研究出版における査読の課題と未来 IOP Publishing、Taylor & Francis、Wileyの専門家を招いて
プレプリントとオープン査読 査読におけるAIツールの使用 AI統合の倫理的課題 査読経験の浅い若手研究者へのアドバイス
プレプリントとオープン査読 査読におけるAIツールの使用 AI統合の倫理的課題 査読経験の浅い若手研究者へのアドバイス
Boosting the reviewing process Search strategies for locating articles Introducing ‘Review Assistant’ Generating high-quality review…
査読は論文と学術雑誌(ジャーナル)の質を保証するためのきわめて重要なプロセスです。査読の目的は、著者に対して論文の採択可否とその根拠をコメント・論評の形式で提供することにあります。慎重に考察し、明解で建設的、かつ親しみやすいフィードバックができると、著者の研究の質を高め、独自性を保証する手助けになり、何よりも著者のキャリアアップにもつながります。ここでは、著者にとって有益なフィードバックをするためのポイントを5つご紹介します。 1. 丁寧に伝える まず、査読を行う上での大前提として、著者には論文を意欲的に執筆してもらう必要があります。研究者は、自分の書いた論文に対する有益なフィードバックと適正な評価を望んでいます。よって、査読者からのコメントは、前向きで、研究者が意欲的に論文を修正し、研究を推進させるために役立つものであるべきです。まずその原稿の良い点を見つけ、その後に不十分な点を丁寧に指摘するのがよいでしょう。研究者がフィードバックを読むことで、修正するために必要なステップがわかる書き方が望まれます。 2. 具体的なアドバイスを行う 次に、研究者へのフィードバックは具体的であるべきです。コメントには、根拠や具体例、改善のための提案を含めるようにしてください。査読には、専門家としての明解な分析が求められます。論文をじっくりと読みこみ、研究成果の強み、重要性、論文の簡潔さ、一貫性を検証してください。そして、検証の結果、必要と判断した改善点を一覧化し、具体的なアドバイスに落とし込んでください。 3. 推測で行動しない 査読依頼を受けたら、プロフェッショナルとして、研究者に論文を改善してもらうための建設的な論評を行うことが求められます。初めて査読を行う若手の研究者の場合、自分の指導者や抄読会の仲間、オンラインのガイドラインから査読の審査方法を学ぼうとするケースが見られます。それらが悪いということではありませんが、まずは査読依頼状をしっかり読み、納期と指示を細部まで確認するようにしてください。これから査読を行う研究者に向けたガイドラインも入手可能ですので、それらを参照するのもよいでしょう。 査読のプロセスは、論文を精読することと適切なコメントを書くことに分けられます。両方が終わったら対象の学術雑誌などが提供している査読チェックリスト(PLOS Peer Review Checklistなど)を参照し、求められている一般的な基準を満たしているかを確認します。 4.…
研究成果を論文にして発表し、成果を示したい研究者にとって、論文の査読は避けられない関門です。しかし、査読システムはスピード(時間がかかる)、公平性(専門分野が同じ競合相手の審査へのバイアス)、信頼性(捏造や剽窃などの不正を見抜けない)などの問題を抱えています。最近ではオープンアクセスの拡大に伴い、査読前の原稿(プレプリント)を公開する研究者が増えているものの、査読の必要性は広く認識されており、査読システムの改善が求められています。実際、近年の学術出版界は大きな変革の波にさらされています。そんな中、査読システムはどのように変わっていくのか?5月にBioMed Central社とDigital Science社が発表した、将来の査読の方向性を論じた報告を紹介します。 ■ 査読システムの問題 「半年近く前に投稿した論文の査読結果がやっと返ってきたと思ったら修正を求められまして、公開には至りませんでした。指摘された修正を加えている間に、競合の研究所の研究者が類似の内容を発表してしまい、よく見たらその著者は、自分の論文の査読者の一人だったのです」 査読者が、自身が執筆した論文を先に出版するために意図的に査読を長引かせた上に修正を求めたのだとしたら、研究倫理にもとる上、査読規定にも反する話です。発表前の研究論文を審査する査読には、内容を判断する専門知識とは別に、厳しい倫理感と公平性が求められるのです。 さらに、査読プロセスにも問題があるようです。人より早くよい成果を発表する必要に迫られている多くの研究者は、査読に時間がかかることを不満に思っています。また、インターネット検索が一般化し、画像も含む論文のデジタル化が進む近年は、未許可のコピー&ペーストによる盗用・剽窃などを査読段階で見つけきれないことも問題視されています。 これらの査読システムの問題は今後どう改善されていくのか、また、研究者はどうすれば確かな公平性のもとで査読を受けることができるのかが注目されています。 ■ 査読の今後を探る BioMed Central社とDigital Science社は2017年5月に、将来の査読の方向性を示した報告書「2030年の査読はどうなるか?(仮題、原題:What might peer review…