参照文献のスマートな見せ方とは?

先行研究の多い分野では、似たような論旨の論文や、同じような研究結果を示している研究が複数見られます。参照文献は新しければ新しいほうがよいといわれますが、このような場合、最新のものだけを参照したほうがよいのでしょうか?
それはよくありません。自分の研究に関連のある先行研究は、できるだけ多く参照するよう心がけましょう。
見つけた先行研究をすべて紹介することによって、その論旨や研究結果が、学術界でどれだけ立証されたことなのかを表すことができます。また、自分がどれだけ多くの文献を読みこなし、該当の分野にいかに精通しているかをアピールするよい機会ともいえるでしょう。反対に、限られた数の先行研究しか引用していないと、たとえそれが最新で信頼性の高い研究の抜粋だとしても、読者は、限られた研究でしか証明されていない事実だと思ってしまうかもしれません。また、その分野に関して深く学習していないという印象を与えかねません。したがって、場合によっては10本以上に上る参照文献を書き連ねることになるかもしれません。しかしこのことは、研究を取り巻く現状を読者に鮮明に理解してもらうためにも必要不可欠なことなのです。
ここまでご紹介したことは、どの「よい論文を書くためのガイドブック」にも書かれていることです。しかし現実には、まったく同じ論文などいうものはありません。そのため、見つけた先行研究を手当り次第に引用すると、自分の研究について書いている部分よりも長くなってしまいかねません。それでは本末転倒です。では、多少違う意見や研究結果を示している論文を簡潔に紹介するにはどうしたらよいのでしょうか?
1つの方法としては、出版の年代順に紹介し、そのテーマを取り巻く研究とその知見の変遷を追っていくことです。読者に対して、何が論点であり、それがいかに解明されつつあるのか、そして今回の研究がその歴史のなかでどのような意義をもつのかを明確に提示することができます。この方法は、研究の仕方や機材の向上がめまぐるしく変わる分野に適した方法かと思われます。
また、まず参照した研究の共通項を要約し、その文末に「Anderson 2008, Bell, 2008, Jones 2009」などと参照文献すべてを列記した後で、「しかし多少の意見のくい違いも見られる」と述べて、それぞれの参照文献の相違点を1つずつ比較しながら紹介していくのもよい方法でしょう。この方法は、その分野の専門家のなかで意見がまっぷたつに分かれている場合などに有効な方法かと思われます。

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