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伝わる研究論文を書くために―鍵は文章力

研究論文の執筆で大切なのは、自分の研究内容や考察をわかりやすく正確に読者に伝えること。分かってはいるものの、なかなか満足できる論文を書き上げられない・・・・・・。そんなときには、論文執筆の落とし穴にも注意してみてください。

論文執筆の落とし穴

研究論文を執筆するときに陥りがちなのが、自分の伝えたい内容に気をとられるあまり、それを表す文章の書き方(句読点の使い方や文法)にまで意識が及ばない、ということです。しかし、読者に研究成果を分かりやすく伝える論文を書くには、文章力も非常に重要です。簡潔かつ、読者にしっかりと内容が伝わるような文章が書けるようになれば、きっと満足のいく論文を書き上げることができるでしょう。

研究者は長文好き?

一般の読者、あるいは他分野の研究者にとって難解であろう研究成果をできるだけ分かりやすくしようとすると、おのずと文章は長く、複雑になりがちです。しかし、それではよい論文には仕上がりません。難しい内容をいかに分かりやすく読者に伝えられるか、ここが腕の見せ所なのです。

例えば次の文章を読んでみてください。

In botany there are many factors that affect the overall health of flora, for example it is important to maintain the right balance of sunlight, food source, watering schedule, and good soil to prolong the life of a plant.
(植物の育成において必要な条件は多数あります、例えば、日光や栄養、散水のタイミング、土壌環境などが適切なバランスに保たれていることは、植物を状態よく保つために重要です。)

1つの文にたくさんの言葉が詰め込まれ、ここで何を伝えたいのかがはっきりしません。英語で情報を伝える際には、カンマとセミコロンなどの英語の句読点の使い方が重要であり、文章のどの部分が独立節あるいは従属節なのかを考えて文章を作る必要があります。

無終止文と冗長文

接続詞や適切な句読点で区切らずに2つ以上の文節がつながった文章は「無終止文」となります。句読点の誤用またはつけ忘れなどは文法的な誤りとなる上、読者に理解されにくい文章となってしまいます。無終止文は短い文に分けることで修正できます。文章を分割したときにつながりがぎこちない場合には、接続詞などを使って滑らかな文章にするとよいでしょう。

よく混同されるものに「冗長文」がありますが、こちらは文章の意図と関係しない、または重複を含めた不要な語句が含まれる文章です。文章が長くなると分かり難くなり、表現によっては誤解にもつながります。冗長文は、不要な表現を省いたり、違う表現(言葉)に置き換えたりすることで、文章を読みやすく、かつ文意を明確にすることができます。

無終止文になるのを避ける方法

無終止文にならないように――とは思っても、カンマ、コロン、セミコロンなど英語独特の句読点の使い方に苦労することも多いことでしょう。無終止文になるのを避ける方法を見てみます。

I am a writer, I like to write novels.
これは2つの独立節をコンマでつなげているので、文法的に誤っている無終止文です。複数の話題が詰め込まれた文章は、伝えたい内容ごとに書かれた簡潔な文章より分かりづらくなるということを常に念頭において文章を書くようにしましょう。大切なことは、いかに自分の伝えたい内容を端的に読み手に伝えるかです。

無終止文になるのを避けるための方法を4つ示します。

例文
I first became interested in biology when I was 10, I want to be a biology professor at a research university.
(私がはじめて生物学に興味を持ったのは10歳の時です、大学で生物学の教授になりたいと思っています。)

方法1
独立節ごとに文を2つに分ける。

I first became interested in biology when I was 10. I want to be a biology professor at a research university.

方法2
カンマのあとに等位接続詞(for, and, nor, but, or, yet, soなど)を挿入する。

I first became interested in biology when I was 10, and I want to be a biology professor at a research university.

方法3
2つの独立節をセミコロンでつなぐ。

I first became interested in biology when I was 10; I want to be a biology professor at a research university.

方法4
2つの独立節をセミコロンでつなぎ、さらにつなぎ言葉を挿入する。

I first became interested in biology when I was 10; therefore I want to be a biology professor at a research university.

このように無終止文を修正する方法は複数あります。文法的な間違いを正し、読みやすく工夫するためには、句読点の活用が非常に効果的ですので、積極的に取り入れてみてください。

せっかくの研究成果を公表するための論文ですので、文章の書き方にも細心の注意を払って、大切な成果をよりわかりやすく伝えられるようにしてください。

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