研究を推進する

学術ライティングでの括弧の使い方

括弧は、文中の特定の単語を他の単語から区別するために使用されています。学術ライティングでは、数式、頭字語(アクロニム)などが丸括弧の中に書かれるのが一般的ですが、引用符の中などに角括弧が使われることも多々あります。括弧は数式においては計算する順序を示すために使われ、文中で使用される場合は、括弧内が引用の一部ではないこと、あるいは原文のままでは正確ではないこと、省略されている語句があることなどを読者に示すために使われます。こうした一般的な使い方の他に、学術ライティング独自の例外的な使い方も存在します。 英文でよく使われる4種類の括弧は、日本語では角括弧、丸括弧、波括弧、山括弧と呼ばれますが、英語と米語で呼び方が異なるものもあります。文中で使用する順としては、{([ ])}ですが、これも使用する英語の種類によって異なる場合があります。 [ ]:角括弧(米:bracket、英:parenthesisと呼ばれることもあり) ( ):丸括弧(米:parenthesis、複数形:parentheses、英:bracket) { }:波括弧(米:brace、英:curly bracket) <>:山括弧(米:inequality sign、英:pointy bracket) 上記のほかに〈 〉がありますが、これは主として数学で利用されています。ただし、ほとんどのコンピューターのキーボードにはこの記号がないので、山括弧で代用している傾向があります。この問題の対処法として専門の植字で〈…

APAスタイルガイドの概要

研究論文を出版するプロセスは、複雑です。ひとつでも必要な要素の書き方を間違えると、書き直しや作業のやり直しで苦労したり、最悪の場合には投稿論文がリジェクト(却下)されたりという事態に陥りかねません。そうならないように、論文に特化した書き方に準じて論文原稿を作成する必要があるのです。APAスタイル(もしくはAPAフォーマット)は、研究者が英語で論文を執筆する際のガイドラインのひとつです。 この記事では、APAスタイルに準じた論文の書き方と、このフォーマットで論文を書くために理解しておくべき基本的なポイントを解説します。 APAスタイルとは APAスタイルとは、APA(American Psychological Association:アメリカ心理学会)が定めた公式の書式で、心理学や教育学といった社会科学分野で標準的に使用されるフォーマットです。APAスタイルは、研究論文の出版業界でも広く使用されています。 研究論文の執筆の際に、スタイルやジャーナル出版社の執筆要項が分らなくなったりすることはよくある事ですので、論文を書き始める前にあらかじめジャーナルの執筆要項を確認し、そのガイドラインに従って執筆していくことが最良な方法です。 論文を書くにあたって、参考文献(リファレンス)の書き方は時代とともにスタイルが変わることもありますが、他の項目に関する書式については、APAスタイルを参照しておけば、模範的な研究論文を書くことが可能です。 APAスタイルガイド第7版 APAスタイルガイドは定期的に改訂されており、現在最新のものは、2020年に出版された第7版(7th edition)です。APAスタイルは、英語の学術論文を書くための書式であり、大学の期末レポート、クリエイティブ・ライティング、作文、あるいは研究の意味について自分の見解をまとめるレポートの書き方とは異なるものです。まず、APAスタイルの基本書式を以下に記します。 ページレイアウト アメリカで規格化され、主に北米で使われている用紙(8½x11インチ)に1インチ(25.4 mm)の余白を取り、ダブルスペースで書きます。段落の書き出しにはすべて0.5インチインデント(字下げ)を付け、すべてのページにページ番号を挿入します。 フォント…

序論・考察に文献レビューを書き込むときの注意

特定の分野の特定のテーマ(主題)に関して過去に行われた研究を網羅的にまとめたものは、 文献レビュー(literature revies) と呼ばれます。文献レビューでは、焦点を絞ることが重要なので、研究テーマとの関連の薄い論文を幅広く集めるより、そのテーマに関連する論文を中心に厳選すべきです。この記事では、文献レビューの特徴と、序論・考察に文献レビューを書くときの注意を紹介します。 まず、文献レビューは、次のような点で役立ちます。 • 過去に行われた研究を評価する 特定のテーマに関連する文献を集めることで、過去にどのような研究が行われたかを理解し、重複した研究を行うのを避けることができます。 • その分野・テーマの専門家を知る 研究で行き詰まってしまった場合に助言を求められるように、その分野の知識があり信頼できる研究者を知っておくことは重要です。 • 鍵となる課題を明らかにする 文献レビューを行うことの最終的な目標は、何か新しいものを議論の俎上にのせることです。文献を集めると、取り組むべき重要な課題を見定めるのに役立ちます。 •…

質的研究の長所と短所

質的研究とは、端的に言えば、研究対象を測定して質的データを採取し、それを用いて、言語的・概念的な分析を行い、結論を得る研究―となりますが、全てのデータに意義があるわけでもなければ、データに意義があっても分析方法が適切でなければ意義のある結論は得られません。質的データには、観察記録やインタビューなどの言語データなどが含まれ、こうしたデータから社会的・文化的な意味を汲み取っていく研究が「質的研究」または「定性的研究」と呼ばれます。数値による記述が多くなるか、言語による記述が多くなるかなどは扱うデータの性質によって異なりますが、収集されたデータを分析し、客観的に説明し、傾向を理解すること、そこから導き出される新しい理論を構築することを目指す点では、どのようなデータ、分野にも概ね共通していると言えます。質的研究がよく使われている分野としては、臨床心理学、看護学、社会学といった人文社会科学系の研究が挙げられます。 質的研究が重視するもの 人間とは、常に研究対象でありながら、把握が困難な存在です。事象が生じる頻度をとらえ、どうすれば他の研究者が実験を再現することで同じ結果を得ることができるかを重視する自然科学系の研究では数量的な手法(量的研究/定量的研究)が好まれるのとは異なり、人文社会系の研究では再現性を求めず、客観的な観察と文書化を重視する質的な手法(質的研究/定性的研究)が多用されます。 演繹法でなく帰納法によるアプローチ 飛躍や矛盾なく情報を整理して筋道を考える論理的思考には、複数の事実を足し合わせて結論を導き出す「演繹法」と、物事や事例などの現象に共通する情報やパターンを抽出し、共通項を踏まえて結論を推論する「帰納法」がありますが、質的研究は帰納法によるアプローチです。 質的研究(定性的研究)が最適なのに使われていない場合、質的アプローチを試みることによって、変数を操作してコントロール(対照群)と比較し、再現可能な解答を得るために、複数のシナリオで分析してみなければ―といった量的アプローチに必要な作業は不要になります。 帰納法では、前提となる現象や事例の質や量が大切なので、共通項を見つけ出す際のデータに誤りや偏りがあると、正しい結論を導き出すことができません。また、前提とするデータの数が多いほど精度の高い推論を導き出すことが可能になります。こうした特徴は、後述する「質的研究における限界」にも関連してきます。 説明して理解することを目的に観察を重視することは、意見、感情、経験(従来の定量的研究だと混乱を生じさせる変数)に関する研究を促進させます。さらに、調査環境を操作しないように、インタビューあるいはグループディスカッション過程で動的な性質を保つことができます。研究者は、事前に承認された質問に縛られることなく、リアルタイムでさらなる質問をすることで、当初予定していた質問への回答よりも踏み込んだ調査を行うことができます。また、研究者が直接立ち会うことで (観察者が隠れていることも場合も、フォーカスグループの司会者として参加する場合も考えられます)、非言語的なコミュニケーションも観察できます。 質的研究の手法(アプローチ) 質的研究とは、現象に関する質的データを用いて帰納的に探求する研究であるとされ、幾つかの手法(アプローチ)があります。代表的なものを以下に示します。 現象学的アプローチ : いろいろな学問分野で用いられているアプローチ。特定の出来事を経験した人や、特定の期間を生きた人といった研究協力者から話を聞き取り、語られる「生きられた経験(lived experience)」を分析し、解釈していく記述的研究手法。現象学的アプローチには、マニュアルや決まった手順がない。…

研究者向け おすすめ英文チェックツール6選

文法とは言語において文章を書く上でのきまりです。コミュニケーションの中で新しい俗語(スラング)が生まれ、それが世界中に拡散するにつれ、文法の正しい使い方に影響が出ることで、研究者が効果的な学術文章を書く際にも悩ましい問題となってきています。学術文章は知識を広げるための基本的情報を提供するものですので、文法的にも表現においても正しく書かれていなければなりません。幸いなことに、AIベースの英文チェックツールを活用することで、正しい文章の執筆を少しでも楽に、時間をかけず、間違いなく行うことが可能です。研究者は学術文書の英語をチェックするのに最良の英文チェックツールを用いることが重要です。 この記事では、オンラインで利用できるツールの中から、言語スキルの向上や文法・スペルチェックができるツール6つを選出し、特徴を解説していきます。 英文チェックツールを使用することの大切さ 学術文章のあるべき姿は、客観的かつ正確な内容がしっかりとした構成で、かつ改まった(フォーマルな)表現で書かれていることです。学術雑誌(ジャーナル)に学術論文を投稿する際にオンライン英文チェックツールを使って文法やスペルをチェックすることは、最終的な公表に必要な具体的要件を満たすことにつながります。こうしたことから、各研究分野における適切な言葉遣いや文法の改善だけでなく、学術ジャーナルの様式に関するガイドライン(スタイルガイド)や単語数の制限(字数制限)といった要件を満たすのに役立つチェックツールの需要はますます増えています。さらに、オンライン英文チェックツールには、学術英語の執筆、専門用語や科学的表現のチェック、出版に向けた諸々の準備において的確なサポートを提供することも期待されています。こうした機能を有するツールを使いこなすことができれば、研究者が学術文書を執筆するのに大いなる助けとなるでしょう。 研究者におすすめの英文チェックツール6選 原稿の質を向上させるための拡張機能を搭載したオンライン英文チェックツールが幾つか公開されていますが、ここでは研究者向けにおすすめのチェックツール6選を紹介します。 1. Trinka AI Trinka AIは、世界各国の研究者に論文英文校正サービスを提供しているエナゴを運営するクリムゾンインタラクティブが開発した世界初の学術論文・テクニカルライティングに特化したAI搭載の英文校正ツールです。学術文章や専門用語が用いられる原稿の改善や、投稿原稿を公開可能な形に整える際に役立つように開発されました。また、英語の文法やスペルチェックだけでなく、論文著者と連携し、全体的な言語の改善を確実に行うという機能が特徴的です。原稿の修正を提案しつつ、学術的なスタイルガイドに合わせていきます。さらに、学術的な文体、適切な言葉遣い、概念の明確化、文構造、単語の代替え提案といったカスタム機能も付いています。修正提案の理由についても詳しい説明が付きますし、文脈を変えずに別の表現を提案してくれるので単語数を削減することにも役立ちます。世界各地の研究者が論文にアクセスしやすいように、米国式か英国式を選択することができることも学術論文にとっては重要な点です。 言語学者、ITエンジニア、そしてデータサイエンティストのチームが開発したこのツールは、学術関連から日常生活まで、あらゆる人、あらゆる種類のコミュニケーションをサポートするツールです。 2. Grammarly Grammarlyは、世界的IT企業であるGrammarly社が開発した人工知能と自然言語処理を用いたライティングツールで、文法チェック、スペルチェック、盗用・盗作検出サービスを提供しています。ウェブ上だけでなく、Google…

助成金申請用のデータマネジメントプランの書き方

助成金提供者は申請にさまざまな条件を付けていますが、最近ではそれらに加えて、データマネジメントプラン(Data Management Plan, DMP)の提出も強く求めるようになっています。研究資金調達のための申請書は、包括的なデータマネジメントプランの予備的な計画の概要を記すものと言っても過言ではありません。 欧州全域で実施される研究およびイノベーションを促進するフレームワークである『ホライズン2020(Horizon 2020)』は、研究者間のデータ共有や研究者によるデータの研究倫理面での報告義務を促進するため、プロジェクトデータはオープンにされるべきであるとしています。 データマネジメントプラン(DMP)とは データマネジメントプラン(または、データ管理計画)とは、研究プロジェクトにおいて特定のフォーマット、アプローチ、基準、および方法論を選択した理由を詳しく説明する補足文書です。詳述すると言っても、2ページ以内にまとめるようにします。データマネジメントプランを作成する主な目的は、生成したデータの種類、管理方法、さらに他の研究者がデータを利用できるようになっているか、アクセスが可能になっているかを説明することにあります。研究助成金の申請時または採択時にデータマネジメントプラン(DMP)の提出が常套化してきているので対応が必要です。 理想的なデータマネジメントプランには以下の質問への回答を含めます。 1. どのようなデータを作成したか 2. データの収集または作成方法 3. データの所有権責任者の情報…

論文の基本構成を見直してみよう

何年もかけた研究の成果を論文にまとめるには苦労が伴います。つい尻込みしてしまいそうですが、論文の基本構成を抑えた上であらかじめ論文に書くことを整理しておけば、執筆作業が楽になります。この記事では、基本的な論文の構成を見直してみます。 論文の構成 研究論文の構成は、研究の性質・特徴や投稿先の出版社や学術雑誌(ジャーナル)の書式、大学や所属機関の指示によっても異なってきます。一般的な論文には、序論(イントロダクション)・方法・結果・考察・結論の5つのセクションから構成されているので、以下にそれぞれのセクションに含むべきことを挙げてみます。 序論(イントロダクション) 序論は論文の導入部分ですので、研究の目的、背景、問題提起、仮説、先行研究との関連性を明らかにします。何が問題で、なぜそれが重要なのか、その問題はどのように解決するのかといった問いかけを行います。これらの問いに答えるべく、他の研究者がこの問題、あるいは類似の問題にどのように対処したかを示すには、既に行われた研究文献、発表された論文の調査を行う必要があります。序論を書くには「歴史的視点」も求められるのです。科学論文の序論であれば、序論に文献レビューを含まれることがよくありますが、社会科学または人文科学分野の論文では、文献レビューを序論に入れ込まずに別途章立てられるのが一般的です。このように分野によっても異なるので注意が必要です。ただ、いずれの形にしても、研究の内容に関連する先行研究のレビューを記し、照らし合わせを行うことで、自分の研究の重要性を強調するのですが、ここはあくまでも序論ですので、細かく書きすぎないことにも注意します。 方法:実験の経緯 研究で行った実験の方法、データの収集方法などを示します。研究で行った実験は、他の研究者が再現できるように十分に詳しく記す必要があります。特殊な技術や装置を使用した場合は、説明や図も付けます。研究の結果と考察はこの実験に大きく影響されるので、このセクションは論文の中で最も重要であるとも言えます。よって、本論を理解するために必要な研究(実験)の材料と方法を可能な限り時系列に準じて明示しておきます。新しい手法を用いたのであれば、既存の方法と何が違うのかも含め、詳細に説明するようにしましょう。 結果 ここには、起きたこと、研究で明らかになったことを記します。結果は、実際に行った実験や調査、分析などの内容と結果を記す部分なので、過去形で書かれることが一般的です。他のセクションが、目前の題目に応じて過去形または現在形の混在で示されるのに対し、研究の中で既に起きたことに焦点を当てて事実を述べます。このセクションには主観を入れず、客観的かつ論理的に記すようにしましょう。また、論文の結論ではないので解釈や意見は書きません。必要であれば図表を使って分りやすく示し、文中にしないデータなどがあれば付録に付けるようにします。 考察 ここでは、結果が示す意味に踏み込み、理論と仮説につなげて発見したことが何を意味するかを議論します。仮説を裏付ける結果が得られたか、得られていない場合はどう異なっているのか、なぜ仮説とは異なる結果が得られたのか―などを書きます。結果と考察をひとつのセクションとしてまとめて書く方がよい場合もありますが、まとめにくい場合は個別のセクションとして書くのがよいでしょう。ただ、結果と考察をひとつのセクションとして書くように指示しているジャーナルもあるので、書式を確認しておきます。序論で提示した課題や仮説について言及する際、仮説に弱い部分があったのであれば、その点も明らかにします。結果が何を意味するのかが分らない、あるいは明確に論じることが出来ない場合は、正直に表明しましょう。 結論 研究が複雑な場合、結論に研究の結果を要約し、明らかになったことを詳細に記述します。ジャーナルに投稿する論文であれば、このセクションは簡潔にまとめます。書き方については、自分の分野の慣例やジャーナルの書式に準じてください。内容としては、研究の実用的な応用の可能性や、研究の限界、将来研究への方向性を際立たせ、自分の研究の新規性や重要性を強調して書くようにします。未解決の問題があれば課題として整理しておくとよいでしょう。得られた結果を踏まえて客観的な検討を行い、今後考えられる課題や研究を発展させるための展望についても言及します。 論文を出版することを念頭に準備しておく 論文を書くとき、論文を複数の形式で書いてみるのも、論文の書き方を学ぶのに優れた方法です。それぞれに柔軟性を持たせつつも、投稿すると想定した特定の学術ジャーナルの書式に合わせて論文を書いてみます。複数の書式に合わせて論文を書いておけば、投稿先ごとに書き直す手間が大幅に削減されるので、時間の節約にもなります。とはいえ、所属機関や出版社・ジャーナルによってさまざまな要件やガイドラインがありますので、書き始める前に確認しておくようにしましょう。…

フィールドスタディ報告書の書き方: 6つのキーポイント

研究活動の場は、研究室や図書館、職場だけに留まりません。研究の一環として、データを収集するためには、フィールド(研究室や実験室のワークステーションのように普段、研究を行っている場所以外)に出ることが必要になることもあるでしょう。 そして、フィールド調査の結果は、フィールドスタディ報告書としてまとめる必要も。 この記事では、フィールドスタディ報告書に書き込むべき項目と、報告書を作成する際に気をつけるべきキーポイントについて考察します。 フィールドスタディ報告書とは? フィールドスタディとは、研究テーマに即した場所を訪れ、直接観察、資料(データ)の収集・採取、あるいは聞き取り調査やアンケート調査を行って、学術的に客観的な成果を得るための調査技法です。 調査対象を観察・分析し、問題意識を深め、新しい知見を得ることが目的です。そして、フィールドスタディ報告書とは、特定の現象、行動、理論に基づくプロセスの分析、フィールドでの観察結果を文書化するものです。 観察・分析された理論をまとめ、特定の研究における課題の解決を目指します。 フィールドスタディ報告書の重要性 フィールドスタディ報告書は、学術成果に留まらず、さまざまな運用および技術における調査結果を記録するものとしても重要な文書です。 データの分析、理論的枠組みとの比較に使われる、観察対象または資料(標本)に関する詳しい情報を提供するものです。 標準化された手順(プロトコル)を作る際の解決策を導入するにあたり、課題を特定するのに役立ちます。 参考文献の管理に関する情報を把握したり、効果的で的確な解決策のための新たなプロセスを見つけ出したりするのに役立ちます。 フィールドスタディ報告書の書き方 フィールドスタディ報告書には、着想(アイデア)から解決策までを記すので、フィールドでの調査活動や観察を行う際は、計画的にメモ(フィールドノート)を作成し、観察結果を適切に文書化しておく必要があります。 フィールドスタディ報告書を書くには、フィールドでの活動、観察の段階での的確な記録が不可欠です。…

AMAスタイルガイドの概要

AMAスタイルガイドとは 米国医師会(AMA)は、医学の発展から教育資金の調達まで、医学関係者をあらゆる側面から支援するため、1847年に設立されました。1883年に創刊された米国医師会雑誌(The Journal of the American Medical Association:JAMA)は、世界でもっとも広く読まれている医学雑誌であり、JAMAも含めて計13の医学専門誌が発刊されています。『AMA Manual of Style』(以下、AMAスタイル)は、1962年にJAMAと特定の学術雑誌(ジャーナル)を編集するスタッフ向けに作成された68ページの内部文書でしたが、9回の改訂を経て2007年に発行された第10版では1032ページにまで発展しました。現在は2020年3月に改訂された第11版が提供されています。 医学論文の執筆以外にも役立つAMAスタイル AMAスタイルは、医学論文だけでなく、医療、保健、その他のライフサイエンス分野まで医療系論文の執筆・出版に携わる人に役立つスタイルガイドです。科学系ジャーナルの多くは著者向けのガイドライン(投稿規定)を設けていますが、AMAスタイルを推奨しているジャーナルも少なくありません。特に引用や参考文献リストの書き方はAMAスタイルに準じた形を取っているジャーナルもあるので、投稿先ジャーナルの投稿規定と合わせて確認しておくとよいでしょう。 AMAスタイルには、医療、その他のライフサイエンス関連の投稿論文を書く際に使用する句読点、大文字/小文字の区別、文法といった項目に関するガイドラインが記されてます。こうしたガイドラインは、著者や研究者、所属団体・機関、医療編集者や出版社、ライター、科学研究系ニュースメディアにとっても、日々直面する問題に対処するために役立ちます。 AMAスタイル第11版の概要…

ACSスタイルガイドの概要

ACSスタイルガイドとは ACS Style Guide(日本語版のタイトルは『ACSスタイルガイド アメリカ化学会 論文作成の手引き』KS化学専門書)は、アメリカ化学会(ACS)が論文作成の手引き書としてまとめたもので、学術雑誌(ジャーナル)や出版物に投稿する原稿を執筆する際だけでなく、化学系全般の英語論文を執筆する際に順守すべきスタイルが書かれています。化学分野の研究を支援する学術団体として1876年にニューヨーク大学で設立されたACSには、化学工学や関連分野で活躍する約165,000名(2022年1月時点)の会員が所属しています。『ACS Style Guide: Effective Communication of Scientific Information(3rd edition)』(以下、ACSスタイルガイド)は2006年に出版されたもので、オンラインと印刷版の両方で入手可能です。ACSスタイルガイドは科学論文の執筆に焦点を当てている点が特徴です。他のガイドラインとしては、学術書やジャーナルに焦点が置かれたシカゴ大学出版局による『The Chicago…