学術論文翻訳サービスと料金を読み解くには?
学術論文の翻訳会社を探す際、会社によってサービスオプションや料金体系が異なり、自分の希望する予算とサービスを選ぶのに苦労するかもしれません。
ここでは、翻訳サービスの違いと選ぶ時のポイントをご紹介します。
機械翻訳と翻訳者による翻訳の違い
最初に検討すべきは、論文を機械翻訳するか、それとも翻訳者に依頼するか、またはその両方を組み合わせるかということです。機械翻訳は最も安価な選択肢ですが、機械には言語のニュアンスや文化的な問題を扱うことに限界があるため、誤訳が生じることを前提にすべきです。逆に、翻訳者のみで翻訳を行う場合は、コストは高くなりますが正確さが期待できます。
限られた予算内で確実に正確な翻訳にしたい場合は、機械翻訳と人間の翻訳者による校正を組み合わせた機械翻訳ポストエディット(MTPE)をおすすめします。
投稿支援サービス
学術論文の場合、論文投稿をスムーズに行うためのサービスがあります。これらのオプションを付けることで料金は上がりますが、長期的には役に立つことでしょう。以下のようなサービスがあります。
– ジャーナル選択
学術論文の翻訳会社はターゲット市場を熟知しているので、ジャーナル選択をサポートしてくれる最強の味方です。トピックと要件に最も適したジャーナルを絞り込むサポートを提供する翻訳会社を探しましょう。
– プレ査読
事前査読付きの論文翻訳サービスを利用すれば、論文を出版社に投稿する前の段階で一歩先に進めます。投稿前にプレ査読を選択することで、査読者が原稿に目を通し、必要な修正を提案することができます。著名な学術誌の査読経験者が実際の査読プロセスや基準に沿った模擬査読を行うことで、論文の完成度を高めアクセプトの可能性を向上させることができます。
– 盗用・剽窃チェック
早い段階で剽窃チェックを行うことで、信頼性を損なうような事態を回避できます。また、翻訳完了後に問題を修正するために後戻りをする必要がないため、時間と費用を節約することができます。
フォーマット調整
ジャーナルの選びをサポートしてくれる翻訳会社であれば、投稿用レイアウトやグラフィックの支援を併せて依頼するのも得策です。こういったサービスを利用すれば、以下のようなフォーマットを出版物の規格に合わせて調整した上で投稿できます。
-余白(マージン)とスペース
論文のフォーマット調整では、マージンやスペースがジャーナルのガイドラインに適合しているかを確認します。こうした規格を遵守することは採択の可能性に大きく関わります。
– 引用文献のスタイル
検討している翻訳会社の投稿サポートに、ジャーナルの引用ガイドラインに準拠するための校正サポートがあるかを問い合わせみましょう。
– 図画編集
論文の投稿前に、すべての表や図が正しくフォーマットされているかを確認することが大切です。論文に図表が複数含まれている場合は、チェックサービスを利用することを検討すると良いでしょう。
フォーマット調整には費用がかかりますが、これをプロに依頼することでジャーナルの査読者の目に留まりやすくなり、論文掲載に一歩近づけるでしょう。
翻訳メモリシステム
翻訳メモリシステムは、今書いている論文だけでなく将来書く論文にも役立てられます。翻訳会社は、依頼者の論文の用語データベースを管理することで、キーワードやフレーズを論文全体で統一します。またその用語集をアーカイブしておくことで、のちに別のプロジェクトを翻訳する際にも活用し複数の論文の間での用語統一が可能になります。
追加費用
オプションサービス利用料金のほか、学術翻訳のコストは以下のような要因によって高くなります。
– 希少な言語の組み合わせ
言語によっては、翻訳が難しいものもあります。そのため、希少な言語を含む学術翻訳は、一般的な言語ペアよりコストが高くなります。これは主に、特殊な言語を専門とする翻訳者を見つけるのが困難なためです。
– 主題の複雑さ
専門性の高い原稿は翻訳も困難なため、料金が高くなります。
– 必要な納期
翻訳の納期が短い場合、より大規模なプロジェクトチームが作業に携わる必要がありコストが増加します。
– 原稿量
学術論文の翻訳会社が料金を決定する最も一般的な基準は単語数です。文字数の多い文書は短い文書よりも必然的にコストがかかります。
学術論文を翻訳するということは、数え切れないほど多くの読者にその論文を見出してもらえるチャンスを得るということです。予算を考慮しながら、論文のニーズに最も適した信頼できる論文翻訳サービスを選択しましょう。
概要
論文に最適な学術翻訳サービスを決める際には、希望するサービスとコストのバランスを取る必要があります。ここでは、論文の翻訳会社を探す際に利用できるサービスの概要を紹介します。