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英語の推薦状について知っておきたいこと

研究計画をしっかりと伝える応募書類を作成することは、研究者にとって不可欠なスキルです。しかし、就職や学術プログラムへの応募の際には推薦状(Letter of Recommendation)の提出も求められます。良質な推薦状とはどのようなもので、誰に書いてもらえばよいのでしょうか?この記事では、英語圏で求められることの多い推薦状の種類と、誰に推薦状を書いてもらうかについて説明します。また、どのようなポジションへの応募でも自信を持って提出できる推薦状を作成するために避けるべきNGポイントも紹介します。 推薦状とは 推薦状とは、書かれる言語に関わらず、応募者がどのような人かを経験や権威のある第三者が評価し、応募するポジションやプログラムに適切な人材であることを説明、推薦する手紙のことです。推薦状を受け取る側は、社会的信用のある学識経験者や機関からの推薦状を見ることで、応募者が信頼できる人物か判断する参考にします。推薦状の書き方はさまざまですが、就職、インターンシップ、留学プログラム、その他の職種に応募する際には、少なくとも1通の推薦状を提出するよう求められることが一般的です。 推薦状と似ているものに照会状(Reference letter)という書類も存在し、どちらも「推薦状」と訳され、混同されていることもありますが、この2つは書き方や目的が異なります。推薦状が特定の仕事やプログラムに対する応募者のスキルや業績、資質を明確に強調することで応募をサポートするのに対し、照会状は応募者の人柄、知識、スキルを裏付けるもので、就職や進学の際に提出を求められることがあります。 推薦状の種類としては、大きく分けると自己推薦書と他者に書いてもらう推薦書の2つがあります。自己推薦書は日本でいう「自己PR」のような、自分自身を推薦するもので、就職活動などの際に企業から提出を求められるような場合に作成しますが、その扱いは企業によって異なります。もう一方は、教授や上司など他者に書いてもらうものです。学生の場合には、研究室やゼミの教授に書いてもらうのが一般的です。 推薦状に記載すべき情報 応募の目的や、応募書類の提出要項、提出先によって、必要な推薦状は異なりますし、学術界とビジネス用途の推薦状ではそれぞれ書き方にも違いがあります。求人に応募する場合の推薦状は、その仕事に関連する職務経験やスキルに重点を置いて書かれるべきです。教育プログラムに応募する場合の推薦状は、応募者の学力と経験に関連したことが書かれている必要があります。大学院への入学やポスドクのポジション確保のための推薦状であれば、応募者の能力を証明してくれる専門家と学識経験者の両方の推薦状があることが望ましいでしょう。 推薦状には、応募者が、そのプログラムや職務に適していることを示す情報を明記します。関連する経験や専門的なスキルなど、既に応募書類に記載した点を強調するのが理想的です。応募書類用と共に提出するカバーレターや小論文など既に作成済みの書類がある場合は、それらを推薦者に渡しましょう。推薦者が応募書類のアピールポイントをさらに強調してくれるでしょう。 推薦状では、応募者の資質を述べるだけでなく、人柄もアピールしてもらいましょう。リーダーシップ能力、献身性、集中力、学習能力の高さなどは、推薦状で強調するのに適した能力です。優れた推薦状は、その人が過去に担った仕事と、そのポジションへの適性の両方について、バランスよく説明するものです。 誰に推薦状の作成を頼むべきか 誰に推薦状の作成を頼めばよいかは、推薦状の送り先によります。大学の学部課程への応募書類として推薦状を書いてもらう場合は、教師、課外活動のコーチやスポンサー、校長などに依頼すべきでしょう。大学院課程への応募書類の場合は、大学の教授、インターンシップの監督者、職場の上司や同僚に作成を依頼してみましょう。MBAプログラムへの応募であれば、職場の上司や管理職からの推薦状が後押しとなります。学部の教授からの推薦状は、学生が修士(MSまたはMA)に応募する際には役立つものの、MBA応募時にはあまり有効とは言えません。 誰かに推薦状を書いてもらう前に、その人が気持ちよく、自信をもって推薦してくれるかどうかを確認すべきです。推薦状の作成を依頼する人は、あなた自身とあなたの仕事ぶりをそれなりに知っている必要があります。一緒に仕事をしたことがない人に推薦状の作成を依頼すべきではありません。推薦状を書くのをためらうような場合は、無理強いをしてはいけません。自分にとって良い推薦状を書いてもらえないのであれば、他の人に頼みましょう。…

動画を使って研究を広めよう

研究者が自分のアイデアを広めるためには広報(PR)が重要です。それには、いろいろな方法があります。学術関係者によく読まれている学術誌に研究論文を発表すれば、成果に関する議論を通じて研究者の考えが広まり、新しい研究にもつながるでしょう。別な方法として、ブログも使えます。これは自分の研究や関連するテーマに関心を持つ人々が意見を交わす場となりえるので、自分の研究を知ってもらう効果があります。また大学に属する研究者であれば、授業、セミナー、発表会、その他の諸活動を通じて、自分の研究を人に伝えることができます。 しかし、これらの従来の方法とは異なる方法を利用する研究者がめだって増えています。それはインターネット上に動画を公開して研究を広めることです。 https://www.youtube.com/watch?v=50_45b-5S3U&list=PLSEcBUIQgVpvU0tvcfUWdn1vv1JhwmHNI&index=30   動画の強み 他の人たちに自分の研究成果に触れてもらうのがとても難しいことを、研究者はよく知っています。ノース・カロライナ自然史博物館の昆虫学者であるAdrian A. Smithは「自分の論文の読者の多くは、専門用語と記述スタイルに馴染めずにいる」として、研究成果を専門家以外にも広めて研究の意義を社会に知ってもらうために「研究成果をYouTubeで紹介しよう」と提唱しています。 2015年にSmith氏は同僚研究者と共同で、蟻が分泌する化学物質の個体間の情報伝達機能と性行動様式に関する研究の論文をまとめました。その要点を一般の人にも分かりやすく伝えるため、一般的な読者の代表として、研究論文など読んだこともなければ専門用語もまったく分からない自分の母親に研究内容を説明する動画を作成しました。そして、この動画を論文の記者発表に合わせて個人のYouTubeに公開し、プレスリリースにURLを書き込んでおきました。すると、ワシントン・ポストをはじめとした数紙の一般紙で研究が紹介され、さらには各紙のオンライン版やナショナル・ジオグラフィック・ニュースなどでもオンライン動画として公開された結果で、より多くの人に視聴される結果となりました。 動画の主な強みをまとめると次の通りです ■広範な人たちに知ってもらえる SNSなどインターネット上で動画を公開することで、世界中の人々が直接アクセスすることができます。研究者同士の意見交換や研究協力にもつながることもあるでしょう。 ■親しみを感じてもらえる 動画は、教室で先生が学生に語りかけるのと同じように、研究者が視聴者に直接語りかけているように説明することができます。そのため、論文を読むより親しみを感じてもらえます。また、文章(論文)では伝えにくい自分の考えも、動画ではあますことなく伝えられるでしょう。 ■発表した論文の広報(PR)になる…

研究者プロフィールの書き方(パート1)

学術雑誌(ジャーナル)に論文がアクセプトされた際や研究発表をすることが決まった際など、経歴を短くまとめたものの提出を求められることがあります。ありがちな割には、多くの人がこのAcademic Biography(研究者としての簡易版プロフィール)の作成に悩まされているようです。自分自身について、そして自分の研究について3~5文程度の短さでまとめるには、何を書けばよいのか、何を省くべきなのか、ここで考えてみます。 プロフィールに書くべきこと 氏名、現職、興味の対象、取り組んでいるプロジェクト。これらを順に簡潔に記述する 直近1年に名誉ある賞を受賞していればその名称 趣味、ペットのこと、住んでいる街など、個人的なことに触れる。ただし、プライバシーに関わるような記載はしない。 避けるべきこと 書くべきことの選出とは別に書き方にも注意が必要です。避けるべきは以下の3つ。 一人称(“I”)で記述すること 現職以外の役職を詳細に書くこと 受賞歴や修士号・学士号などの情報を書きすぎること。(複数の段落からなる長めのプロフィールでは書きますが、短いプロフィールでは省きます。)また、大学院以前のプロフィールは出生地も含めて書かないようにします。 プロフィールの典型的な悪例を挙げてみます。 Hi! My name…