第17回 9つの "色覚バリアフリーツール"
より多くの人に伝わりやすく・わかりやすい、色覚バリアフリーなスライドを作るために覚えておきたい「CUD: カラーユニバーサルデザイン」について迫る連載シリーズ。
第17回目の今回は、カラーユニバーサルデザインの実践に役立つ9つのツールをご紹介します。CUDの実践に役立つ9つのツールをまとめてご紹介します。
このようなツールに触れてみるだけでも多様な色覚の世界を知る手がかりとなりますので、機会があればぜひ利用してみましょう。
シミュレータ(ソフトウェア)
①「Illustrator 」、「Photoshop」
世界的にシェアの高いアドビシステムズ株式会社のグラフィックソフトウェアならびに画像編集ソフトウェア。
Illustrator 、Photoshopとも、CS4以降、CUDOが協力して開発したCUDチェックシステム機能を標準搭載しています。
[校正メニュー]の中にP型、D型それぞれのCUD校正ビューが組み込まれており、オリジナルの作業スペースと別に開くことができるのでチェック画面を見ながら作業できます。
②「Vischeck」
米国スタンフォード大学のBob Dougherty氏と Alex Wade氏が開発した、P型、D型、T型色覚のシミュレーションソフトウェア。
画像処理ソフトウェアImageJのプラグインとして利用するのが一般的で、ImageJ、Vischeckともに無償でダウンロードできます。既存の画像ファイルを開いてチェックするとともに、色に改変を加えて保存することもできます。
PowerPointなどのファイルをいったん画像として保存すれば、スライドの色の見分けやすさをチェックすることもできます。
③「色のシミュレータ」、「色のめがね」
浅田一憲氏(医学博士、メディアデザイン学博士)が開発したスマートフォン用のアプリケーションです。
「色のシミュレータ」は、各色覚型の色の見分けにくさをチェックするためのツールで、「色のめがね」は、P型、D型、T型など色を見分けにくい人のための補助ツールです。
各種配信チャンネルなどから無償でダウンロードできます。
④「UDing(ユーディング)」
東洋インキ株式会社から無償提供されているCUD支援ツールのシリーズです。
なかでも「UDingCFUD」は、色の組み合わせが適切であるかどうかを自動認識により知らせてくれる便利なツールです。
UDingにはiPhoneアプリ版もあり、配信チャンネルから無償でダウンロードできます。
シミュレータ(ハードウェア)
⑤色弱模擬フィルタ「バリアントール」
豊橋技術科学大学中内茂樹研究室、高知工科大学篠森敬三研究室、伊藤光学工業株式会社の産学連携により開発された、色弱者の色の見分けにくさを一般色覚者が体験するための色弱模擬フィルタのシリーズ。
メガネ型およびルーペ型があり、色覚に関する啓発活動や研究、デザイン作業における配色チェックなどに活用されています。
⑥液晶ディスプレイ「Flex Scan」、「Color Edge」シリーズ
EIZO株式会社のスタンダードモニタ―「Flex Scan」、ならびにカラーマネジメントモニター「Color Edge」シリーズは、同社が無償で提供している色覚シミュレーションソフトウェア「UniColor Pro」と組み合わせることで、モニター表示の色変換を行うことができます。
静止画のみならず動画をリアルタイムに扱えることが利点です。
⑦液晶ディスプレイ「MultiSync」シリーズ
NECのクリエイター向けカラーマネジメントディスプレイ「MultiSync」シリーズは、ディスプレイ単体で各色覚特性およびコントラスト確認用の表示をすることができます。
静止画のみならず動画をリアルタイムに扱えることが利点です。
配色セット
⑧CUD推奨配色セット
CUDOおよび印刷・塗料企業により選定された、C型、P型、D型、T型、さらには白内障の人など、あらゆる色覚の人に見分けやすい約20色のセットです(詳細は参考文献欄の伊藤啓氏による解説を参照)。
緑色レーザーポインター
⑨コクヨ株式会社 レーザーポインター
近年、さまざまなメーカーからさまざまな機能を備えた緑色のレーザーポインターが発売されています。なかでもコクヨ株式会社の緑色レーザーポインターはシンプルなものから多機能のものまでラインアップが豊富です。CUDマークのついたものを探してみましょう。
学会発表・論文投稿を支えるEnagoの英文校正サービス
スライドの配色への配慮とあわせて、発表原稿や論文の英語表現の質を高めることも、研究成果を正しく伝えるうえで欠かせません。Enago(エナゴ)の英文校正サービスをご活用いただければ、専門分野に精通した学術校正者が国際学会や論文投稿に向けた英文を丁寧にチェックいたします。
参考文献
- 色のめがね(浅田一憲氏開発)
- UDing(東洋インキ株式会社)
- CUD推奨配色セット(CUDO)
- 色のシミュレータ(浅田一憲氏開発)
- ImageJ(画像処理ソフトウェア)
- バリアントール(伊藤光学工業株式会社)
- コクヨ株式会社 緑色レーザーポインター
- CUD推奨配色セットの詳細解説(伊藤啓氏)
- Vischeck(色覚シミュレーションソフトウェア)
- EIZO株式会社「FlexScan」「ColorEdge」シリーズ
- NEC カラーマネジメントディスプレイ「MultiSync」シリーズ
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