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研究方法の種類と選び方

研究の成功は、適切な計画と実施にかかっています。研究を無事に終了させるには数々の要因や要素がありますが、最良の研究方法を選ぶことは、最も困難かつ悩ましいことのひとつです。研究は取るべきアプローチの種類に従って進められるものなので、研究を実証するための研究方法と、データを収集する方法を選ぶのは非常に重要です。研究において的確な研究方法を選択することで、求められている情報を照合し、研究の最終目的に到達することが可能となるのです。
この記事では、さまざまな研究方法(研究方法の種類)とその中から最適な方法を選択するための基準について論じます。

最適な研究方法を選択することの重要性

研究方法は、研究を実施する前に決定しておきます。的確な研究方法を選ぶことは、研究内容および文章をうまくまとめ、全体を良質なものにすることに役立ちます。さらに、自分の研究分野で使われている研究方法に精通しておくことで、より実質的に理解することができるようになります。

研究方法の種類

自分の研究の性質、研究分野における標準的状況、実用性により、自分の研究に最適な研究方法を選択しましょう。研究方法には、定性的研究と定量的研究という2つのアプローチと、その混合アプローチがあります。

  1. 定性的研究(質的研究)では、数値で計れないデータを使用します。言い方を変えれば、定性的研究とは、言葉、説明、概念、信念、思考(アイデア)やその他の実体のないものに焦点を置く研究です。
  2. 定量的研究(量的研究)では、数値と統計データを使用します。変数(可変要素)を測定し、既存の学説または仮説を検証するものです。通常、定量的研究で得られるデータは数値やグラフなどの形で事実情報を示されます。
  3. 定性・定量融合法研究とは、定性的研究と定量的研究の両方を組み合わせた研究です。混合研究法とも、ハイブリッドメソドロジーとも呼ばれています。定性的研究で状況調査を行い、理解していることのポテンシャルモデルを開発します。これは概念フレームワークとも呼ばれ、定量的方法を用いて、そのモデルを実験的に試験します。定性的研究で得られた新しい知見について、より大規模な知見を検証するために定量的研究を行うといったものです。

また、研究は大まかに下の3つに分類できます。

  1. 探索的研究:問題についてのより深い理解を示し、その問題に関する理論を潜在的に発展させます。そのため、このタイプの研究では定量的研究アプローチを取る傾向があります。
  2. 確認研究:経験的試験によって潜在的な理論または仮説の確認を行うものです。定性的研究を取る傾向があります。
  3. 両方を混合した研究:ポテンシャル理論または仮説を構築し、定性・定量融合法のアプローチを使って経験的な試験を行います。

最良の研究方法を選択する前に考えるべきこと

研究の性質

研究の種類(定性的、定量的、定性・定量融合)にかかわらず、それぞれの研究にはリサーチクエスチョン(研究上の疑問)を解決するための個々に異なる目的とアプローチ法があります。そのため、採用する研究方法を決めるための鍵となる要素は、研究の性質、研究目標、目的、さらにリサーチクエスチョンによって異なってきます。

研究分野における標準的状況

研究方法を適切に選ぶには、該当する分野で他の研究者が使用しているアプローチや、同様の目標や目的で行われている研究を注意深く調べ、検討することも必要です。同じ分野の研究者は、一般的な方法論的アプローチまたは一連のアプローチに従っていることがよくあります。そうした傾向に従う必要があるとは言いませんが、少なくともこうしたアプローチを検討し、自分の研究にとって有益か、メリットを評価してみるとよいでしょう。

方法の実用性

ほとんどの方法論的アプローチは、理論的には最も科学的に厳格な研究デザインを示すものですが、実際に直面する制約も見過ごすことはできません。だからこそ、研究方法を実験条件における実用性に基づいて評価することが、いっそう重要なのです。

最良の研究方法を選ぶためのステップ

ステップ1:目標・目的・リサーチクエスチョンを固める

推論について懸念する前に、疑う余地のない結果につながる道筋を描くことが重要です。そのためには、どのように研究を進めるかを決める前に、何を研究したいのかをはっきりと把握しておくことが不可欠です。最も重要なのは、リサーチクエスチョンへの回答を得るために研究する必要のある変数(可変要素)を見定めておくことです。変数にこだわって進めれば、最終的な結果につながるでしょう。

ステップ2:関連する研究および効果的に使われた方法を参照する

研究を実施するためには数え切れない方法があり、どれもがあなたの研究にしっくりするものではないはずです。しかも、自分の分野で他の研究者が採用しているアプローチを把握していないと、最良の研究方法を決定するのが困難なこともあります。ですので、自分の研究分野の関連文献を読み、それらに採用されている方法を、実現可能性や制限に基づいて評価することが必要です。

ステップ3:計画を立て、研究を進めるためのリソースを探し出す

同じ分野の研究であっても、異なるデータの照合方法を採用していることもあります。時間がかかる方法もあれば、インターネット上で情報が見つかることや、フィールドワークが必要なもの、費用がかかるものもあるでしょう。そのため、データ収集における制限についても考慮した上で、どの方法を用いるか決めることが大切です。

ステップ4:研究方法を細かく書き出して見直してみる

自分の研究を進める上で特定のアプローチを選んだら、全ての作業について書き出してみましょう。そこには、それぞれの段階に要する大まかな時間とリソースについても書き入れておきます。書き出してみることは、自分の研究でとるであろう作業の流れを把握し、疑う余地のない結果に至るまでの障害に備えるのに役立つはずです。

定性的研究と定量的研究のアプローチの違い

定性的研究と定量的研究では、リサーチクエスチョンへの回答を導き出すデータの収集方法が異なります。

定性的研究

  • 帰納的かつ主観的なアプローチをとる。
  • オープンクエスチョン(自由式回答)でデータを収集する。開放的で柔軟性がある。
  • 理論を構築する。概念、思考、経験を理解するのに適している。
  • 言葉に関連するデータはインタビューやフォーカスグループから収集可能。
  • 小さなサンプルサイズでよく、内容(コンテンツ)や主題の分析などの定性的データの分析手法を採用する。

定量的研究

  • 演算的かつ客観的なアプローチをとる。
  • クローズドクエスチョン(選択式回答)でデータを収集する。閉鎖的で高度に計画されている。
  • 理論を立証する。理論や仮説の立証や検証するのに適している。
  • 数値データは調査あるいは実験によって収集可能。
  • 大きなサンプルサイズを要し、統計的データ分析手法を採用する。

まとめ

このように書くと、研究の目的が研究方法を選択する際の主たる要素であると思うかもしれませんが、研究を成功させるのに影響をおよぼす他の要素についても考慮することは必須です。研究内容、どのようなアプローチを用いて研究を行うか、リサーチクエスチョンへの回答に何が必要か、さらに時間や予算などの要素も考慮して方法を選択してください。最も適した研究方法を選択して、その方法を正しく遂行することこそが研究を推進させるのです。

適切な研究方法を選択できるかどうかで、研究の結果、さらにその研究の質が左右されかねません。ほとんどの研究は、上述の定性的研究、定量的研究、あるいは定性・定量融合法研究のいずれかの方法を採用しますが、どの方法を選ぶかが重要なのです。ここに挙げたアプローチの違いを理解し、研究方法の選択を間違えないようにしてください。

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