に研究の重要性を理解してもらうことができるはずです。

英語で書いた研究の理論的根拠には、専門家による英文校正

ジャーナルへの投稿用論文や海外の研究助成金申請書に記載する研究の理論的根拠の良しあしは、論文や申請書の質に影響します。専門家による英文校正のご利用をご検討ください。

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