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small talk:気候を表す英語を覚える

一般社団法人 学術英語学会 では、毎年、セミナーを開催しており、その中でもユニークな企画として好評なのが「ソーシャライジングとネットワーキングのための英語」です。一般的に、日本人研究者がニガテとしているのが「ソーシャライジング」または「ネットワーキング」、いわゆる研究者交流です。親睦会などの場でどのように話しかけたらいいのか―今回はシリーズ第5回目です。

small talk: 気候を表す英語を覚える

気候を表す表現と言えば、“It’s cold.”や“It’s warm.”などは誰でも知っています。しかし、程度や性質に応じて微妙な感覚を表現することができれば天気の話題にも色合いが出てきます。気候の状況を表す形容詞や副詞をたくさん覚えておくとよいでしょう。

It’s a little cold. / It’s a bit cold.(少し寒い。/ ちょっと寒い。)
It’s chilly. (冷え冷えする)
It’s cold.(寒い)
It’s fairly cold.(かなり寒い)
It’s very cold. (とても寒い。)
It’s bitterly cold. (ひどく寒い。)
It’s freezing cold.(凍るように寒い。)

 

It’s a little warm. / It’s a bit warm.(少し暖かい。/ ちょっと暖かい。)
It’s moderately warm.(ほどほどに暖かい。)
It’s comfortably warm.(暖かくて気持ち良い。)
It’s very warm.(とても暖かい。[=暑い])
It’s hot.(暑い。)
It’s very hot. / It’s extremely hot.(とても暑い。/ ひどく暑い。)

 

気温以外に風や湿度のことを言うのであればwindy(風がある)やhumid(湿気が多い)も話題になるでしょう。現時点のことではなく、本日や、最近の天候のことを話題にするのならば“It’s windy today.” や “It’s humid these days.”と副詞をそえることもできます。

なお、室内の気温を話題にするのであれば

It’s cold in here.
ここは寒いです。
It’s an oven in here.
ここは蒸し風呂みたいだ。(oven はもちろんオーブン。)

とします。屋内は空調が効いていて心地よいのであれば、屋外の様子を話題にして

It’s freezing outside.
外は凍るほど寒い。

などとします。

さて、一人称を主語にして“I’m cold.”などとすれば自分自身の身体感覚を述べることになります。“I’m sweltering.”(暑くてたまらない)や”I’m shivering.”(寒くて体が震える)のように表すことができます。ただし、天気の話題は、共有できる感覚に基づいていることが大切です。次に紹介するような“It’s …, isn’t it?”の形を使うことで相手の反応を引き出すことができます。

身体感覚を共有する

簡単な話題の持ち出し方は、付加疑問文(tag question)を用いて

It’s cold in here.
It’s cold today, isn’t it?
今日は寒いですね。

と投げかけることです。つまり、身体感覚を共有することです。「いや私は暑いですよ」などと反論する人はまずいないでしょう(そうだとすればそれはそれで話題は面白く発展するでしょうが・・・)。些細なことでも初対面同士で共通感覚が得られたら、それは会話の最初のモーションになるでしょう。また、次のように天気について感想を聞く形でもよいでしょう。

It’s cold in here.
How do you like the weather?
この天気、どう思いますか。

もっともイギリス人の中には、一日中雨が降っているようなひどい天気でも独特の修辞表現を使って

It’s cold in here.
It’s a wonderful weather, isn’t it?
すばらしい天気だね。

と言ったりする人も見かけたことがあります。ポカンとしないように気を付けたいものです。

※ 本シリーズの掲載記事はこちらからどうぞ。


崎村 耕二  (さきむら こうじ) 

日本医科大学 武蔵境校舎 外国語教室 教授。1957年生まれ。オックスフォード大学ウルフソン・コレッジ客員研究員、高知大学教授,京都工芸繊維大学教授を経て2013年より現職。一般社団法人 学術英語学会 代表理事なども務める。専門は、テクスト分析,言語表現論。現在、医学部で、医学英語の語源と語形成などを講義。英語コーパス学会会員、医学英語教育学会会員、Oxford Union Society (弁論部)終身会員等。著書に、『最新 英語論文によく使う表現 基本編』(25年以上のロングセラー改訂版)、『英語で明確に表現する』 、『英語で論理的に表現する』(以上、創元社)、『論理的な英語が書ける本』(大修館書店)などがある。

 

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