論文の読み方の基本ステップ:初心者のためのガイド

研究活動や課題などのため、若手研究者や学生が学術論文を読む際、まだ読みなれないうちは時間をかけて一本一本丁寧に読むかもしれません。

論文がどのように構成され、どのように書かれているかを把握するという意味では、大切なことでしょう。しかし研究者にとっては短時間で効率的に文献を読み、より多くの情報を取り入れることも時に重要です。

この記事では、特にIMRAD形式の研究論文・学術論文について、読み方の基本ステップと注意点を解説します。

論文のセクションと論文を読む目的を明確にする

論文をスムーズに読むためには、まず全体の構成と、何のために文献を読むのかを明確にしておくべきでしょう。

IMRAD形式の論文構成

理系の原著論文には一般的に「IMRAD形式」と呼ばれる構成が用いられます。

IMRADとは、Introduction, Materials and methods, Results, and Discussionの頭文字を取ったもので、Introduction(序論)、Methods(方法)、Results(結果)、Discussion(考察)のセクションを含む論文形式です。

まずはこの流れを押さえておくことで、どこに何が書かれているかを把握しやすくなります。

詳しくは「IMRAD形式に準じた論文の構成」をご覧ください。

論文を読む目的を明確にする

論文を読む前、その文献から「何を知りたいのか」、「どのような情報を得たいのか」を明確にしておきましょう。

目的が定まれば、必要な部分を重点的に読み、不要な部分を読み飛ばす判断がしやすくなります。

論文を読むことに慣れていない初心者におすすめのステップ

論文を冒頭から一字一句読み進めていくよりも、段階的に理解を深める読み方が推奨されます。

ステップ1:要旨(アブストラクト)を読む

まずは要旨を読み、研究の目的・方法・結果・結論の概要をつかみます。

ここで論文全体の内容がイメージできれば、自分に必要な論文かどうかを短時間で判断できます。

ステップ2:結論と図表を確認する

次に結論部分と図表に目を通します。

図表には研究結果が視覚的にまとめられていることが多く、同じ分野の研究者であれば文章を読むよりも早く要点を把握できることが多いでしょう。

ステップ3:方法と結果を詳しく読む

概要を掴んで読み進めるべき文献だと判断した場合は、方法(Methods)と結果(Results)を詳しく読み進めます。

どのような手法でデータを取得し、どのような結果が得られたのかを丁寧に確認します。

ステップ4:考察で著者の解釈を理解する

最後に考察(Discussion)を読み、著者が結果をどう解釈しているか、また研究の限界や今後の課題は何かを確認します。

論文を読む際の注意点

内容を鵜呑みにせず、批判的な視点を持つことも大切です。

一つの論文だけで結論を出さない

一つの論文の結果だけで物事を断定せず、関連する複数の論文と比較しながら理解を深めることが望ましいです。そういった意味で、「総説論文・レビュー論文」に目を通しておくことも有効です。

初めて見る用語はその都度調べる

専門用語などで初めて見る用語、意味の分からない用語が出てきた場合は、その都度調べながら読み進めます。

意味が捉えづらい場合は、その用語が同じ分野の他の論文でどのように使われているかを確認することでその論文の意味を遡及的に深められるかもしれません。

まとめ

学術論文を読む際は、要旨と結論を読むことによって、読み進めるべき論文をふるいにかけられます。

それにより文献調査にかかる無駄な労力を省くことができるでしょう。そして、まずは結論と図表、その後に方法や考察へといった順序で、情報の重要度に沿って読み進めることで、情報収集の効率は格段に上がります。

学術論文を読むことに慣れていないうちは、特に要となる部分を拾い上げて読むことが全体の把握につながります。

参考文献

文献を読み、発見するためのAIツール Enago Read(エナゴリード)

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