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投稿先ジャーナルの決め方

英文で発行されている海外ジャーナルに論文を掲載させるためには、論文の内容そのものの質を高いものとすることに加え、ネイティブチェックを入念に行うことも大切です。そのうえで、どのジャーナルを投稿先に選ぶかなど、論文投稿の方法も同じくらい重要です。
オープン・アクセス雑誌の躍進も含め、学術雑誌は多様化の一途をたどっています。そのため、自分の論文に最適な投稿先を探すことは、年々難しくなってきているといってよいでしょう。
対応策としては、まず日頃からの情報収集が求められます。
どんなジャーナルがどんな論文を掲載しているか、また自分の関心のある分野を視野に入れた新しいジャーナルが創刊されていないか、いつも注意を払うようにしてください。
情報収集のためには、自分の研究分野に関わる人たちが参加しているメーリングリストに登録することも有意義ですが、最近では、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアでの情報交換のほうが盛んです。
FacebookなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・システム)で、近い分野にかかわる研究者たちと「友達」になり、関心のある「グループ」に参加しておくといいでしょう。日本ではSNSといえばFacebookが一般的ですが、英語圏ではLinkedinなどを利用している研究者も少なくないようです。英文のジャーナルに投稿する気なら、FacebookでもLinkedinでも、日本人研究者だけでなく、積極的に外国人研究者とつながっておくべきでしょう。短文投稿サイトであるTwitterでも同様です。近い分野に関心を持つ人々や組織のアカウントをフォローしておくといいでしょう。
ただし、ソーシャルメディアの変化はすさまじいほど早いので、数年後にはFacebookもTwitterも有効な手段ではなくなる可能性があります。ソーシャルメディアの動向そのものにも目を配っておいてください。
また、もしあなたが大学などの教育機関に所属しているならば、図書館の端末で、「JSTOR」などさまざまな論文データベースを検索してみるのもいいでしょう。使い方はすぐ慣れると思いますが、わからないことがあればたいてい図書館の司書が教えてくれます。講習会などが開かれることもあります。
このようにつねに情報収集をしておくことで、どのようなジャーナルが存在し、どのような論文が出版されているか、大まかな情報を把握していれば、自分の論文を掲載するジャーナルを探すときには、すぐにその論文のテーマや研究方法に沿った「掲載される可能性のある学会誌」のリストをつくれるはずです。
リストができたら、これらのジャーナルの認知度を比較します。これにはImpact FactorThe SCImago Journal RankH-Indexなどが役に立つでしょう。これらの指標にはさまざまな批判もあるのですが、それでも一般的にいって、これらの数値がよければよいほど、そのジャーナルは「より信頼性の高いハイ・インパクト・ジャーナル」と考えられています。それに論文が掲載されれば、当然ながら、より多くの読者に読んでもらえる機会が増えるでしょう。
職場によっては、「ハイ・インパクト・ジャーナル」に論文が掲載された場合には、そうではないジャーナルに掲載された場合よりも、採用や昇進の検討のさい、より高い得点として数えられることがあるかもしれません。
しかし、これらハイ・インパクト・ジャーナルは世界的に人気のある学会誌であるため、査読作業が長引いて掲載までの時間がかかるだけでなく、掲載される確率もかなり低くなる傾向がみられます。そのため、もし今回出版しようとしている内容が予備的な研究の成果である場合など、まだ今後の研究の拡張や向上が予定されている場合は、ハイ・インパクト・ジャーナルを避けたほうがいいかもしれませ ん。
以上は、他のウェブサイトなどでも取り上げられている注意点ですが、もしあなたが論文出版初心者で、「どこから手をつけてよいか、さっぱりわからない」という場合には、どうしたらよいでしょうか?
ここで編集部からおすすめの方法を紹介します。
STEP 1
まずは、自分がその研究を始めるときに先行研究として読んだ論文が掲載されたジャーナルがどこかを調べます。とくに最近の論文が掲載されたジャーナルは、自分の研究にも興味を持ってくれる可能性があるので注意して調べましょう。
STEP 2
次に、それら先行研究の論文が引用している先行研究の論文が掲載されたジャーナルを、同様に調べます。たとえば自分が5本の先行研究の論文を参照したとしましょう。そして、それらの論文がそれぞれ5本ずつを引用しているとします。これだけで、ねずみ算式に、論文25本を掲載したジャーナルが、あなたの「投稿が可能かもしれないジャーナル」のリストに加わるわけです。重複しているジャーナルがあれば、そこがホットスポットと考えていいでしょう。
STEP 3
自分が日頃から尊敬している研究者がいれば、その人たちの論文が掲載されているジャーナルやそれらが引用した先行研究の論文が出版されたジャーナルに目を通すのも有効です。
初めのうちは、投稿先を探すのは本当にたいへんな作業ですが、長く研究を続けれていれば、ジャーナルの主旨や傾向なども自然にわかってくるものです。焦らず慌てず自分に見合うジャーナルを見つけましょう。

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