「あがり症」を克服して発表するためのコツ

学術に身を置く以上、研究発表からは逃れられません。とはいっても、壇上に上がって発表するよりも、数名の仲間と研究室で静かに過ごすほうが好ましいと感じている人も多いのではないでしょうか。聴衆の前に出て研究発表をするときに緊張してしまうのは、誰もが経験することです。ここでは、どうすればいわゆる「あがり症」を克服して自信をもって発表ができるようになれるかを考えてみます。

やっかいなあがり症

研究発表をしようと壇上に上がったものの、緊張のあまり固まってしまった。このような経験をした人は多いと思います。心臓がバクバクし、膝が震え、冷や汗をかいたり胃がきりきりと痛みだしたり・・・・・・人前で話をしようとするときによく見られる反応ですが、出方は人それぞれです。あがり症、つまり人前で話をしたりする時に感じる緊張や不安は、反応の出るタイミングが特定されます。非日常的なシチュエーションで生じるという意味で、日常的な(普通の生活)で生じる不安感とは異なるものです。しかし、「あがる」ことが予測できたとしても厄介な反応であることは変わりません。あがり症怖さに、大きな会議で自分の研究成果を発表する機会や、与えられた講演のチャンスを逃すのは避けたいところです。

あがり症を克服するためのコツ

人前で緊張し、不安になる―あがり症は、多くの人が抱える悩みだけに、さまざまな対処法や克服法があります。ここでは、そのうちのいくつかをご紹介したいと思います。

■ ひたすら練習あるのみ!
実際に声を出して発表の練習をすることで備えることができます。緊張しやすいのに、練習を怠れば、発表当日に不安が募るのも当然です。徹底的に練習をしておけば、自信を持って本番に臨むことができます。鏡の前で、ペットに向かって、そして家族の前で、何度も練習しておきましょう。練習をすることで話の矛盾点やおかしな部分に気付き、修正しておくこともできます。準備を入念にすればするほど、本番が楽になるはずです。

■ 呼吸を整える
緊張や強い不安を感じると、呼吸が浅く、早くなるものです。呼吸が早くなり、鼓動も早くなってしまうと緊張を増幅させます。まずは落ち着いて、お腹の底からゆっくりと深呼吸してみましょう。10回ほど繰り返すとおのずと気持ちが落ち着いてくるはずです。そして、発表するときには、深く息を吸い、お腹から声を出すようにしてみてください。発表の時に意識して、大きく、ゆっくり呼吸することで冷静さを保ちつつ、発表を進めることができるようになるでしょう。

■ 成功をイメージする-ポジティブシンキング
イメージトレーニングは、運動選手やビジネスリーダー、人前で何かをする機会の多い人がよく取り入れる方法です。勝てる自分、成功する交渉、うまくいく情景など、ポジティブなイメージを頭に描きます。発表が非常にうまくいき、聞き手が何事も聞き漏らすまいと前のめりになっているという情景をイメージするのです。発表する目的や内容を事前にしっかり確認して、何のために何をするかを意識し、そのことがうまくいく具体的なイメージを持って壇上に上がれば、緊張は軽減されるでしょう。むしろ緊張感を楽しむというくらいの気分になれるかもしれません。

■ マイナスの事態も想定しておく
人は先行きの見えない状況に不安を覚えるものです。そこで、事前に想定問答(もし、こんなことが起きたらどうしよう)をしておくのも一案です。うまくいかなくなりそうな、あらゆる事態を予想し、その場合どうしたらいいか、を考えておくとよいでしょう。マイナスの事態、あるいは最悪の状況を覚悟しておけば、何が起きても対処できるでしょうし、おのずと不安からも解放されるというわけです。

■ 持ち時間の配分
与えられた時間内に発表をまとめることは大切です。また、配分も重要です。30分間と考えると気が重くなってしまいますが、内容ごとに時間を配分し、短時間、例えば5分間の発表の積み重ねと考えれば気が楽になりませんか。壇上に上がったら、5分間ずつを段階的にこなすことに集中しましょう。そうすれば、あっという間に発表が終わっていた、となることでしょう。

■失敗は心に秘めて
発表を終えたあとに、あれこれ失敗してしまった箇所を振り返って落ち込んだものの、実は他の誰もその失敗に気づいていなかった、という経験はありませんか。ほとんどの場合、聞き手は演者が間違えてしまったことには気づいていません。不必要に自分の失敗をさらけ出すことはせず、自分の心に秘めつつ、その失敗を繰り返さないように次に備えましょう。

 

あがり症といっても、その程度や感じ方は人それぞれですので、自分にあった克服法を試してみてください。間違えずに発表しようと緊張するより、自分の研究を多くの人に伝えるという本来の目的に集中し、はっきりと話すように心がけましょう。焦らずに試行錯誤を繰り返すうちに自信が持てるようになれば、きっと何かが変わってくるはずです。

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