論文の書き方あれこれ

結果・考察・結論を効果的に書く-論文の3つの要素と書き方のコツ

結果、考察、結論:目的と意義 各項目で特に大切な要素 各項目の執筆時におかしがちな間違いと避け方 各項目執筆時のコツ:書くことと書かないこと

もう悩まない!英語論文アブストラクトの書き方

アブストラクトの書き方のコツ アブストラクトの種類 キーワードの活用法 見落としやすいポイント

Panel Discussion: Demystifying Research Methodology With Field Experts

Choosing research methodology Research design and research methodology Evidence-based research approach How RAxter can assist…

論文の要旨(Abstract)と序論(Introduction)の違い

学術論文を書こうと思った時、ふと気になる疑問が浮かびます。要旨(アブストラクト)と序論(イントロダクション)は何が違うのだろう?序論には、要旨を繰り返し書けばいいのだろうか?どちらも論文の内容を説明するものではありますが、それぞれ異なる要素が求められます。 論文の読者は、ほとんどの場合、まずタイトルで興味がある分野の内容なのかを判断し、次に要旨を見て、本文に読み進むかを判断します。よって、要旨は論文全体の要約として、簡潔かつ端的であることが求められます。一方、序論は、論文の内容に踏み込み、研究の背景や研究によって実現したいこと、仮説などを簡潔に記載することが求められます。いずれも読者を論文に引き込むために、非常に重要な役割を持つものです。この機会に要点をつかんでしまいましょう。 ■ 要旨(アブストラクト) 要旨の役割 要旨(アブストラクト)とは、研究の背景や方法から結論まで、論文の概要を簡単にまとめた文章です。端的に言えば、「ここを読めば論文全体に何が書いてあるのかがわかる短文」です。学術雑誌(ジャーナル)の査読者は、要旨を見て論文全体を読み進めるかを判断するので、要旨の役割は重大です。要旨には、論文の背景や方法、結論が記載されていて、本文や参考文献を見ずとも論文の内容を理解してもらえるものである必要があります。 とはいえ、要旨には研究の詳細を記載すべきではありません。要旨の単語数は通常、論文全体の1割程度と考えられており、各学術誌の投稿規定では上限の単語数が決められています。また、要旨の最初の250~300語のみを閲覧可能にしているオンライン・データベースも存在します。したがって、要旨は簡潔かつ明快である必要があり、長々と詳細を書くものではないのです。データベースに登録されることを前提とすれば、論文の研究分野における重要なキーワードと考えられる単語が複数(4-5個程度)要旨に含まれていると、その分野の関連文献としてウェブ上で検索されやすくなります。参考文献を探している研究者は、検索の結果として表示された論文の要旨を読んで自分が探している内容かどうかを判断しているので、キーワードをうまく入れ込みましょう。 要旨の形式 要旨の形式には、構造化要旨(Structured abstracts)、非構造化要旨(Unstructured abstracts)の2つがあります。構造化要旨は、以下の5つの項目から構成されます。読者からすると、どこに何が記載されているのが一目瞭然であり、すぐに知りたい内容を確認できる点で優れています。 [構造化要旨の項目] 1.背景 研究テーマに関する最新の情報やキーワードを記載し、読者の興味を喚起します。 2.目的 研究の対象とそれに取り組む理由、研究によって実現したいゴールを記載します。…

アブストラクトは語数制限より短かければよい?

論文には語数制限(日本語のジャーナルだったら字数制限)がないジャーナルでも、アブストラクト(要約、抄録)には語数制限があるのが普通です。たとえば、オープンアクセス・ジャーナル大手の「BioMedCentral」では、「350単語」以内で書くことを推奨しています。論文の形式としてしばしば使われる「APA方式」では、150〜250語とされています。日本語のジャーナルでは、300字を目安にしているところが多いようです。英語ジャーナルでも日本語ジャーナルでも、それぞれの投稿規定に書かれていますので、必ず参照してください。 この語数制限を1語でも超えると、その場で却下されますので注意してください。では、アブストラクトの長さは語数制限より短ければよいのでしょうか? あまり筋が通っているとはいえませんが、一般的にアブストラクトが短いと、編集部では「主張する内容が少ない論文」だと判断します。つまり、研究論文のアブストラクトの品質は「制限された語数では書き表すことができないほどのすばらしい研究内容を、語数制限内ぎりぎりでまとめる」ところにあるというわけです。そのため英語ネイティブでさえ、論文の広告塔ともいえるアブストラクトを書くときには、四苦八苦して限りなく語数制限に近い文字数で仕上げようと努力します。 そこで今回は、ひと通り書き上げたアブストラクトの推敲の方法を考えると同時に、語数調整の方法を考えてみたいと思います。 1. まずは略語が含まれていないかを確認する ようやく語数制限内に収まったと思ったら、略語があった……というのは二度手間で時間の無駄です。語数を気にする前に、まず略語が使われていないか確認しましょう。同じ略語を何度も使う場合は、最初に正式名を記載し、以後は略語を使うことを断わりましょう。 2. ほかの文献の紹介になっていないか? どんなに密接な関係があったとしても、アブストラクト内でほかの論文の紹介を延々とするのは御法度です。語数を調整するためとしても、ほかの論文を参照するときには長々と書かずに、1文で要点をまとめるようにしましょう。 3. 研究方法の説明が詳しすぎないか? 次に避けなければならないのは、研究方法を必要以上に詳しく説明することです。論旨の信憑性を高めるために必要最低限な情報のみを書きましょう。どんなに文字数が足りなくても、研究方法の説明は簡潔に終わらせてください。 4. 全体の流れと論理性を確認…

学会発表申し込み用のアブストラクトを書くには?

データの集計と予備分析が終わったら、論文を書き始める前に学会での発表を申し込む準備をすることをお勧めします。 とくに有名ジャーナルでの出版を目指している場合には、学会発表での質疑応答から得られるいろいろな助言やアイデアはきわめて有益です。また、論文掲載を目指しているジャーナルが学会から発行されている場合は、その学会で発表することによって、読者層を確認することができるでしょう。忙しいスケジュールをやりくりしながら学会発表の準備までするのは面倒なことですが、論文出版への第一歩だと思って頑張ってください。 学会発表の申し込みをするとき、必ず書かなければならないのがアブストラクト(要約)です。アブストラクトに、自分が発表する研究の簡単な説明とデータを紹介し、分析結果を提示することによって、その研究がその学会に適したものかを審査してもらいます。 学会の主催者が最も嫌がることは、始めてもいない研究について、いかにも発表できる状態であるかのように書かれたアブストラクトが送られてくることです。そのため、実際にデータ集計と予備分析が終わっている場合には、それらが文面から伝わるようにアブストラクトを書く必要があります。たとえば、もしすでに計算が終わっているのであれば、単に「多くなった」と表現するのではなく、「13パーセント増加した」と具体的な数字を示すとよいでしょう。 また、文法的には少しおかしいのですが、未来形を使うのは控えて、「In my presentation, I talk…(私のプレゼンでは、…について話します)」と現在形を使うことも効果的です。 発表する内容は、時間枠をよく考えて決めてください。仮にいろいろな発見があったとしても、短い時間内で発表できる内容には限界があります。時間内に収まるように論点を絞りましょう。 学会参加者の多くは、題名を参考にして、発表を聞きに行くかどうかを決めます。そのため論文の題名は、読んだだけで何についての研究なのかわかるようなキーワードを含むものがよいでしょう。研究の詳細を説明するような長い題や、抽象的な短い題はお勧めできません。 写真などを使って事例を紹介するときには、論点を最もよく表現しているものを慎重に選びましょう。論点と写真などの視覚的素材とのつながりに無理があると、アブストラクトで書かれた内容がどんなにすばらしくても、実はその分析は主観的で当てにならないかもしれない、と疑われてしまいます。 また、研究の説明も大切ですが、研究結果とその結果のもたらす意義について書くのを忘れないようにしてください。学会の参加者がどのような人たちで、どうしてあなたの研究の結果を知っておくべきなのかをアブストラクトで指摘できれば、最終的に投稿した論文が受理される可能性も俄然と高くなります。 フォーマットとしては、論文の2行間隔とは違い、1行間が基本です。文字のフォントはTimesかTimes New…

論文査読に患者が参加!? 「患者参加型査読」の登場

通常、研究者から投稿された論文を「査読」し、ジャーナル(学術誌)で出版・公表する価値があるかどうかを検討するのは「査読者」と呼ばれる同分野の専門家(≒学者)たちです。理論物理学の論文であるならば理論物理学者が、分子生物学の論文であるならば分子生物者が査読者として選ばれ、その役割を担うことになります。当然といえば当然のことかもれません。 ところが現在、臨床系の医学においては、その常識に変化の兆しがあります。被験者、つまり研究の対象としてだけでなく、論文の査読に、患者や介護者を参加させる試みが活発になりつつあるのです。そうした新しい査読システムは「患者参加型査読(patient peer review)」と呼ばれています。 2014年11月26日、オープンアクセスのジャーナルをウェブ上で出版していることで知られる「BioMed Central」は、2016年6月に『Research Involvement and Engagement(研究への参画実践)』という新しいジャーナルを創刊することを発表しました。同誌では、査読を含む編集過程のあらゆる場面で患者たちと緊密に協力することを謳っています。 「BioMed Central」はこの新ジャーナルの意義を以下のように説明しています。 『Research Involvement and Engagement』は、ヘルスケア(医療)および社会的ケアに関する学際的なジャーナルであり、患者が研究の全段階に広く参画し、実践することに焦点をあてます。本誌は、患者や学者、政策立案者、サービスのユーザーといった重要な利害関係者すべてによる共同プロデュースというこれまでにない体制をとります。本誌の論文はすべて、学者と患者、両方によって査読されることになります。どちらの査読も、編集上の決定において同等の重要性をもつことになります。…