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情報過多社会を生きるためのコツ

インターネットやSNS(Twitter、Facebookなどのソーシャルネットワーキングサービス)の普及に伴い、私たちは知りたい情報を簡単に手にいれ、興味ある話題について最新の動向を常に把握することができるようになりました。一方で、洪水のように流れ込む大量の情報を前に、多くの人が振り回され、集中力を削がれているのも事実です。自分の処理能力を超える量の情報に直面する、いわゆる 情報過多 の状態に置かれているのです。スマートフォンを持っている人なら誰でも身に覚えがあると思いますが、ひとたび検索をし始めるとキリがなく、仕事の生産性が上がるどころか下がってしまうこともあります。このような情報過多の状況にどう向き合うかは、研究者の皆様にとっても喫緊の課題ではないでしょうか。情報の洪水から身を守りつつ、大切な情報を見逃さずに拾い出すにはどうしたらよいのでしょうか。

情報過多がもたらす弊害

すでに研究者が一生かかっても処理しきれない量の膨大な情報が溢れています。毎年200万件を超える研究論文が発表されていますし、2万8000誌以上の学術誌が毎号、新しく重要な発見を公表しています。このような状況では、自分の研究に関連する最新動向を把握しようにも、何から手をつければよいのか見当もつきません。SNSに及んでは、もはや決して追いつけないと思うほどの、お知らせやメール、最新情報が続々と送信されてきます。
このような状況において、多くの研究者は「論文を執筆するにあたって、いったい、自分はどこまで調べればよいのだろう」と途方に暮れてしまいます。しかも、大量の情報に囲まれ続けているうちに、最新情報に触れ続けていないと何か見落としているのではないか、置いていかれるのではないか、成功を逃すのではないかといった恐怖(fear)を感じるようになるとして、FOMA(fear of missing out)という言葉も生まれました。この現象の原因はSNSに限らず、常に最新の情報を追い続けていないと不安になるというものです。研究者であれば、何か大切な記事や研究を見落としているのではないか、という心配に取り付かれてしまいがちです。これが、ストレスになり、作業効率を低下させ、肝心な研究がおろそかになるという悪循環を招きかねません。情報が氾濫する現代で不要な不安感を持たずに健全な精神状態を保つには、自分にとって何が大切なのかを見極める力が必要です。

溢れる情報の中から本当に必要な情報を見つけ出す

FOMAのような現代病とも呼べるような不安を抱える人は世界的に数多く存在しているので、むやみに悲観する必要はありません。むしろ、多くの人の共通の悩みであるがゆえに、情報過多の状況に対処する、もしくはそういった状況に陥らないよう工夫するコツもたくさんあります。ここでいくつか紹介します。

思い切って無視する

振り返れば、毎日目にする大量の情報は、ほとんどに大した意味はなく、自分に関係のない類のものではないでしょうか。新着情報を思い切って無視することにすれば、何か見落としているのではないかという不安からも解放されます。

情報管理ツールを利用する

フィルターの活用は非常に有効です。ScienceOpen の検索機能、Google Scholar のアラート機能、またはFeedlyのようなホームページやウェブメディアの情報を効率よく収集して表示する情報収集効率化ツール(RSSリーダー)を利用することで、情報を管理しつつ、新着・更新情報を漏らさずに確認することも可能になります。

拾い読みする

すべての記事をじっくり読み込む必要はまったくありません。記事の中の研究の概要や記事に関するコメントにさっと目を通すのでもキーポイントは掴めるはずです。

ソーシャルメディアを賢く使う

確かにソーシャルメディアで集中力が乱されることがあるとしても、上手に使えば有益な情報源になりえます。仕事用のツイッターアカウントを別に作って、自分の現在または将来のプロジェクトに関連したジャーナルや研究者を徹底的にフォローしましょう。通知機能の設定を無効にしておき、毎日時間を決めて情報をチェックすればよいのです。

作業分担する

チームで研究活動している場合は、情報のチェックなどの作業をメンバー間で分担するのも一案です。それぞれに担当する分野を割り振り、その分野の情報収集を責任持って進めてもらうのです。分担すれば、すべての情報をひとりで躍起になって追いかけなくても大丈夫、と気が楽になるはずです。

いかがでしょうか。情報量も提供スピードも増すばかりの現代。情報過多に振り回されずに生産性を保ち、有益な情報を効率的に得られるよう、ぜひ自分にあう対処法を試してみてください。

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