ハゲタカ学会を見極めるポイントはありますか?
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ご質問ありがとうございます。知らない学会から会議の招待を受けたという事例をよく耳にしますが、ハゲタカジャーナル(捕食ジャーナル)やハゲタカ会議が増えている今日、そうとは気付かずにトラブルになるケースが後を絶ちません。
以下の点に注意して、慎重に見極めましょう。
(1)講演者や主催者をチェック
招待されている講演者の経歴を、ResearchGateやLinkedInを使って調べましょう。その経歴が講演のテーマと関連が無い場合は、ハゲタカ会議の可能性があります。また、少数の講演者が複数のトピックについて講演している場合や、学会の紀要(プロシーディング)にテーマがきちんと記載されていない場合なども注意が必要です。
会議の主催者や運営団体についても調べましょう。主催者が複数の会議を運営している場合は、ハゲタカ会議の可能性が高いです。
(2)アブストラクトの締め切りをチェック
アブストラクトの審査を行う学会の場合、アブストラクトの締め切りが会議の1か月以上前に設定されていることを確認しましょう。それより短い場合は、適切な審査が行われていないと考えた方がいいでしょう。
(3)過去の会議をチェック
その会議が過去にも主催されているのであれば、その時の様子を、同僚や他の研究者に聞いてみましょう。もし、初めて主催される会議であれば、よく知られた学協会が共催者となっていることが多いはずですが、その詳細について説明がなされていない場合は、要注意です。
(4)メールをチェック
ハゲタカ会議の場合、招待メールの内容が、やたらと華やか(例:参加すると様々な特典がある、著名な研究者が講演する)な一方で、説明文に文法ミスがあることが多いです。また、法人ではなく個人のメールアドレスから送られてくるもこともあります。会議への出席を求められているのなら、主催者に、封書による正式な招待状を送るよう依頼してみましょう。
グレン・パケット
1993年イリノイ大学(University of Illinois at Urbana-Champaign)物理学博士課程修了。1992年に初来日し、1995年から、国際理論物理学誌Progress of Theoretical Physicsの校閲者を務める。京都大学基礎物理研究所に研究員、そして京都大学物理学GCOEに特定准教授として勤務し、京都大学の大学院生に学術 英語 指導を行う。著書に「科学論文の英語用法百科」。パケット先生のHPはこちらから。