学術的な英語と一般的な英語の違いと英語レベル上達へのアドバイス

英語論文 を書くのに備え日々英語を勉強しています。一般的に役立つ英語表現などはつかめてきたと思うのですが、学術的な(アカデミックな)文書と一般的な(日常の)文書で使う英語の違いがよく分りません。
学術的な文書と一般的な文書を書くときの違いと、学術英語をレベルアップさせる方法について教えてください。
ご質問ありがとうございます。
まず、学術的(アカデミック)な英語と一般的な英語の文章には、以下のような違いがあります。
1. 対象とする読者が異なります。論文のようなアカデミックな文章は、同じ専門分野あるいは関連専門分野の研究者に向けて研究成果を伝えることを目的として書かれるものですが、アカデミックではない一般的な文章は、研究に関する予備知識のない人や専門分野の異なる人に向けて書かれるものです。
2. 書き方も違います。学術文書は、客観的に、簡潔かつ感情を出さずに淡々と書きますが、一般的な文書であれば、形式や堅さ加減も好きなように書くことができます。
3. 学術的な英文には専門用語を使用しますが、一般的な英文では、明快で一般の人にも理解しやすい語を用い、専門知識がなければ分らないような用語や略語は使いません。
4. 研究論文、プロシーディング (講演要旨集)、エッセイ、学術報告書などを書く際には 学術英語 を使用します。新聞記事、私的な手紙、日記、ブログ などは一般的な英語で書かれます。
5. 学術文書を書く際には、句読点の使い方や文法に十分注意する必要があります。縮約も使いません。投稿論文の場合には、英語の表現とは別に、指定のスタイル(書式)に従って書く必要があるので、その点にも注意します。一般的文書を書く際にも文法には気をつける必要がありますが、文書の用途によっては、スラング、縮約形、決まり文句(定型表現) を使っても問題ありません。
6. 学術文書を書く際には、参考文献と引用を入れ込むことが重要で、その記載方法にもルールがありますが、 一般的な文書に参考文献や引用を付けることはあまりありません。
英語は奥が深い言語なので、常に新しいことを学んでいらっしゃることでしょう。言語とは一晩で習得できるようなものではありません。それでも、きちんと学習を続け、上達を目指す気持ちがあればレベルを上げていくことは可能です。英語を上達させるには、以下に取り組んでみてください。
1. 文章全体を素早く読み、特定の情報を拾い出す練習をする
2. 英語ネイティブが話をする学会(カンファレンス)やウェビナーに参加し、プレゼン内容のメモを英語で作成する
3. さまざまな英単語の発音を練習する
4. 常日頃から自分の辞書を更新し、文法の習熟、語彙力の向上を図る
5. 英語ネイティブの同僚と英語で話しをして、上達につなげる
6. オンラインで利用できる試験を受け、その結果を記録しておき、良くなっていくように努力を重ねる(客観的に自分の能力を見ることで、結果を学習に反映させていく)
7. 学術英語 の向上や英文作成に役立つウェブ掲載情報やオンライン情報、ブログなどを活用する
また、こちらも参考にしてみてください。
エナゴ英語アカデミーブラウジングタグ―原稿作成のコツ https://www.enago.jp/academy/tag/manuscript-drafting-tips/
研究論文の書き方 https://www.enago.jp/academy/how-to-write-a-research-paper/