原稿作成のコツ

アスタリスクの使い方

あなたが今、一般には馴染みの薄い研究分野の論文を書いているとします。ただでさえ難解な内容をどう読者にわかりやすい文章で伝えるか、あるいは、重要な部分をどう目立たせられるかが、論文を書く上での大きな課題となるでしょう。 ブログ記事や自分のノートなら、強調したい箇所にハイライトを付けたり、フォントを変えたり、あるいは独自のマークを付けたりしておくことも考えられますが、研究論文などのアカデミック・ライティングでは、そう簡単に表記を変えることはできません。 アスタリスク「*」(アステリスク、あるいは星印と呼ばれることもあります)はよく、補足や脚注を示すために本文中に付けられます。また、脚注を示すだけでなく、省略された文字があることを示したり、免責事項(広告や契約書に出てくる)を示したりするのにも使われることがあります。この記事では改めてアカデミック・ライティングにおけるアスタリスクの使い方について見直してみます。 アスタリスク(*)とは アスタリスクとは、注釈や脚注、参照を示すために文中で使われる記号です。本文などに特別な解説を加える必要があるような場合にアスタリスクを付け、欄外の同じアスタリスクを付けた該当部分に対する注釈や解説を連携させるものです。 英辞書によれば、アスタリスクは「小さな星のような記号(*)で、文字や印刷で参照マークとして、または省略や疑わしい事柄などを示すために使用される。」との意味の他に、言語学で、特定の言語を母国語とする人々にとって非文法的な、あるいは容認できない発話を示すために使用される星印(*)といった意味も記されています。 脚注や注釈を示すためのアスタリスク アスタリスクが脚注や注釈を示すための記号として使われるようになった歴史は古く、一説によると中世初期の写本に記載が残されています。現在、アカデミック・ライティングでは、本文中の情報の出典や背景に関する補足、つまり脚注や注釈を示すためにアスタリスクが使われています。本文中にアスタリスクが付いていれば、同じページの下(footnotes)か、論文の最後(endnotes)に掲載される参考文献(Reference)のセクションに、アスタリスクの付いた部分に関する詳細情報が掲載されていることが分かります。 論文のタイトルにアスタリスクが付いていることもあり、法学者であるピーター・グッドリッチ(Peter Goodrich)は『On Philosophy in American Law』に収録されている小論 "Dicta…

アカデミック・ライティングにおける言葉の選択と注意点

「言葉の選択」とは 文章を書く際、効果的で的確な言葉を選択することにより、読者に正確な情報を伝えることができます。効果的な「言葉の選択」、つまり、状況に応じていかに適切な言葉を選ぶかがとても重要なのです。同じことを伝えるにしても、選ぶ言葉によって読み手が受け取る印象は異なり、意図とは異なる意味が伝わってしまうことすらあります。アカデミック・ライティングの場合には、専門用語を多用しすぎると分かりにくくなってしまいます。専門用語や紋切り型の表現(定型表現)を使いすぎることなく、明示的な意味や含意を伝えられるようにすることが大切なのです。また、語彙が多ければ良いというものでもありません。 文章を書く上では避けて通れない「言葉の選択」 自分の研究内容をきちんと伝えるためには、論文で適切な言葉を選ぶことが極めて重要です。アカデミック・ライティングに限ったことではありませんが、文章の執筆とは、言葉の選択の連続です。自分のアイデアを明確に表現できる単語を注意深く選ぶだけでなく、それらの単語をどのようにフレーズ、センテンス、さらにはパラグラフとして配置するかを判断しなければなりません。説得力のある言葉の選択は、読者の内容理解につながります。それが、研究アイデアを明確にし、拡散するのす。 言葉を吟味する際には、読者に正しい情報を伝えることを妨げる要素のないように注意することも重要です。 言葉の選択における一般的な注意点につき、例文を示しつつ説明していきます。 誤った単語 あまり深く考えずにライティングを行う、あるいは単語の意味を間違って覚えているなど、さまざまな理由で間違った言葉を使ってしまうことがあります。特に、意味や品詞を混同しやすい英単語には注意が必要です。 例1:There were averse effects. 修正1:There were adverse…

研究者のためのイラスト作成ツール

報告書や論文を書くことは研究業務の大きな部分を占めるものです。研究者は、ほとんどの時間を研究自体か研究について書くかに費やしています。 研究者が論文を書くのは、仲間や学術関係者あるいは一般の人々など、さまざまな読者に自分の研究内容を伝えるためですが、論文や報告書には普段あまり意識していない別の要素を含めることも必要です。それは、科学的な図表やイラストです。報告書や論文を読んだことのある人なら誰でも目にしたことがあるであろう、イラスト、図表、グラフ、インフォグラフィックは、研究のアイデアを明確に示すための貴重なコンテンツです。デジタル技術やグラフィック機能の進歩により、見た人に興味を持ってもらえ、わかりやすく内容を伝える科学的なイラストを簡単に作画できる優れたツールが入手できるようになっています。 この記事では、研究のアイデアや内容をより良く提示するために、詳細かつ有用なイラストを作成する方法を見ていきます。研究者が科学的なイラストを作成するのに便利なツールも紹介しますので、是非参考にしてみてください。 科学的なイラストの作成 科学的なイラストを作成するには、まずそのテーマを明確にすることから始めます。何かを描き出す前に、何を描こうとしているのか具体的にイメージしておく必要があります。 まず対象を部分ごとに分けて観察し、最適な表現方法を考えることが役立ちます。必要な情報がすべて揃ったら、紙に下絵を描いていきますが、この作業は、論文を執筆する際にアウトラインを作成するのと同じようなものだと考えれば良いでしょう。デジタル・イラスト作成ツールを使い始める前に、自分のイラストをどのように見せたいかをよく考えておきます。 イラストを作成するときは、ターゲットとする読者を念頭に置くことも大切です。そのイラストを、研究内容を理解している研究仲間や他の研究者に向けて作成するのか、それとも一般の人々に向けて作成するのか――対象を定めることで、どのような情報を盛り込み、どのような情報は省いてもよいかが明確になります。 デジタルツールに頼る前に、科学的なイラストの目的は、新しい資料を紹介することではないと覚えておいてください。 科学的なイラストや図解は、論文の情報を読者に分かりやすく提示するために使うものですので、研究の題材を分かりやすく示すものでなければなりません。例えば、閉塞した心臓の動脈にステントを挿入して広げる処置について図解するのであれば、主要な構成要素を示し、ステントの機能を強調したイラストを作成するようにします。 ここで留意しておきたいのは、科学的なイラストには大きく分けて以下の3つがあり、用途によって使い分ける必要があるということです。 平面図や地図、簡単な線図、視覚的な説明図 対象を正確に描写しつつ、色や模様など特定の表面的なディテールを取り入れたイラスト 上2つを含むが科学的な視点よりも美的な視点を重視したイラスト 科学的なイラスト作成デジタルツール どのようなイラストを作成するかのアイデアが固まったら、次はデジタルツールを利用してみます。ほとんどの研究者は、MicrosoftのPower…

コンセプトペーパーとは?~構成要素と書き方のポイント~

コンセプトペーパーは、学術研究やその他の分野においても、本格的なプロジェクトの計画書を作成する前に、取り組もうとしているプロジェクトの概要を説明するための重要な文書です。コンセプトペーパーの特徴や意義を理解することは、研究のための強固な基礎を築くことを目指す研究者にとっても非常に重要です。 今回は、学術研究におけるコンセプトペーパーとはどのようなものか、その構成と書き方のポイントを解説します。 コンセプトペーパーとは コンセプトペーパーとは、研究を実施するための承認申請や、助成金申請を行う際、研究の基本的な内容を概説する簡潔な文書です。取り組もうとしている研究プロジェクトの当初のアイデア、目的、理論的枠組みに関する説明を、数ページ程度の長さにまとめるのが一般的です(修士や博士課程で書く場合と助成金申請で書く場合などによっては長さが異なるので、指定の書式を確認するようにしてください)。研究計画書のように特定の研究の詳細な計画や方法論を書く必要がなく、原著論文のように完璧な研究プロジェクトの結果や分析の記載も不要である点がコンセプトペーパーの特徴です。基本的なアイデア、対象とするリサーチクエスチョン、研究の指針となるフレームワークを紹介することに主眼を置いて作成します。 コンセプトペーパーの目的 ビジネスにおいては、正式な提案書を提出する前に、上長らの承認や賛同を得るためにプロジェクトの目的や想定される成果について説明するいわゆる「企画書」がコンセプトペーパーに該当しますが、学術研究では、実施を予定している研究のプロジェクトの概要や研究の目的、実施方法について説明するための文書としてコンセプトペーパーが作成されます。コンセプトペーパーを書くことで、研究の方向性を明確にし、一貫性を持たせるためのロードマップの役割を果たすだけでなく、非公式に意見を聞くためのツールとしても活用できます。所属部署などにおける意思決定、承認、共同研究者からの参加の約束などを得るために使用され、関係者間での意思疎通を促進し、共同研究において私的なやりとりよりもフォーマルかつ丁寧なコミュニケーションをはかるツールとして機能するものです。 つまりコンセプトペーパーとは、研究の中核となる目的、理論的裏付け、潜在的な方法論に焦点を当てる助けとなるものであり、これを作成することによって、研究者は詳細な研究に取りかかる前に、フィードバックを得てアイデアを洗練させることができるのです。 コンセプトペーパーの主な構成要素 コンセプトペーパーの主な構成は、タイトルページ、背景説明、文献レビュー、問題提起、方法論、タイムライン、参考文献リストなどです。コンセプトペーパーは、助成金の申請において、提案する研究の妥当性と実現可能性を評価するのにも使われるので、研究者にとっては極めて大切なものです。 学術研究において効果的なコンセプトペーパーを書くには、必要不可欠な要素を理解し、それらの情報を上手く取り入れることが必要です。 上手く構成されたコンセプトペーパーは、上に挙げた要素をまとめ、提案する研究の概要を明確かつ包括的に概説し、研究テーマへの深い理解と、研究を実行するための構造化された計画を示すことができます。 コンセプトペーパーの書き方 コンセプトペーパーを効果的に仕上げるには、魅力的な研究テーマを選び、多数のリサーチクエスチョンを投げかけ、プロジェクトの根拠を裏付けるデータや数字を盛り込むことをお勧めします。内容を調整し、書式要件に従って簡潔な文書(長くても)に整える必要があります。さらに、インフォグラフィックや科学的な図解を用いれば、インパクトを高め、内容を読者に分かりやすく伝えることができます。以下にコンセプトペーパーを書く手順を記します。 1.簡潔なタイトルをつける 主要なアイデアを要約した、明確で説明的なタイトルをつけます。タイトルはペーパーの内容を直接的に表現するものである必要があります。読者に対してペーパーのプレビューとしての役割を果たします。…

盗用・剽窃の8つの種類

論文発表における盗用および剽窃とは、他人の研究に関する考え方や文章を許可なく使用し、自分の著作物・論文の一部として発表することです。残念ながら、盗用・剽窃は、研究において目新しい問題ではありませんが、盗用・剽窃を検出できるソフトなどの出現により見つけ出すことが容易になったため、より注目されるようになりました。   盗用・剽窃には偶発的なものから悪質な不正行為まで様々なタイプがあります。意図したものはもちろん、意図しないものも許されませんが、すべての盗用・剽窃が不正行為かどうかと、その重要性を分析する際には、どのような盗用・剽窃なのかの判断が必要です。だからこそ、大学のような教育機関において盗用・剽窃に関する知識を学び、その重要性を知った上で対策を講じることができるようになることが重要です。この記事では、基本的な8種類の盗用・剽窃を紹介します。 盗用・剽窃の種類 盗用・剽窃の問題は昔からありますが、近年は、インターネットが普及したことでこの問題が一層表面化してきました。きちんと引用すれば盗用・剽窃とはみなされないのですが、意図的に行う盗用・剽窃は犯罪です。さまざまな盗用・剽窃の種類と、それらがどのように発生するかを考慮し、研究倫理上も重大な問題であると理解しておくことが非常に重要です。その上で、非倫理的行為を行ったと指摘、非難されるのを避けるための対策を講じなければなりません。 完全な盗用・剽窃 完全な盗用・剽窃とは、他の研究者の研究や原稿を、自分の名前で投稿するという最も悪質なものです。これは、知的財産権侵害に相当します。ネットで見つけたものをコピーする、誰かにお金を払って論文を書いてもらう、自分あるいは他者が何年も前に提出した古い論文を再投稿することなども含まれます。 ソースベースの盗用・剽窃 ソースベースの盗用・剽窃とは、存在しない、あるいは虚偽の出典を参照する行為です。ソースベースの盗用・剽窃は、出典の種類が異なることでも起こりえるので、判断が難しいこともあります。例えば、研究者が誤って、間違った情報源や存在しない情報源を引用した場合、読者に誤解をもたらすことになります。意図的であろうとなかろうと、出典を完全かつ正確に引用していなければ、盗用・剽窃となります。 また、研究者が二次的なデータや情報源を参照したにも関わらず、二次的な情報のなかに示されている一次的な情報源のみを引用して二次的な情報に言及しない場合も、盗用・剽窃に該当することになります。このタイプは、単なる見落としやミスということもありますが、意図的に参考文献リストを補強したり、引用文献の数を増やしたりすることも含まれています。 ソースについてさらに言えば、データの捏造と改ざんも盗用・剽窃の一種類です。データの捏造とはデータや研究結果をでっち上げることであり、データの改ざんとはデータを変更したり省略したりして誤った印象を与えることです。特に医学研究の場合、こうした盗用・剽窃がもたらす結果は、臨床判断に悪影響を及ぼす可能性があるため、重大です。 直接的な盗用・剽窃 完全な盗用・剽窃と似ていますが、直接的な盗用・剽窃とは、コピペ盗用とも呼ばれるように、他人の言葉や文章をそのまま引用符も使わず、発言者の断りも書かずに(帰属表示なしに)一字一句そのままコピーし、自分の創作として利用してしまうことです。二つの違いは、完全な盗用・剽窃が文章全体を使用するのに対し、直接的な盗用・剽窃は他人の作品の一部をコピーペーストすることです。特定の段落や文章をコピーすることもあります。いずれにせよ不正行為とみなされ、勧告や厳しい処分を受けることになります。 自己盗用・自己剽窃 自己盗用・自己剽窃とは、著者が以前に発表した自分自身の論文のかなりの部分を帰属表示なしに再利用する場合に起こる盗用・剽窃の一種です。また、ひとつの論文を複数の学術雑誌(ジャーナル)に投稿する二重投稿も自己剽窃の一種とみなされます。そのため、このタイプの盗用・剽窃は、学生よりもむしろ、出版経験のある研究者がやりがちですが、既に出版されている論文を新しいもののように主張することは、研究倫理的な違反となります。…

システマティック・レビューの構成と書き方

システマティック・レビュー(系統的レビュー)とは、特定の課題についてこれまでに書かれた文献を収集し、データの調査・評価を行い、分析することで一定の結論を出すものであり、学術ライティング特有の作業です。システマティック・レビューを行うことは、質の高い、論理的なレビュー論文を書くための基本です。システマティック・レビューを出版するには、世界的に合意された特定のガイドラインに準じた作業プロセスで進めなければならないことは、学術研究者ならば、よく知るところです。ガイドラインは、研究者や出版社が論文について効果的かつ有意義なコミュニケーションをとるために無くてはならないものです。 大学院生など、論文の執筆や学術出版の経験が浅い研究者がシステマティック・レビューを執筆する際は、ガイドラインを注意深く読み、経験豊富な著者からのアドバイスを参考にすると良いでしょう。 National Center for Biotechnology Information(米国国立バイオテクノロジー情報センター)やNational Library of Medicine(米国国立医学図書館、国立衛生研究所の一部門)は、システマティック・レビューを以下のように定義しています。 “A systematic review is a…

人目を引きつける論文ステートメントの書き方

論文ステートメントとは 論文ステートメント (Thesis Statement)とは、エッセイや研究論文の主旨となるアイデアを端的に伝える文章です。著者の考え、あるいは調査研究において主張しようとしていることについて記すものですので、1-2文程度で明確かつ簡潔に書きます。 論文ステートメント-論文執筆において極めて重要なもの 繰り返しになりますが、論文ステートメントは、研究論文のアイデアを1文もしくは2文にまとめて記し、論文の内容を整理し、研究の論点や意見を発展させるためのものです。論文にどのようなことが書かれているか、著者が研究課題にどのように取り組んでいるかを読者に伝えるためにも重要です。さらに、論文の構成の指針となり、著者が自分の考えをより効率的にたどったり、整理したりするのに役立ちます。 論文ステートメントは、複雑で方向性の見えない議論において著者が状況を見失わないようにするのを助けると共に、研究論文が問題に直結し、研究目的に焦点を合わせた内容となることを確保するものです。 論文ステートメントはどこに書くのか 通常、論文ステートメントは、エッセイあるいは研究論文のイントロダクションの終わりに書きます。研究テーマに関する著者の意見を一文で示すことで、読者に向けた論文全体の具体的なガイドと位置づけられます。 影響力のある論文ステートメントを書くための6つのステップ ステップ1:研究論文を分析する 研究論文に関連する領域でまだ明らかにされていないナレッジ・ギャップ(knowledge gap)を特定し、著者が示す論点のより深い含意を分析します。論文ステートメントで言及した研究目的は、考察(Discussion)または結論(Conclusion)で覆されていませんか? 著者自身の考えに矛盾はありませんか? 研究目的を定める際、重要なナレッジ・ギャップはありましたか? 著者は、基本的な理論を正しく理解し、実証しましたか? 著者は、裏付けとなる文献の引用なしに議論の裏付けをしていませんか? こうした問いかけで自問自答してみることは、実用的な論文を作成し、苦労することなく方向付けを行ない、構造を組み立てることに役立ちます。 ステップ2:質問を考える 論文を作成しているとき、執筆プロセスの早い段階で、取り組むべきリサーチクエスチョンが見つかっているかもしれません。研究課題の中に、すでに確固たるリサーチクエスチョンがあれば、それが研究デザインの指針となり、特定の目的を定義・特定することができるでしょう。こうした目的は、著者が論文ステートメントを構成するのに役立ちます。…

英文校正の舞台裏― トップ校正者による ライブ校正

論文投稿に関する新たな課題とその克服法 編集者はどのように掲載論文を決定するのか 適切な査読者を著者の側から選ぶ方法 研究不正を避け、倫理的問題に対処する方法

リサーチギャップ(研究ギャップ)の特定方法

この記事は、公共衛生分野の博士課程の指導員による講義内容から抜粋したものです。革新的な研究をするためにリサーチギャップ(研究ギャップ)をどのように特定するかの参考にしてください。 リサーチギャップとは まず、リサーチギャップとは何か。リサーチギャップとは何で、どのように特定すればいいのか、革新的な研究を追求するためにどのようにリサーチギャップを使えばいいのか、など知りたいことは山積みです。新しく、心躍るようなリサーチクエスチョンを考え出せたと思った途端に、それが既に他の誰かによって取り上げられていたと気づいたことがある人はいませんか?私は数え切れないほど経験しています。大学院での研究には、該当分野に新しい知識を加えたいというプレッシャーが付きものです。私たちも人類の進歩と知識に貢献することは可能ですが、そのためには、まず既存の文献における研究のギャップを特定する必要があります。 リサーチギャップとは、簡単に言えば、情報が欠けているか、不十分であるために、リサーチクエスチョン(質問)に対する結論に到達できていない課題あるいは領域のことです。先行研究で解決されていない課題や、研究を行う余地が残されているものとも言えます。ただし、リサーチギャップをリサーチクエスチョンと混同しないようにしてください。例えば、人間にとって最も健康的な食事は何かというリサーチクエスチョンに対しては、考えられる回答がたくさん出てくるでしょう。一方、妊婦への抗うつ薬の効果というリサーチクエスチョンにした場合、既存のデータからはあまり情報が得られないと思います。それがリサーチギャップです。リサーチギャップが特定できれば、潜在的に新しく、心躍るような研究の方向性も自ずと特定できるようになります。 どのようにリサーチギャップを特定するか 膨大な既存研究の量を思えば、リサーチギャップを特定することは無謀な試みで、とても特定できるものではないと思えるかもしれません。私自身も、公開されている公衆衛生に関するすべての論文を読む時間はありませんでしたし、みなさんも同じ状況でしょう。ではどうすればリサーチギャップを特定することができるでしょうか。 分野ごとにやり方は異なりますが、以下のような幾つかのステップに絞り込むことはできます。 研究を進めるにあたって主な動機となる問題や質問を特定する その問題について重要な用語を抜き出す 文献を調査し、先に抽出した重要な用語を検索して関連する論文・出版物を探し出す 前のステップで探し出した主要な論文・出版物で引用されている文献を確認する 自分にとって重要な動機となっている問題に関連する文献で、取り上げられていない問題を特定する 最後のステップが最も難しいところです。論文に「示されていないことを」を探し出すのは難しいものです。私は、バイアス(偏見)や一貫性のない情報を記録しておくのを面白いと思いますが、著者が「将来の研究のための目標」と書き記している記述をたどるのも一案です。既存のリサーチギャップを示唆してくれることが多々あるので、そうした記述を拾い出してみましょう。 リサーチギャップが複数見つかったら次にすべきこと 幾つかリサーチギャップが見つかれば、次は優先順位をつけます。答えが必要な質問が多々出てくるかもしれないので、優先順位をつけることは重要です。大抵は、ひとつの質問に答えてから次の質問に取り組むべきです。リサーチギャップの優先付けを行う際には、研究助成金提供機関や利害関係者、該当分野におけるニーズ、さらには現在研究している内容に対する疑問との関連性も考慮する必要があります。また、自分が検討している研究を行うためのリソース(資金や環境など)とスキル(能力)についても考慮します。すべてを検討していくと、適切なクエスチョンを絞り込むことができるでしょう。…

論文で「研究の限界」を書くことの重要性と書き方

研究者が論文を執筆する際、「研究の限界」を示すことは珍しくないでしょう。「限界」と聞くと一見ネガティブに聞こえますが、研究における「限界」は、その研究を適切に組み立てるのに役立つこともあり、「研究の限界」の重要性を正しく理解しておくことが必要です。 この記事では、研究の限界を客観的に提示することで、影響力のある研究結果へと導く方法について解説します。 研究の限界とは どのような研究にも限界があります。研究の限界は、方法あるいは研究デザインの条件によって生じ、研究に影響を与える可能性があるものです。研究の限界は、研究にとどまらず、出版しようとしている研究論文にも影響することもあるのですが、残念なことに、多くの研究者は、読者目線の論文の評価に影響を及ぼすことを恐れるあまり、研究の限界について議論することを避ける傾向にあります。 しかし、研究の限界について論じ、対象読者(他の研究者やジャーナル誌の編集者、査読者など)に示すことは非常に重要です。と同時に、研究の限界が結論や所見にどのように影響しているかを説明することも、とても大切です。論文著者として研究の限界に言及する際には、研究についてのあらゆる弱点について調査し、研究主題について深く理解していることを示すことが必要です。研究について実直に示すことによって、その研究が誠実な努力を重ねた説得力のある結果であると示すことができます。 研究の限界をなぜ書くのか、どこに書くのか そもそもの研究の主たる目標は、研究目的に応えることです。実験を行い、結果が出たらそれについて説明し、最終的に研究課題(リサーチクエスチョン)の正当性を説きます。論文も同様の流れで、研究の限界について言及するのに最適なのは、結果の後の考察(ディスカッション)のセクションです。 考察では、冒頭で研究方法の長所を強調したあと直ぐに、研究の限界について述べます。研究論文の結論(コンクルージョン)のセクションでは、自分の研究の限界にふれてから後続研究に向けた「提案」という形で、下記のような具体的なポイントを述べることもできます。 1. 研究者の制限 研究者に起因する制限については必ず言及します。制限についてきちんと書くことで、読者に対して透明性を示すことができます。また、今後の研究において研究者に起因する制限を減らすための策を提案することも可能です。 2. 情報へのアクセスの制限 研究には、複数の研究機関や個人が関わっていることがあり、そうした機関の所持する情報へアクセスが許可されないこともあるでしょう。このような場合、研究の進め方を再設計、または研究を再構築する必要が出てきます。アクセスが制限されている理由を読者に説明しましょう。 3.…

学術ライティングでの括弧の使い方

括弧は、文中の特定の単語を他の単語から区別するために使用されています。学術ライティングでは、数式、頭字語(アクロニム)などが丸括弧の中に書かれるのが一般的ですが、引用符の中などに角括弧が使われることも多々あります。括弧は数式においては計算する順序を示すために使われ、文中で使用される場合は、括弧内が引用の一部ではないこと、あるいは原文のままでは正確ではないこと、省略されている語句があることなどを読者に示すために使われます。こうした一般的な使い方の他に、学術ライティング独自の例外的な使い方も存在します。 英文でよく使われる4種類の括弧は、日本語では角括弧、丸括弧、波括弧、山括弧と呼ばれますが、英語と米語で呼び方が異なるものもあります。文中で使用する順としては、{([ ])}ですが、これも使用する英語の種類によって異なる場合があります。 [ ]:角括弧(米:bracket、英:parenthesisと呼ばれることもあり) ( ):丸括弧(米:parenthesis、複数形:parentheses、英:bracket) { }:波括弧(米:brace、英:curly bracket) <>:山括弧(米:inequality sign、英:pointy bracket) 上記のほかに〈 〉がありますが、これは主として数学で利用されています。ただし、ほとんどのコンピューターのキーボードにはこの記号がないので、山括弧で代用している傾向があります。この問題の対処法として専門の植字で〈…

APAスタイルガイドの概要

研究論文を出版するプロセスは、複雑です。ひとつでも必要な要素の書き方を間違えると、書き直しや作業のやり直しで苦労したり、最悪の場合には投稿論文がリジェクト(却下)されたりという事態に陥りかねません。そうならないように、論文に特化した書き方に準じて論文原稿を作成する必要があるのです。APAスタイル(もしくはAPAフォーマット)は、研究者が英語で論文を執筆する際のガイドラインのひとつです。 この記事では、APAスタイルに準じた論文の書き方と、このフォーマットで論文を書くために理解しておくべき基本的なポイントを解説します。 APAスタイルとは APAスタイルとは、APA(American Psychological Association:アメリカ心理学会)が定めた公式の書式で、心理学や教育学といった社会科学分野で標準的に使用されるフォーマットです。APAスタイルは、研究論文の出版業界でも広く使用されています。 研究論文の執筆の際に、スタイルやジャーナル出版社の執筆要項が分らなくなったりすることはよくある事ですので、論文を書き始める前にあらかじめジャーナルの執筆要項を確認し、そのガイドラインに従って執筆していくことが最良な方法です。 論文を書くにあたって、参考文献(リファレンス)の書き方は時代とともにスタイルが変わることもありますが、他の項目に関する書式については、APAスタイルを参照しておけば、模範的な研究論文を書くことが可能です。 APAスタイルガイド第7版 APAスタイルガイドは定期的に改訂されており、現在最新のものは、2020年に出版された第7版(7th edition)です。APAスタイルは、英語の学術論文を書くための書式であり、大学の期末レポート、クリエイティブ・ライティング、作文、あるいは研究の意味について自分の見解をまとめるレポートの書き方とは異なるものです。まず、APAスタイルの基本書式を以下に記します。 ページレイアウト アメリカで規格化され、主に北米で使われている用紙(8½x11インチ)に1インチ(25.4 mm)の余白を取り、ダブルスペースで書きます。段落の書き出しにはすべて0.5インチインデント(字下げ)を付け、すべてのページにページ番号を挿入します。 フォント…

よく練られた研究論文のアウトラインの書き方

研究論文を書き出そうとしているところですか?研究結果を得るための実験に数ヶ月を費やした後、研究室主催者(PI : Principal Investigator)や指導教員から、学術雑誌(ジャーナル)に投稿するための論文を書き始めるように言われたかもしれません。研究論文の書き方について研究仲間や先輩と話して助言をもらっても、どう書き始めればよいのか、なかなか考えはまとまらないものです。 研究論文を書くことは、研究者の多くが頭を悩ませる、手間と時間を要する作業です。いずれは論文を書かなければならないと分っていながら、追い込まれるまで手を付けず、先延ばしにしがちです。そして、インターネットで書き方を検索したり、先輩にアドバイスをもらったりしながら、何度も書き直しつつ何とか論文を書きあげるのです。研究論文を書き上げて発表することは、研究者にとって自分の研究や結果を他者に伝え、理解してもらうためでもありますが、簡単ではありません。 今回は、論文を効率的に書くための助けとなるアウトライン(概要)の作成方法についてまとめてみました。 研究活動において論文を出版する目的は、学術研究を促進し、研究への支援(助成金)を獲得することでもありますが、論文執筆の主たる目的は、自分の仮説と研究データを科学コミュニティに示し、コミュニティが特定の分野における理解を深めるのに寄与することです。研究論文とは、研究の仮説から、プロトコル、方法、結果、結論、そして考察までを網羅する研究プロセスの正式な記録なのです。 だからこそ、しっかりとした構成に沿って書き進める必要があり、そのためにはアウトラインを作成することが重要です。 研究論文のアウトラインとは 研究論文のアウトライン(概要)は、学術研究論文を書く際の基礎になります。アウトラインは、IMRAD(Introduction, Methods, Results And Discussion)形式に準じて組み立てるのが一般的ですが、論文の種類によって異なることもあります。アウトラインは、読者に対して論文の内容を簡潔に伝えられるよう、以下の項目で組み立てます。 1.…

論文を書籍として出版してみよう-9つのステップ紹介

論文が出来ていればそのまま書籍として出版できると思われがちですが、そんな簡単なものではありません。論文と、書籍として出版するための原稿では、構想から出版に至る過程でさまざまな違いがあります。特定の読者に向けて書かれる論文は、多くの点で書籍とは異なるのです。特定の研究分野に関する自分の論文は、より多くの読者にも興味を持ってもらえるかもしれない―という場合には、論文を書籍として出版することを検討してみるのも良いでしょう。 この記事では、論文を書籍として出版するための手順について解説します。 論文と書籍原稿の違い まず、論文と書籍として出版するのを前提に書かれる原稿の違いを見てみましょう。論文は、研究者が何年もかけて執筆するものです。行った研究について書かれた論文は、学術雑誌(ジャーナル)に掲載・公開されます。しかし、そうした論文の中には、より多くの読者に向けた書籍として出版されるものもあります。論文を書くにも書籍用の原稿を書くにも努力と時間が必要ですし、同じぐらいの文章量を書くことになるとしても、この2つはいくつかの点で異なっています。 論文は常に疑問や仮説から書き出しますが、書籍は冒頭の文章で読者の関心をつかむ必要があります。ざっくりと言えば、論文は問いかけから始め、書籍は答えから始めるということです。 別の大きな違いは読者です。論文の内容はもちろん、形式や言葉遣いは、学術関係者が読むことを前提に書かれています。一方の書籍は、より多くの読者に届けることを意図して、学術界関係者以外の読者にも理解しやすいよう、より分りやすい言葉遣いや形式で書かれます。 役割も異なります。論文は研究活動の成果を報告するものですが、書籍は研究とその研究の社会への影響について読者に関心を持ってもらうための媒体と言えます。 論文は書籍として出版するには 論文と書籍の構成が同じになる必要はありません。そもそも論文と書籍では読者が異なるので、書籍の執筆目的と同様に書き方を変える必要があるからです。書籍を特定のコース(学科)の参考図書にする意図で作成する場合は、そのコースの講義摘要を考慮し、取り上げる題材を決めます。論文は、題材のほとんどを網羅しているかもしれませんが、既存の参考図書や資料とのギャップを埋める必要はあるでしょう。 さらに、ひとつのコースのためだけでなく、焦点が異なる複数のコースの参考図書として書籍を作成したいと考えるならば、読者のさまざまな関心を考慮する必要があります。 ほとんどの論文には、相互参照(クロスリファレンス)、脚注、参考文献一覧が付いています。論文を書籍として出版する際には、専門的すぎる学術用語を使わないようにするとともに、一般的な読者向けに文献一覧を簡略化しておきます。 論文を書籍として出版する際に考慮すべきこと • 書籍を作成する目的と解決を目指す問題 •…

助成金申請用のデータマネジメントプランの書き方

助成金提供者は申請にさまざまな条件を付けていますが、最近ではそれらに加えて、データマネジメントプラン(Data Management Plan, DMP)の提出も強く求めるようになっています。研究資金調達のための申請書は、包括的なデータマネジメントプランの予備的な計画の概要を記すものと言っても過言ではありません。 欧州全域で実施される研究およびイノベーションを促進するフレームワークである『ホライズン2020(Horizon 2020)』は、研究者間のデータ共有や研究者によるデータの研究倫理面での報告義務を促進するため、プロジェクトデータはオープンにされるべきであるとしています。 データマネジメントプラン(DMP)とは データマネジメントプラン(または、データ管理計画)とは、研究プロジェクトにおいて特定のフォーマット、アプローチ、基準、および方法論を選択した理由を詳しく説明する補足文書です。詳述すると言っても、2ページ以内にまとめるようにします。データマネジメントプランを作成する主な目的は、生成したデータの種類、管理方法、さらに他の研究者がデータを利用できるようになっているか、アクセスが可能になっているかを説明することにあります。研究助成金の申請時または採択時にデータマネジメントプラン(DMP)の提出が常套化してきているので対応が必要です。 理想的なデータマネジメントプランには以下の質問への回答を含めます。 1. どのようなデータを作成したか 2. データの収集または作成方法 3. データの所有権責任者の情報…

論文の基本構成を見直してみよう

何年もかけた研究の成果を論文にまとめるには苦労が伴います。つい尻込みしてしまいそうですが、論文の基本構成を抑えた上であらかじめ論文に書くことを整理しておけば、執筆作業が楽になります。この記事では、基本的な論文の構成を見直してみます。 論文の構成 研究論文の構成は、研究の性質・特徴や投稿先の出版社や学術雑誌(ジャーナル)の書式、大学や所属機関の指示によっても異なってきます。一般的な論文には、序論(イントロダクション)・方法・結果・考察・結論の5つのセクションから構成されているので、以下にそれぞれのセクションに含むべきことを挙げてみます。 序論(イントロダクション) 序論は論文の導入部分ですので、研究の目的、背景、問題提起、仮説、先行研究との関連性を明らかにします。何が問題で、なぜそれが重要なのか、その問題はどのように解決するのかといった問いかけを行います。これらの問いに答えるべく、他の研究者がこの問題、あるいは類似の問題にどのように対処したかを示すには、既に行われた研究文献、発表された論文の調査を行う必要があります。序論を書くには「歴史的視点」も求められるのです。科学論文の序論であれば、序論に文献レビューを含まれることがよくありますが、社会科学または人文科学分野の論文では、文献レビューを序論に入れ込まずに別途章立てられるのが一般的です。このように分野によっても異なるので注意が必要です。ただ、いずれの形にしても、研究の内容に関連する先行研究のレビューを記し、照らし合わせを行うことで、自分の研究の重要性を強調するのですが、ここはあくまでも序論ですので、細かく書きすぎないことにも注意します。 方法:実験の経緯 研究で行った実験の方法、データの収集方法などを示します。研究で行った実験は、他の研究者が再現できるように十分に詳しく記す必要があります。特殊な技術や装置を使用した場合は、説明や図も付けます。研究の結果と考察はこの実験に大きく影響されるので、このセクションは論文の中で最も重要であるとも言えます。よって、本論を理解するために必要な研究(実験)の材料と方法を可能な限り時系列に準じて明示しておきます。新しい手法を用いたのであれば、既存の方法と何が違うのかも含め、詳細に説明するようにしましょう。 結果 ここには、起きたこと、研究で明らかになったことを記します。結果は、実際に行った実験や調査、分析などの内容と結果を記す部分なので、過去形で書かれることが一般的です。他のセクションが、目前の題目に応じて過去形または現在形の混在で示されるのに対し、研究の中で既に起きたことに焦点を当てて事実を述べます。このセクションには主観を入れず、客観的かつ論理的に記すようにしましょう。また、論文の結論ではないので解釈や意見は書きません。必要であれば図表を使って分りやすく示し、文中にしないデータなどがあれば付録に付けるようにします。 考察 ここでは、結果が示す意味に踏み込み、理論と仮説につなげて発見したことが何を意味するかを議論します。仮説を裏付ける結果が得られたか、得られていない場合はどう異なっているのか、なぜ仮説とは異なる結果が得られたのか―などを書きます。結果と考察をひとつのセクションとしてまとめて書く方がよい場合もありますが、まとめにくい場合は個別のセクションとして書くのがよいでしょう。ただ、結果と考察をひとつのセクションとして書くように指示しているジャーナルもあるので、書式を確認しておきます。序論で提示した課題や仮説について言及する際、仮説に弱い部分があったのであれば、その点も明らかにします。結果が何を意味するのかが分らない、あるいは明確に論じることが出来ない場合は、正直に表明しましょう。 結論 研究が複雑な場合、結論に研究の結果を要約し、明らかになったことを詳細に記述します。ジャーナルに投稿する論文であれば、このセクションは簡潔にまとめます。書き方については、自分の分野の慣例やジャーナルの書式に準じてください。内容としては、研究の実用的な応用の可能性や、研究の限界、将来研究への方向性を際立たせ、自分の研究の新規性や重要性を強調して書くようにします。未解決の問題があれば課題として整理しておくとよいでしょう。得られた結果を踏まえて客観的な検討を行い、今後考えられる課題や研究を発展させるための展望についても言及します。 論文を出版することを念頭に準備しておく 論文を書くとき、論文を複数の形式で書いてみるのも、論文の書き方を学ぶのに優れた方法です。それぞれに柔軟性を持たせつつも、投稿すると想定した特定の学術ジャーナルの書式に合わせて論文を書いてみます。複数の書式に合わせて論文を書いておけば、投稿先ごとに書き直す手間が大幅に削減されるので、時間の節約にもなります。とはいえ、所属機関や出版社・ジャーナルによってさまざまな要件やガイドラインがありますので、書き始める前に確認しておくようにしましょう。…