論文のリジェクトは研究者としての評価に悪影響を及ぼしますか?
論文英語・英語アカデミックライティングに関するあらゆる疑問やお悩みを、京都大学で長年学術英語の指導にあたってきたパケット先生と、学術出版の動向を熟知するエナゴアカデミーの専属スタッフが、ズバリ解決いたします!
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ご質問ありがとうございます。
残念ながら論文がリジェクトされてしまったとのことですが、論文を発表すること、ましてインパクトの高いジャーナルに掲載することは容易ではなく、リジェクトは、ごく頻繁に起こります。研究を続けていれば、誰しも一度はリジェクトを経験するものです。
なぜリジェクトされてしまったのか、その原因を探り、次はアクセプトされるようにすればよいのです。エナゴアカデミーの記事「投稿原稿がリジェクトされる一般的な理由」も参考にしてください。
ただ、リジェクトだけなら問題ないのですが、論文の撤回に至ってしまうとネガティブな印象を与えますので、やはり注意が必要です。
もちろん結果の誤りに気がついた場合、これを正直に公開して論文を撤回することは悪いことではありませんし、科学の発展にとっても必要です。その様な場合は著者の評判が著しく下がることはなく、今後の研究費獲得に悪影響を及ぼすこともないでしょう。自主撤回が学術界にどの様に貢献するのかについてはこちらの記事もご覧ください。
一般的には、論文に発表されたデータの信ぴょう性が疑われた場合、ジャーナルの編集者がこれを精査し、軽微な誤りと判明すれば著者に正誤表の作成を求め、それをジャーナルに掲載。データの信ぴょう性について結論が出ない場合は、編集者はその論文に関して懸念を表明します。しかし、データの誤りが深刻な場合や研究の正当性をゆるがすような場合は、論文を撤回することになります。
「論文の受理をめざす研究者がやるべき8つのこと」を参考にして、なるべくリジェクトを避けたいものです。
なおエナゴの「リバイス・リジェクト論文の校正」サービスでは、リジェクトされた論文を別のジャーナルへ投稿するための英文校正を行います。ぜひご活用ください。
グレン・パケット
1993年イリノイ大学(University of Illinois at Urbana-Champaign)物理学博士課程修了。1992年に初来日し、1995年から、国際理論物理学誌Progress of Theoretical Physicsの校閲者を務める。京都大学基礎物理研究所に研究員、そして京都大学物理学GCOEに特定准教授として勤務し、京都大学の大学院生に学術 英語 指導を行う。著書に「科学論文の英語用法百科」。パケット先生のHPはこちらから。