動画を使って研究を広めよう
研究者が自分のアイデアを広めるためには広報(PR)が重要です。それには、いろいろな方法があります。学術関係者によく読まれている学術誌に研究論文を発表すれば、成果に関する議論を通じて研究者の考えが広まり、新しい研究にもつながるでしょう。別な方法として、ブログも使えます。これは自分の研究や関連するテーマに関心を持つ人々が意見を交わす場となりえるので、自分の研究を知ってもらう効果があります。また大学に属する研究者であれば、授業、セミナー、発表会、その他の諸活動を通じて、自分の研究を人に伝えることができます。 しかし、これらの従来の方法とは異なる方法を利用する研究者がめだって増えています。それはインターネット上に動画を公開して研究を広めることです。 https://www.youtube.com/watch?v=50_45b-5S3U&list=PLSEcBUIQgVpvU0tvcfUWdn1vv1JhwmHNI&index=30 動画の強み 他の人たちに自分の研究成果に触れてもらうのがとても難しいことを、研究者はよく知っています。ノース・カロライナ自然史博物館の昆虫学者であるAdrian A. Smithは「自分の論文の読者の多くは、専門用語と記述スタイルに馴染めずにいる」として、研究成果を専門家以外にも広めて研究の意義を社会に知ってもらうために「研究成果をYouTubeで紹介しよう」と提唱しています。 2015年にSmith氏は同僚研究者と共同で、蟻が分泌する化学物質の個体間の情報伝達機能と性行動様式に関する研究の論文をまとめました。その要点を一般の人にも分かりやすく伝えるため、一般的な読者の代表として、研究論文など読んだこともなければ専門用語もまったく分からない自分の母親に研究内容を説明する動画を作成しました。そして、この動画を論文の記者発表に合わせて個人のYouTubeに公開し、プレスリリースにURLを書き込んでおきました。すると、ワシントン・ポストをはじめとした数紙の一般紙で研究が紹介され、さらには各紙のオンライン版やナショナル・ジオグラフィック・ニュースなどでもオンライン動画として公開された結果で、より多くの人に視聴される結果となりました。 動画の主な強みをまとめると次の通りです ■広範な人たちに知ってもらえる SNSなどインターネット上で動画を公開することで、世界中の人々が直接アクセスすることができます。研究者同士の意見交換や研究協力にもつながることもあるでしょう。 ■親しみを感じてもらえる 動画は、教室で先生が学生に語りかけるのと同じように、研究者が視聴者に直接語りかけているように説明することができます。そのため、論文を読むより親しみを感じてもらえます。また、文章(論文)では伝えにくい自分の考えも、動画ではあますことなく伝えられるでしょう。 ■発表した論文の広報(PR)になる…