研究の効率化

ChatGPTに「できない」9つのこと

急速に広まっているChatGPTですが、万能というわけではありません。ChatGPTは、アメリカのOpenAI社が2022年11月に公開した対話型AIサービスです。チャットで質問したことに対し、膨大なデータから情報を収集して答えてくれるわけですが、GPTが「Generative Pre-trained Transformer」の略であることからも察せられるとおり、回答を出力するためには事前学習(pre-training)が必要です。2023年6月時点での普及モデルGPT-3.5の事前学習データセットが2021年9月までのものであるため、2022年以降の情報が含まれていないことが指摘されていますが、プラグイン機能を追加することでChatGPTが新しい情報にもアクセスできるようにするといった対策や、深層学習アルゴリズムを使ってインターネット上の大規模なデータセットから情報収集した後に後学習(post-training)することで微調整を行ってから出力する機能の開発なども進められています。ChatGPTは、日々進化を続けている一方で、誤った情報に基づく誤った回答が出力される危険性も含め、使用の際には注意が必要です。 ChatGPTやその他の生成AIツールを使うことで調べ物の時間を短縮したり、テキストを作成させたりできるといった利便性が注目されていますが、研究者がChatGPTを使う際には、ChatGPTが「できないこと」、つまりAIツールの限界を知っておく必要があります。ここでは、研究活動においてChatGPTができない9つのことを取り上げます。 ChatGPTができない9つのこと 1- 独創的な研究アイデアの発案 独創的な研究アイデアは科学の進歩の原動力であり、イノベーションを生み出し、知識を広げ、画期的な発見への道を開くものです。、ChatGPTは研究アイデアを作成することはできません。 試しにChatGPTに化学分野の研究における独創的な研究アイデア/テーマをいくつか提案するよう入力したところ、この分野では基本的な3つの既存の研究について出力してきました。以下がその際の画面(スクリーンショット)です。 ChatGPTのアルゴリズムには、独自の批判的な分析能力がないので、情報の正否は判断できません。 ChatGPTが分野に特化した専門知識を習得し、最新の動向を把握しているわけではありませんし、各分野独自の複雑な内容を深く理解しているわけではありません。 研究者の専門的知識は、研究を進めるべき方向性を特定し、既存の知識を基に革新的なアプローチを提案し、その分野を発展させることができます。一方、ChatGPTには、人間の研究者のような豊富な知識の集積や経験はありません。 AI言語モデルをベースとするChatGPTの能力は、既存のトレーニングデータに制限され、生き生きした会話や協業に積極的に参加する能力は有していません。 2- 複雑なデータ分析の解釈…

読むべき論文の選別・優先順位付けに文章要約AIツールを活用

研究者1:ノートPC開く度に大量の論文が届くんだ、勘弁してよ。 研究者2:なんでダウンロードするデータを分類しておかないの? 研究者1:やってるよ。でも、情報量がすごくて、どこから手を付ければいいのかわかんないよ。 どこかで聞いたような会話ですか?学術研究のデータの照合を始めたばかりの研究者によくある困りごとかもしれません。大量の情報が恩恵をもたらすことが多々ある一方で、研究論文に関連する情報過多は必要な情報を特定することを困難にします。必要な情報をすべて見つけ出せたとしても、どの論文を優先して読めばよいのか分らなくなることもあります。例えば、学術雑誌(ジャーナル)掲載論124本、書籍の中の該当する章27章、プレプリント論文45本、卒業論文内の章8章を一度にダウンロードしたとしても、すべてを読むにはどれほどの時間を要するか、見当も付きません。すべての研究論文をセクションごとに要約すれば、相当な時間短縮ができるでしょう。この記事では、研究者が自分の研究テーマに関連する情報源を見つけ出す方法と、研究記事をセクションごとに要約することで時間を有効に使う方法をご案内します。 ダウンロードした膨大な研究データを手作業で照合・要約するのは難しい 文献レビューを行う際には、複数の情報源からダウンロードされた大量のデータを利用し、関連するデータだけを使って最大の有用性を引き出すことが大切です。膨大な研究情報を照合し、管理するには、体系的なアプローチで取り組む必要があります。情報管理がうまくできれば、文献レビューの洞察を導き出し、読むべき論文の優先順位を付けるのに役立ちます。しかし、情報過多になってしまうと、論文の要約を行うどころか、研究データを管理し、分析する段階で混乱してしまうでしょう。 研究論文をセクションごとに正確に要約する秘訣は、要点を押さえることです。論文をひとつひとつ自力で要約するのは大変な作業です。要約するためには、論文を徹底的に読み込まなければなりませんが、すべての論文を最初から最後まで読み、注釈、小見出し、さらに参考文献にまで注意を払うのは途方もない作業です。しかも、重要なことが常に明白に書かれているとは限らないので、重要な点を見逃さないように各セクションを個々に読み進めなければなりません。研究が続く限り、この要約の作業は続きます。さらに、どの論文から読むかの優先順位を決めるには、入念に計画された照合作業と関連度に基づくデータの要約が必要です。 情報過多のほかにも、文献レビューの体系的なアプローチを妨げる問題は以下のようなものがあります。 選択バイアス:キーワードだけで、関連性のある情報と判断すべきではありません。 包括性の欠如:リサーチクエスチョンの理解があいまいで、誤った用語や関連性の低い用語で情報を検索するために発生します。 論文のエビデンス(証拠)を検証していない:証拠を検証しないと結論を誤る恐れがあります。 透明性/再現性の欠如:レビュー手法の再現性は、科学的方法論の中心となる基本的な考え方です。レビュー手法に透明性がなく再現できない場合には、信頼できると見なされません。 どの文献から読むべきかの優先順位の付け方 論文のタイトルだけでは、論文を読み進める決定打とはなりません。通常、研究者は、アブストラクト(要旨)、結果、結論を読んで、その論文をさらに読み進める価値があるか、研究テーマに関連性があるかを判断します。しかし、情報が氾濫している現在、今までと同じやり方をすると、時間と労力を費やすことになってしまいます。 大量にダウンロードした情報から適切な文献を見つけるのは時間と手間のかかる作業です。論文のアブストラクトと結論だけを読んで、その文献が有用な情報かの判断を下したいところですが、自分の研究テーマに関連する重要な情報が、論文のアブストラクトや結論のセクションに記載されているとは限りません。そこで、AIの助けを借りて読むべき論文に正しく優先順位を付けるための新しい技術が模索されるようになりました。AIが研究論文の重要なポイントを強調し、すべてのセクションを要約してくれるのであれば、読み落としの潜在的な解決策となります。この技術により、研究者は関連性のある文献だけを読めるので、時間の節約となるだけでなく、最も大切なことは、適切な情報を引用することが出来るようになります。…

研究者におすすめの盗用・剽窃チェッカー4選

語彙の選択、句読点の間違い、文法上の誤りといった一般的な英文を書く時の問題は、校正ツールや英文校正サービスを利用することで対処できますが、盗用・剽窃を防ぐことは別の問題です。盗用・剽窃とは研究倫理に反する行為であり、論文著者、学生、研究者およびさまざまな学術関係者にとっては深刻な懸案事項です。そこで、研究不正を防ぎ、学術論文を比類ないものにするために、盗用・剽窃チェッカーの需要が高まっているのです。 盗用・剽窃チェッカーを利用すべき理由 盗用・剽窃は、特に学術界では許されない不正行為です。実際には盗用・剽窃チェッカーを使用すれば盗用は簡単に見つかってしまいます。このような不正が発覚すれば、研究者としての評判が落ちるだけでなく、所属大学から免職処分を受けたり、解雇されたりする危険性すらあります。 研究論文やあらゆる種類の学術文書は、研究内容を徹底的に調べ、構成を整え、指定のガイドラインに準拠する必要があります。誰でも面倒な作業は避けたいところですが、それこそが問題の原因です。盗用・剽窃とは、必ずしも意図的に行われるのではなく、むしろ、無知(不正行為だと知らなかった)、確認不足、盗用・剽窃の定義に関する混乱(その行為が盗用・剽窃に該当するとは思わなかった)などが原因となって起こってしまうものです。だからこそ、オンラインの盗用・剽窃チェッカーを利用して、簡単に防いでしまいましょう。 盗用・剽窃チェッカーを活用するメリットは以下の通りです。 1. 公開されている情報リソースを包括的に検出できる 2. 盗用・剽窃された箇所が強調表示されるので、簡単に見分けられる 3. 類似率が表示されるツールもある 4. 不正確に言い換えたコンテンツも検出が可能 5. ツールを使用することで著者の誠実さを示すことになる…

学術研究におけるパイロットスタディの有用性

新しい研究プロジェクトに取りかかる時は、ワクワクするものですが、プロジェクトに着手する前に、その計画が実現可能かどうかを確認しておくことは重要です。準備が不十分だったために、一度に大量のサンプルを処理するはめになったり、アンケートに重要な質問を加えるのを忘れたりすることは避けたいものです。 パイロットスタディとは パイロットスタディとは、研究プロジェクトを開始する前に、その研究デザインの実現性を見極めるために行う予備的な小規模調査です。研究プロジェクトに使用する手法をパイロットスタディで試し、その結果を踏まえて大規模なプロジェクトの方策を確定できます。質的・量的研究のいずれにおいてもパイロットスタディは有用です。パイロットスタディを通して研究課題や方法を特定または具体化することで、エラーの発生を防ぎ、リスクを軽減できるだけでなく、プロジェクトに要する時間とコストを見積り、余計な手間や費用を削減することができるのです。 アフリカの格言に「You never test the depth of a river with both feet.(仮訳:川の深さを測るのに両足を入れるな)」というものがありますが、いきなり川に両足を入れてしまうと水深を測るどころか、足が付かずに溺れる危険性もあるから慎重に行動せよとの警告です。大規模プロジェクトをいきなり開始するのではなく、それに先立って小規模のパイロットスタディを行うことで慎重に進めるのが得策です。パイロットスタディの小さなサンプル数で、大規模プロジェクトで予定している方法を試してみれば、計画の問題を見つけるのに役立つでしょう。大規模プロジェクトに多大な時間とお金を投入する前に、問題を修正できます。少ないサンプルであっても、実際に見てみればサンプル数を増やした場合の結果を推測することもでき、サンプル収集にどの程度のコストがかかるのかを見積もることも可能です。 パイロットスタディの構成要素…

WHO推奨:研究プロトコルに書き込む21項目

ある学生は研究プロトコルについて頭を悩ませているようです。 研究主宰者(Principal Investigator : PI):研究プロトコル(研究計画書)は書きましたか? 学生:まだです。分らないことだらけで…そもそも、研究プロトコルを作成することがなぜ重要なのでしょうか?研究プロポーザル(研究提案書)と同じようなことを書けばいいのか、何を書かなければならないのか、どのような構成にしたら良いのか…所定の書式に従って書けばよいものですか? 経験の浅い研究者は、研究プロトコルを作成する目的や重要性だけでなく、どうやって書けばよいのかも理解できていないようです。この記事を通して、研究プロトコルの書き方について理解を深めていきましょう。 研究プロトコルとは 研究プロトコルとは、臨床試験の背景、理論的根拠、目的、デザイン、方法、統計的考察および実施機関(団体)について説明する文書です。臨床研究の計画の概要を示すだけでなく、研究課題に対して満足できる答えを示すように作成する必要があります。研究プロトコルは、研究を実施するための試料と手順を示す文書なのです。 なぜ研究プロトコルが重要なのか 治験や臨床試験において、研究プロトコルは最も重要なものであり、臨床研究の基盤となるものです。臨床試験の被験者の安全と収集するデータの完全性を保証するための文書でもあります。拘束力を持つ文書である研究プロトコルには、臨床試験の一環として許可されていること、あるいは許可されていないことを記載します。さらに、自分が所属する研究機関の研究倫理審査委員会(IRB)に申請を提出する際、最も重要な文書と見なされるものです。 研究プロトコルは、医療専門家、統計の専門家、薬物動態の専門家、臨床研究コーディネーター、研究プロジェクトマネージャーなどからの情報を基に作成します。研究のあらゆる側面が最終的な文書に網羅されていることを確認しましょう。 研究プロトコルと研究プロポーザルの違い 混同されることが多々ありますが、研究プロトコルと研究プロポーザルは、異なる文書です。下表に二つの相違点を並べてみます。 研究プロポーザル(Research…

質的研究の長所と短所

質的研究とは、端的に言えば、研究対象を測定して質的データを採取し、それを用いて、言語的・概念的な分析を行い、結論を得る研究―となりますが、全てのデータに意義があるわけでもなければ、データに意義があっても分析方法が適切でなければ意義のある結論は得られません。質的データには、観察記録やインタビューなどの言語データなどが含まれ、こうしたデータから社会的・文化的な意味を汲み取っていく研究が「質的研究」または「定性的研究」と呼ばれます。数値による記述が多くなるか、言語による記述が多くなるかなどは扱うデータの性質によって異なりますが、収集されたデータを分析し、客観的に説明し、傾向を理解すること、そこから導き出される新しい理論を構築することを目指す点では、どのようなデータ、分野にも概ね共通していると言えます。質的研究がよく使われている分野としては、臨床心理学、看護学、社会学といった人文社会科学系の研究が挙げられます。 質的研究が重視するもの 人間とは、常に研究対象でありながら、把握が困難な存在です。事象が生じる頻度をとらえ、どうすれば他の研究者が実験を再現することで同じ結果を得ることができるかを重視する自然科学系の研究では数量的な手法(量的研究/定量的研究)が好まれるのとは異なり、人文社会系の研究では再現性を求めず、客観的な観察と文書化を重視する質的な手法(質的研究/定性的研究)が多用されます。 演繹法でなく帰納法によるアプローチ 飛躍や矛盾なく情報を整理して筋道を考える論理的思考には、複数の事実を足し合わせて結論を導き出す「演繹法」と、物事や事例などの現象に共通する情報やパターンを抽出し、共通項を踏まえて結論を推論する「帰納法」がありますが、質的研究は帰納法によるアプローチです。 質的研究(定性的研究)が最適なのに使われていない場合、質的アプローチを試みることによって、変数を操作してコントロール(対照群)と比較し、再現可能な解答を得るために、複数のシナリオで分析してみなければ―といった量的アプローチに必要な作業は不要になります。 帰納法では、前提となる現象や事例の質や量が大切なので、共通項を見つけ出す際のデータに誤りや偏りがあると、正しい結論を導き出すことができません。また、前提とするデータの数が多いほど精度の高い推論を導き出すことが可能になります。こうした特徴は、後述する「質的研究における限界」にも関連してきます。 説明して理解することを目的に観察を重視することは、意見、感情、経験(従来の定量的研究だと混乱を生じさせる変数)に関する研究を促進させます。さらに、調査環境を操作しないように、インタビューあるいはグループディスカッション過程で動的な性質を保つことができます。研究者は、事前に承認された質問に縛られることなく、リアルタイムでさらなる質問をすることで、当初予定していた質問への回答よりも踏み込んだ調査を行うことができます。また、研究者が直接立ち会うことで (観察者が隠れていることも場合も、フォーカスグループの司会者として参加する場合も考えられます)、非言語的なコミュニケーションも観察できます。 質的研究の手法(アプローチ) 質的研究とは、現象に関する質的データを用いて帰納的に探求する研究であるとされ、幾つかの手法(アプローチ)があります。代表的なものを以下に示します。 現象学的アプローチ : いろいろな学問分野で用いられているアプローチ。特定の出来事を経験した人や、特定の期間を生きた人といった研究協力者から話を聞き取り、語られる「生きられた経験(lived experience)」を分析し、解釈していく記述的研究手法。現象学的アプローチには、マニュアルや決まった手順がない。…

研究者向け おすすめ英文チェックツール6選

文法とは言語において文章を書く上でのきまりです。コミュニケーションの中で新しい俗語(スラング)が生まれ、それが世界中に拡散するにつれ、文法の正しい使い方に影響が出ることで、研究者が効果的な学術文章を書く際にも悩ましい問題となってきています。学術文章は知識を広げるための基本的情報を提供するものですので、文法的にも表現においても正しく書かれていなければなりません。幸いなことに、AIベースの英文チェックツールを活用することで、正しい文章の執筆を少しでも楽に、時間をかけず、間違いなく行うことが可能です。研究者は学術文書の英語をチェックするのに最良の英文チェックツールを用いることが重要です。 この記事では、オンラインで利用できるツールの中から、言語スキルの向上や文法・スペルチェックができるツール6つを選出し、特徴を解説していきます。 英文チェックツールを使用することの大切さ 学術文章のあるべき姿は、客観的かつ正確な内容がしっかりとした構成で、かつ改まった(フォーマルな)表現で書かれていることです。学術雑誌(ジャーナル)に学術論文を投稿する際にオンライン英文チェックツールを使って文法やスペルをチェックすることは、最終的な公表に必要な具体的要件を満たすことにつながります。こうしたことから、各研究分野における適切な言葉遣いや文法の改善だけでなく、学術ジャーナルの様式に関するガイドライン(スタイルガイド)や単語数の制限(字数制限)といった要件を満たすのに役立つチェックツールの需要はますます増えています。さらに、オンライン英文チェックツールには、学術英語の執筆、専門用語や科学的表現のチェック、出版に向けた諸々の準備において的確なサポートを提供することも期待されています。こうした機能を有するツールを使いこなすことができれば、研究者が学術文書を執筆するのに大いなる助けとなるでしょう。 研究者におすすめの英文チェックツール6選 原稿の質を向上させるための拡張機能を搭載したオンライン英文チェックツールが幾つか公開されていますが、ここでは研究者向けにおすすめのチェックツール6選を紹介します。 1. Trinka AI Trinka AIは、世界各国の研究者に論文英文校正サービスを提供しているエナゴを運営するクリムゾンインタラクティブが開発した世界初の学術論文・テクニカルライティングに特化したAI搭載の英文校正ツールです。学術文章や専門用語が用いられる原稿の改善や、投稿原稿を公開可能な形に整える際に役立つように開発されました。また、英語の文法やスペルチェックだけでなく、論文著者と連携し、全体的な言語の改善を確実に行うという機能が特徴的です。原稿の修正を提案しつつ、学術的なスタイルガイドに合わせていきます。さらに、学術的な文体、適切な言葉遣い、概念の明確化、文構造、単語の代替え提案といったカスタム機能も付いています。修正提案の理由についても詳しい説明が付きますし、文脈を変えずに別の表現を提案してくれるので単語数を削減することにも役立ちます。世界各地の研究者が論文にアクセスしやすいように、米国式か英国式を選択することができることも学術論文にとっては重要な点です。 言語学者、ITエンジニア、そしてデータサイエンティストのチームが開発したこのツールは、学術関連から日常生活まで、あらゆる人、あらゆる種類のコミュニケーションをサポートするツールです。 2. Grammarly Grammarlyは、世界的IT企業であるGrammarly社が開発した人工知能と自然言語処理を用いたライティングツールで、文法チェック、スペルチェック、盗用・盗作検出サービスを提供しています。ウェブ上だけでなく、Google…

文献レビューを成功させる論文マッピングとツール

多くの時間と労力をつぎ込み、何とか研究テーマが決まったのであれば、研究の成功に向けた第一歩を踏み出せたことに安堵しているかもしれません。次に取り組むべきは、文献レビューです。何人かで知恵を出し合ったとしても、研究論文あるいは卒業論文を書くのに十分な文献の量とはどの程度なのかを把握するのは難しいものです。図書館で何時間もページをめくって資料を探していた頃とは違い、インターネット上でオープンアクセスの論文やその他の出版社のプラットフォームが閲覧できるようになったおかげで、文献検索の作業は遙かに楽になりました。しかし、ITの普及と文献の検索および閲覧の利便性が格段に向上した反面、重要なデータのみを収集することがより難しくなってしまったのです。そこで、必要なデータを収集するための解決策、論文マッピングを紹介します。 論文マッピングとは 論文マッピングとは、自分の研究に必要な情報(文献)を探す方法のひとつです。過去の研究のまとめと言える文献レビューを執筆するには、同じ分野の論文を特定し、その研究成果を検討、批評、および解釈する必要があります。そのためには体系立てられた方法を取らなければならないことから、論文マップの作成が役立ちます。文献の主題(テーマ)、主張、および概念をマッピングすることは、文献レビューに不可欠な工程です。また、知識や思考のプロセスを外面化するための確立された方法でもあります。論文マップは、論文の著者、分野、テーマなどの項目に応じてそれぞれの関係性を図式、あるいは地図のように視覚的に表わしたものです。 研究者は、膨大な量の情報に圧倒され、自分の研究に必要な情報を特定したり整理したりするのが難しいと感じるようです。研究者は自分の分野において知識だけでなく、知識間の関連性においても、より豊富な知識を培っておくことが推奨されます。この知識の関係性をまとめることを、論文マッピングと言います。 論文マッピングのメリット 論文マッピングがどのような場面で研究に役立つかを挙げておきます。 研究分野について、どのぐらい学生が理解しているか、どのように解釈しているかを具体的に示すものとして、同僚や教授と共有するとき。 別の視点に切り替えることでパターンを形成し、それまで研究領域に隠されていた可能性を確認するとき。 関連する研究におけるギャップを特定するとき。 研究者が本来の研究領域の可能性やそれらの研究の限界を特定するとき。 論文マッピングへのアプローチ 論文マッピングは組織的なツールであるだけでなく、再帰的なツールでもあります。さまざまな分野の研究機関の特定に焦点を当てたアプローチをとることで、理論的かつ整然と、または根本的なマッピングをすることができます。 論文マッピングには2つのアプローチがあります。 主要な考えまたはディスクリプタ(キーワード文書の要約や文書中の重要な語句など)によるマッピング:研究テーマにおけるキーワードを使ってマッピングを作成する。 著者によるマッピング:該当分野における主要な研究者・専門家を特定する引用マッチングとも呼ばれ、引用を使ってそれらを相互に関連付けることも含むことがある。著者名で検索し、研究分野や作成した論文をマッピングする。…

研究方法の種類と選び方

研究の成功は、適切な計画と実施にかかっています。研究を無事に終了させるには数々の要因や要素がありますが、最良の研究方法を選ぶことは、最も困難かつ悩ましいことのひとつです。研究は取るべきアプローチの種類に従って進められるものなので、研究を実証するための研究方法と、データを収集する方法を選ぶのは非常に重要です。研究において的確な研究方法を選択することで、求められている情報を照合し、研究の最終目的に到達することが可能となるのです。 この記事では、さまざまな研究方法(研究方法の種類)とその中から最適な方法を選択するための基準について論じます。 最適な研究方法を選択することの重要性 研究方法は、研究を実施する前に決定しておきます。的確な研究方法を選ぶことは、研究内容および文章をうまくまとめ、全体を良質なものにすることに役立ちます。さらに、自分の研究分野で使われている研究方法に精通しておくことで、より実質的に理解することができるようになります。 研究方法の種類 自分の研究の性質、研究分野における標準的状況、実用性により、自分の研究に最適な研究方法を選択しましょう。研究方法には、定性的研究と定量的研究という2つのアプローチと、その混合アプローチがあります。 定性的研究(質的研究)では、数値で計れないデータを使用します。言い方を変えれば、定性的研究とは、言葉、説明、概念、信念、思考(アイデア)やその他の実体のないものに焦点を置く研究です。 定量的研究(量的研究)では、数値と統計データを使用します。変数(可変要素)を測定し、既存の学説または仮説を検証するものです。通常、定量的研究で得られるデータは数値やグラフなどの形で事実情報を示されます。 定性・定量融合法研究とは、定性的研究と定量的研究の両方を組み合わせた研究です。混合研究法とも、ハイブリッドメソドロジーとも呼ばれています。定性的研究で状況調査を行い、理解していることのポテンシャルモデルを開発します。これは概念フレームワークとも呼ばれ、定量的方法を用いて、そのモデルを実験的に試験します。定性的研究で得られた新しい知見について、より大規模な知見を検証するために定量的研究を行うといったものです。 また、研究は大まかに下の3つに分類できます。 探索的研究:問題についてのより深い理解を示し、その問題に関する理論を潜在的に発展させます。そのため、このタイプの研究では定量的研究アプローチを取る傾向があります。 確認研究:経験的試験によって潜在的な理論または仮説の確認を行うものです。定性的研究を取る傾向があります。 両方を混合した研究:ポテンシャル理論または仮説を構築し、定性・定量融合法のアプローチを使って経験的な試験を行います。 最良の研究方法を選択する前に考えるべきこと 研究の性質…

3つの文献検索方法で研究者の時間を節約

文献検索や情報収集に苦手意識を持つ大学院生や若手研究者は少なくないようですが、研究者として活躍するためには、情報収集のスキルを磨くことが不可欠です。研究室で過ごすのと同じぐらい多くの時間を図書館で過ごす研究者もいますが、必要な情報収集であっても、実質的な研究や執筆により多くの時間を割くためには、情報収集をできるだけ効率的に行うことが求められます。ここでは、情報収集を効率的に行うために活用してもらいたい3つの検索方法を紹介します。 キーワード検索 キーワードを使った検索術-ブーリアン(Boolean)検索と呼ばれるような基礎的な型―を把握しておけば効果的な検索を行うことができるようになります。複数の条件を同時に満たす情報を探す「AND検索」や複数の条件のいずれかを満たす情報を探す「OR検索」などの検索型を把握した上で使いこなせるようになれば、文献検索は飛躍的に楽になります。 AND検索:検索対象を狭めるためにANDでキーワードを区切って入力することで、ヒット数の多い検索結果を絞り込むことができます。 OR検索:関連性のある論文にどのキーワードが使われているかわからない場合など検索対象を広げたいとき、ORで条件を区切って入力することで、より多くの情報を拾い上げることができます。著者名をキーワードの1つとすることもできるでしょう。 他にも検索結果の中から特定の条件を除外させたい場合の「NOT検索」などもあるので、様々な組み合わせを駆使した高度な検索オプションを試しながら、関連性の高い記事を引き出すのに最適な方法を見つけてください。 引用検索 キーワード検索だけで思うように文献を見つけ出すことができない場合には、引用文献を検索するのが効果的です。特定の分野における重要な論文であれば、後続の研究者たちはその論文を参照しているものです。引用されている文献を検索すれば、研究のヒントだけでなく、自分の研究論文に引用できる論文がヒットすることもあるでしょう。この方法は、先行研究をリストアップする上でも有効な手段です。本当に重要な論文は被引用数も多いため、「AND検索」で絞り込んだり、より狭めた分野で引用されている文献を探し出したりするといった工夫が必要かもしれません。 抄録誌・文献データベース 抄録誌や文献データベースを利用すれば、最新の文献情報を短時間で入手することが可能になります。例えば、米国化学会(ACS)の下部組織であるChemical Abstracts Service(CAS)が発行している化学および関連分野の文献抄録誌であるChemical Abstracts(CA)や、世界の化学および関連する科学分野の出版物(学術雑誌、学会会議録、学位論文など)を収録しているCASのデータベースCAplusを利用すれば、最新情報を効率良く収集することができます。Chemical Abstractsデータベース版には検索時に役立つ統制語や化学物質名、CAS登録番号をはじめとするさまざまな索引情報が登録されていますし、収録データをオンラインで検索できる「CAS SciFinder」の利用も普及しています。検索した論文をすべて読んでいたのでは時間がいくらあっても足りません。まず、論文の重要な部分を抜き出した抄録や要旨を読んで全体像を把握し、精読が必要な論文を絞り込むといった作業の効率化に抄録誌や文献データベースを活用しましょう。…

How to Conduct an Impactful Original Research Study

Importance of original research Writing tips for an impactful paper Article discoverability and visibility Measuring…

AI研究の現状と日本のAI戦略

いつの世も技術の発展は科学研究の飛躍的な進歩を後押ししてきました。AI(人工知能)の進歩も見逃せません。近年は世界中、あらゆる分野でAIの導入が進んでいますが、昨年のConsultancy.asiaの記事(記事へのリンクは後述)に、日本企業のAI導入が米中より抜きん出ていると掲載されていました。とはいえ、一方では日本全体のIT化の遅れの深刻さが指摘されています。今回は、日本政府のAI戦略も含めてAI研究の現状を探ってみました。 AIツールの浸透が学術研究を後押し 今やAIツールは研究活動に不可欠な存在となっています。研究者自身が膨大なデータを分析するために四苦八苦するのではなく、AIを含めた新しい技術を駆使することにより、効率良く研究を推進し、科学研究のさらなる発展と新たなレベルへの引き上げにつながっているのです。具体例を挙げれば、研究論文発表数が急増し、年100万本近い論文が発表されているとも言われる中、研究者は効率良く文献を検索するために検索機能を活用しています。膨大な情報(論文)の中から必要な情報を検索、フィルタリング、コンテンツの抽出を行うことを可能とするAIを搭載した最先端のツールの利用は、もはや必須となっています。研究に関連するキーワードなどを入力するだけで関連する論文を見つけ、さらにその論文の著者の他の論文まで検索できる機能は、研究効率を上げるのに大いに役だっているのです。 学術出版側にとってもAIは力を発揮しています。ツールを使い査読段階で論文に盗用・剽窃などの不正がないかを検出することが可能となっています。AIツールは人間のようなバイアスを受けにくいので、データを読み込ませて有益な結果を探し出すような客観的な分析・検出を行うにも適しています。 このようなAIツールの助けにより、研究者は研究のより本質的な部分に注力することができる時代となりました。多くの研究者が文献調査や検索などの単純作業に要していた時間を研究に費やし、生産性を向上させることができるようになっています。技術革新によって生まれたAIが、さらなる発見、イノベーションの発展につながるだけでなく、研究プロセス自体の底上げ、スピードアップを可能にしているのです。 社会生活にも浸透するAI AIを利用した研究成果は、さまざまな分野における新しいサービスとなって展開されています。この点では、企業の高い技術開発力も鍵となっています。画像認識・画像分析、音声認識、自然言語処理・機械翻訳、ビッグデータ解析などは、すでに日常生活に浸透しており、企業はさらなる開発を進めています。昨今話題の自動運転システムには画像認識の技術が、iPhoneのSiriやAmazonのAlexaなどの音声アシスタントには音声認識の技術が活用されています。コロナ感染拡大防止の緊急事態宣言下での外出状況把握は、通信会社がスマホの膨大な位置情報データを分析したものです。AIの利用は急速に拡大しており、これからも新たな活用法や事例が生み出されることでしょう。 日本のAI導入が米中を凌ぐ?! 2020年10月にConsultancy.asiaに掲載された記事には、米中と比較しても日本企業のAI導入がかなり進んでいると書かれています。これは米国に拠点を置く調査会社ESI ThoughtLabがコンサルティング会社などと共に15カ国、1,000社以上の企業を対象に行った調査をまとめたものです。マイクロソフト、グーグル、その他のシリコンバレー企業の躍進により、アメリカがリードしていると見られるのが一般的ですが、その米国をも凌ぎ日本がAI導入においてトップに立っていることが驚きと共に示されています。順位としては日本がトップ(24%)で、米国、英国、シンガポールが同列二位(18%)で続いています。AIの推進は日本が目指すSociety5.0(ソサエティ5.0)の中核を成すものであることから、AI導入を後押しする日本政府の姿勢もこの結果に影響していると見ています。また、日本企業がリターンを生み出すのに時間を要する、つまり現時点ではまだ投資収益率(ROI)の低いAIに対しても投資をする流動性を有していることにも注目しており、いくつかの要因が重なって日本のAI導入率が高くなったと記しています。実際、世界中のあらゆるAIへの投資の40%は利益を得るまでに至らず、利益が得られたとしてもその数は少なく平均で1%程度しかありません。AIはツールなので、導入規模が大きくなればそのメリットは高まり、ROIを引き上げることが可能とはいえ、企業がAI投資の元を取るには平均で17ヶ月を要するのが一般的としています。 この調査では上位に位置づけた日本ですが、コロナ対策において日本の現代社会の構造的な弱さ、デジタル化・IT化の遅れが露呈することとなりました。では、日本のAI戦略、Society5.0とはどのようなものなのでしょうか。 日本のAI戦略 日本政府は、日本が目指すべき未来社会の姿として「Society5.0」を提唱しています。これは、AIや5Gなどの最新技術を活用することで便利な社会を実現し、人々が快適に暮らせるようにすることを目的とするものです。サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させるシステムを構築し、経済発展と社会的課題の解決を両立させることを目指すSociety5.0の実現には、技術基盤となるAIの研究開発および投資の推進が必要です。そこで政府は、2019年6月にAI政策における基本方針「AI戦略2019」を公表しました。この戦略は、AIの多様性と可能性を認識した上で、今後のAIの利活用の環境整備・方策を示すものであり、基本理念として①人間の尊厳が尊重される社会、②多様な背景を持つ人々が多様な幸せを追求できる社会(インクルージョン)、③持続性ある社会の3つを定め、そのもとに「人材の育成」「産業競争力の強化実現」「技術体系の確立」「国際的なネットワーク構築」の4つの戦略目標を定めています。 Society5.0の実現には、研究開発、データ、人材という3つの要素が不可欠ですが、日本も他の国々と同様、AI関連技術の専門技能を有する人材の不足という課題を抱えています。長期的には、学校教育にプログラミングを導入するなどの教育制度改革や、学習環境作り(ネットワークインフラの整備やタブレット端末の配布など)、既存の労働力の活用を促進しようとしています。Society5.0の社会が新技術を活用して都市や地域の抱える社会課題を解決し、自然との共生を目指す持続可能な社会を目指すものであることから、国連が採択したSDGsの達成にも貢献するとして、官民を含む多くの機関や企業が取り組んでいます。 Society5.0の実現に向けて、安心してAIが活用できるようにするための原則の整備やプライバシー保護、セキュリティ対策が急務であるとともに、技術開発に必要なリソース(資金・人材)の投入、研究開発の拠点となる大学や研究機関の研究力再生が急がれています。…

サイテーションインデックス(引用検索)SCIE

クラリベイトの提供するScience Citation Index(SCI)とScience Citation Index Expanded(SCIE)は同じなのか違うのか?何が違うのか?という疑問が寄せられたので、この2つについて見てみます。 SCIとSCIE Science Citation Index(SCI)は、もともとInstitute for Scientific Information (ISI)によって作成され、現在はクラリベイト(旧トムソン・ロイター)によって管理されている科学技術分野のサイテーションインデックス(引用索引)で、学術界の実績評価基準として活用されてきました。 Science…

盗用・剽窃チェックツール iThenticate を使いこなそう

今回は特別に盗用・剽窃チェックツールiThenticate(アイセンティケイト)の専門チームによる解説をお届けします。 iThenticateは、影響力の高い学術雑誌(ジャーナル)の93%をカバーしており、その数は約7千万本の購読契約、1.3億本以上のオープンアクセスで公開されている学術論文や著作物に及びます(2020年12月時点)。さらに700億以上の現在公開中およびアーカイブ済のウェブページも網羅する膨大なデータベースと照合することで、盗用や剽窃の可能性を検証するオンラインツールです。研究論文や書籍だけでなく、ネット上の情報まで網羅的に検索することで、投稿論文の独自性を検証することができます。研究者は、iThenticateを使って盗用や剽窃と見なされるような記載がないかを事前に確認することができるので、出版できるかできないか先の不安な出版プロセスにも自信をもって望むことができます。学術出版において、いかにiThenticateが有用かをみていきましょう。 学術研究者には今でも「Publish or Perish(出版か死か)」のプレッシャーが重くのしかかっています。研究者としての評価やキャリアを進めるかどうかの見極めは、論文出版能力に大きく依存していると言っても過言ではありません。しかし、学術出版のプロセスはとても複雑で、出版できる見込みは不透明な上、出版にはリスクも伴います。些細なミスが、研究者のキャリアに大きな汚点となったり、研究者個人だけでなく所属大学または研究機関の評判を落としかねないことになったり、あるいは研究資金の調達に影響を及ぼすことも考えられるのです。 2020年は、コロナ禍で研究活動が停滞していたとはいえ、多くの政府出資および民間財団による研究資金の提供は継続されています。オープンアクセスの広がりにより研究者が論文を出版できるチャンスは増えるとも言えますが、論文数の増加スピードに追いつくほどではないことを踏まえれば、学術出版における競争は厳しくなると予想されます。実際、科学技術振興機構(JST)の経営企画部エビデンス分析室が行っている分析で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の関連論文数の発表件数が2020年1月以降急増し、年後半になっても依然として増加傾向にあること、さらに論文引用数も増え続けていることが判明したと発表されました。今後も発表論文数はますます増えていくことでしょう。 このような状況の中で学術論文を発表する研究者は、研究作業の初期の段階からあらゆる手段を使って投稿論文が盗用や剽窃となってしまう可能性を排除し、自分の研究成果が分野に貢献できるように努めなければなりません。そこで活用すべきものが、盗用・剽窃チェックツールです。 世界中の研究者が自分の研究の独自性を検証するためにiThenticateを信頼し、利用しているのには理由があります。 大手出版社が標準的なスクリーニングと査読プロセスでiThenticateを利用している。 研究者にとって、大手学術出版社のElsevier(エルゼビア)、Taylor & Francis、Nature、Springer(シュプリンガー)、Wiley-Blackwellや、学位論文のデータベースProQuest Dissertations and Theses(PQDT)、などが採用しているのと同じツールを利用することで、同じコンテンツにアクセスできることのメリットは大きい。…

学術ジャーナルの検索データベースを使いこなそう

共同学術研究や分野をまたいだ研究が増えるにつれ、世界中で行われている重要な研究が迅速に利用できるようになることが求められる中、学術データベースの利便性への要求が高まってきました。論文や学術雑誌(ジャーナル)を探したい研究者は効率よく検索したいと思いますし、研究論文を発表しようとしている研究者は、認知度の高いジャーナル、あるいは自分の研究内容に最適なジャーナルを探し出したいと思っています。主要なデータベースにはインデックス(索引)が付与され、検索しやすいようになっていますが、インデックスの付け方はジャーナルの信頼性、拡散力、評価にとって重要であり、最終的にはそのジャーナルの影響度を示すIF(インパクトファクター)だけでなくそのジャーナルに掲載されている論文の引用率などにも影響を及ぼすことになります。 インデックスの重要性 インデックスとは、収録されている多数の論文から特定の対象を素早く探し出すための識別情報などを固有の原則やルールに従って付与するものです。一般的には、データベース固有の基準やルールに準拠したインデックス化が行われ、特定の機関や出版社が慎重な情報収集・整理の後に選出したジャーナルにインデックスを付与した後にデータベースに収録されます。インデックスは、出版倫理を維持し、論文の信頼性、可視性を高め、さらに読者数を増やす助けとなります。インデックスを付与されPubMed、Scopus(エルゼビア)、Web of Science(クラリベイト)、EBSCO、Google Scholarといった評判の高いデータベースに収録された論文・ジャーナルは、幅広い読者に読まれ、影響力を高めることができるのです。 Institute for Scientific Information (ISI) が学術雑誌に関する最初のサイテーションインデックス Science Citation Index…

コロナ禍での研究再開に向けたチェックリスト

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるパンデミックは、学術界に予期せぬ大混乱をもたらし、学術出版システムや実験室における作業プロセスは大きな変更を余儀なくされました。世界は徐々にこの状態に適応しつつあり、研究活動も再開され始めています。しかし、感染を防ぐために物理的な距離をとらなければならないならない中、研究者の間の競争力を保ちながら、研究の生産性を維持することについて懸念が高まっている状況です。研究および研究室の管理に関するあらゆる物事を喫緊に再考する必要性に迫られていると言っても過言ではありません。 COVID-19パンデミックの状況下でも研究室での作業を続けていますか?もしくは、自宅待機で研究が中断したままですか?エナゴはパンデミックにおける研究室の再開と機能についての世界的な調査「Enago Global Survey on Research Labs」を行っています(期日2021年1月31日まで)。回答所要時間は3-5分程度ですので、よろしければご参加下さい。 前例のない中断状況から円滑に研究活動を再開させたいと考えているのであれば、この記事の下部に掲載したチェックリストを参照して準備を進めることをお勧めします。研究再開に向けた前向きな計画を立てるのに役立つとともに、COVID-19パンデミック対策にも役立つことでしょう。 あなたの研究室はコロナ禍でも働ける環境ですか? 研究者は自分の研究室に戻って研究を再開したいと切望していることでしょう。出勤時間をずらした作業スケジュールを組むなどして段階的な再開に向けた検討を進めている研究室もあります。研究室での作業を再開するには、十分なスペースが確保された上で、安全基準に準拠していることが重要です。 まず、重要度や状況に応じて優先すべき研究や実験を特定することが不可欠です。指導教官とシニアラボマネージャーらは、研究業務のどの作業が自宅からでも効率的にできるかを慎重に評価しなければなりません。作業を振り分けることによって、社会的距離(ソーシャルディスタンス)を保ちつつ、自宅では作業できない研究者が研究室で作業できるようにします。研究責任者(PI)は、久々に研究室での作業を再開する際に感じるかもしれないストレスや不安を念頭におきつつ、作業スケジュールを決めていく必要があります。コロナ禍のような不確実な状況下では、研究メンバーやスタッフの減少による遅延を防ぐためにも慎重に研究計画を作成しておくことが重要です。また、ラボマネージャーは、研究室のメンバーが必要に応じてサポートを受けられるように、メンバーが担当する作業やクロストレーニング(研究スキルを高めるための補助的なトレーニング)の割り当てを再考慮することが求められるかもしれません。 さらに、ロックダウンや移動制限処置がサプライチェーンにも多大な影響を及ぼしていることにも注意しておかなければなりません。特に、医学やヘルスケア関連の研究は厳しい状況に置かれているかもしれません。入手が難しくなる試薬や消毒薬、個人用保護具(PPE)といった消耗品、そのほかの実験機器を計画的に入手することが賢明です。 研究者は、予期せぬ緊急事態によって再び研究室での作業実施に規制がかかる場合に備えて、あらゆる研究再開手順をどちらの状態にも対応できるように心に留めておくべきでしょう。 パンデミックの渦中で作業を行う研究者のための予防策 コロナウイルスは感染力が高いため、感染が収まらない現状では研究室および研究者を感染から守り、安全を確保することが最優先です。そのためには、研究従事者全員が、感染の拡大リスクを最小限に留め、表面汚染を防ぐための処置を慎重に講じる必要があります。研究室に入室する前にコロナ感染リスクに関する適切な自己評価を行うことで、自身と同僚の安全を守らなければなりません。…