査読コメントへの対応

査読コメントへの効果的な返答レター(Response Letter)の書き方

※この記事は「拝啓 査読者様 ~査読コメントへの返事の書き方~」というタイトルで2015年6月16日に公開した記事ですが、リライトにあたり情報を追記、修正して2021年5月19日に再度公開しました。 ※reviseの正しい英語発音は「リバイズ」ですが、本記事では日本語に浸透している「リバイス」の表記を使用しています。 「よい論文の書き方」を解説する本やウェブサイトは数多くありますが、査読コメントに対するよい返答方法を説明しているものはなかなか見当たりません。しかし、論文がアクセプトされたにせよリジェクトされたにせよ、編集委員または査読者からのコメントを受け取ったときには、研究者としてきちんと返事を書きたいものです。査読者コメントを別のジャーナルに再投稿する際にどの程度反映させるか、つまり、どこまで修正(リバイス)するかは悩ましいところですが、編集者や査読者のコメントに返事を書くのは、自分の論文を見直すチャンスとなります。 査読で、修正すれば採択するとなった場合、論文著者は査読者からのコメントにもとづいて論文を修正し、コメントへの返答を添えて再投稿することになります。査読者への返答はResponse letterあるいはRebuttal letterと呼ばれ、査読者や編集者のコメントそれぞれに明快かつ簡潔な返答を書き記す必要があります。ここでは、査読コメントへの効果的な返答レターの書き方について大切なキーポイントを3つ挙げてみたいと思います。 1. 査読者からのどんなコメントも批判・批評としてとらえず、査読者の懸念・関心事としてとらえる 自分の論文がリジェクトされたときだけでなく、ちょっとしたコメントでも、査読者の書き方次第では、かなり傷つくこともあります。そんなときにはグッと我慢が必要です!どんないわれ方をしても、どんな理不尽と思われる反論でも、出版前だからこそ、こちらのいい分がちゃんと伝わるように論文をリバイスする好機と捉えることが必要です。 査読者のコメントは、批判や批評として身構えて考えるのではなく、査読者の懸念であり、より関心を持っている事柄なのだと受け止め、自分の論文がそれらに応えられるよう、説明を書き加えたり証拠を追加したりしながら論文をリバイスできないかどうか、落ち着いて考えましょう。返答レター(Response letter)を書くときも、相手の「懸念」に感謝し、自分がそれにどのように対応するつもりか、ていねいに説明しましょう。 2. コメントすべてに一括で返事をする 返答レター(Response letter)では、すべてのコメントに対して一括して返答しましょう。とくに大きな変更を求められていない場合には、「いただいたコメントに沿って論文をリバイスし、できるだけ早急に改訂版を送らせていただきます」といった内容の一文でかまいません。また、変更が多い場合は、必要であれば一覧表をつくって、最初の欄に査読者のコメントを、次の欄に自分の返事を書いても構いません。「これだけ先に確認したい!」と思うようなことが出てくるかもしれませんが、査読者の負担を軽減するのも気遣いの1つです。自分の便宜のために、出版社・査読者へ複数のメールを送るようなことは避けましょう。…

Launching ‘Review Assistant’: An AI-powered Tool for Peer Reviewers

Boosting the reviewing process Search strategies for locating articles Introducing ‘Review Assistant’ Generating high-quality review…

An Insight into Journal Editorial Processes

What happens after submission? Editorial Decisions and Decision Letters Making an effective appeal Publication and…

論文の ピアレビュー (査読)レポートとは?

昨今、研究論文の書き方を解説するガイドブックはたくさん出版されていますが、査読レポートの書き方に関しては、まだまだあまりよく知られていません。そこで今回は、査読レポートを書くときの注意点をまとめてみました。 まだ査読を依頼されたことのない人も、「自分には関係ない!」などといわずにご一読ください。ときとして査読者は、投稿論文とジャーナル編集部を結ぶ唯一の「点」となりえます。査読者からジャーナル掲載の推薦を得るためも、自分の論文がどのように評価されていくのかをよく理解するチャンスです。 1. 書き出しには必要事項を忘れずに 自分の名前およびメールアドレスとともに、査読をしている論文のタイトルと著者名も忘れずに明記してください。また、もし編集局より「manuscript number(原稿番号)」を教えられていたら、それも書きましょう。 2. レポートの目的を常に意識すること 査読レポートは、投稿された論文に対する査読者の見解を、その論文を読んでいないかもしれない編集者へくまなく簡潔に伝えることが第一の目的です。研究に欠陥はないか、分析が詳細に渡って行われているか、仮説から研究結果まで一貫性があるか、また論文が読みやすく書かれているか、広範囲に渡って評価をしましょう。その際、ただの感想文にならないようにするために、自分の意見を述べるときにはどうしてそう思うのか、論文から具体的な箇所を引用しながらまとめるようにしましょう。 3. 論文の質を高めるための査読を 査読に慣れない人は、どうしてもその研究の欠点や不足している点に注目しがちです。査読を依頼されたら、現実的な制限を考慮したうえで、その研究の斬新さと質、学会における重要性や問題性を評価しましょう。査読とは、いかに専門分野のことを熟知し、一論文内の不足点をいくつ見つけられるか、といった“査読者の実力テスト”ではないということをお忘れなく。 4. レポートの書き方 その論文の問題点(改善が必要な点)を簡潔にまとめてください。題名からアブストラクト(要約)、背景、方法、結論、ディスカッション(課題)に至るまで、すべての部分について問題点がないかどうかチェックしてください。書き方は箇条書きでかまいません。コメントすべき部分が書かれているページの番号を併記してまとめると、著者にも編集者にも読みやすい査読レポートができます。…

投稿論文の査読中に新しいデータが出てきたら?

ジャーナルによる査読期間は、ときには1年近くに及ぶこともあります。そのため、論文の草稿をジャーナルに投稿した後も関係のある研究を引き続き行っていると、最初の論文の査読中に新しいデータが積み重なる可能性も出てきます。このような場合、どうしたらいいでしょうか? 最初の論文と違う結果が出た場合には、まず2つの結果を多角的に比較しましょう。最初の結果に何かしら欠陥があることがわかったら、編集部に連絡を取り、事情を説明して論文掲載を辞退させてもらいます。このさいには、査読者へのお詫びも忘れずに。 それに対して自説をより強く立証する新しい結果が出た場合には、まず、新しい結果のみで1本の論文が書けるかどうか自問してください。たとえば「より多くの被験者を対象に同じ実験をしたら、まったく同じ結果が出た」というような場合は、新しい論文として発表するよりも、現在査読中の論文の補足(または差し替え)データとして使うほうが有意義でしょう。 この新しいデータが論文の信憑性を大きく向上すると考えられる場合、自分から審査を辞退する必要はないでしょう。編集部に短い手紙を書き、「現状をお知らせしたい」と言って新しいデータについて説明し、査読中の論文がどれだけ信憑性のあるものか、また学術界にどれだけ貢献できる発見なのかを説明したあと、「結果をお待ちしております」と締めくくるのもよいでしょう。 新しい結果の分析が新しい1つの論理を成立させるような場合は、査読中の論文を辞退して、より融合的な論文を書くこともできます。しかし、査読中の論文はそのままにして、新しい論文を書く方が合理的かと思われます。この場合には、本文でも脚注でも構いませんのでこれまでの過程と結果を明記したうえで、新たなデータがどのような意義をもつのかを説明するのが得策です。また、新しい論文が最初の論文の査読中に書き上がった場合には、投稿時のカバーレターに、関連した論文がどこのジャーナルで査読中であるのか、また新しい論文がその論文とはどこが違うのかを明確に記しましょう。