ChatGPTを活用してライティングを上達させる
オーストラリア国立大学(ANU)のインガー・ミューバーン教授のコラム「研究室の荒波にもまれて(THE THESIS WHISPERER)」。今回は、ChatGPTを活用して、研究や論文執筆を効率化する方法について解説します。 私はこれから3ヶ月間のサバティカルに入るので、ニューロダイバーシティ(脳の多様性)とPhD研究に関する文献レビューを書くと約束してしまいました。ぶっちゃけ、文献レビューを書くのは嫌いです。ほとんどの学術論文は退屈で、大規模なレビューをするということは、たくさんの論文を読むことを意味するからです。3ヶ月で200本以上の論文を読むと思うと、ペンで自分の目を突き刺したくなります。 しかしありがたいことに、このレビュー執筆にChatGPTを役立てることができます。ChatGPTをめぐっては多くの人々が「モラルパニック」を起こしている様子で、私の双子の妹は愛着を込めて「チャッティー君*」(*原文ではChattieG)と呼んでいます。誤情報の危険性や学生の不正行為を阻止する方法について、私たちはよく耳にしています。ChatGPTにまつわるプライバシーや環境負荷、労働者の搾取などについて正当な懸念がある一方で、多くの論評は的外れなものだと私は思っています。 研究者には、これらのツールを創造的かつ倫理的に使用する方法を学生を含む他の人々に対して示す責任があるのです。億万長者主義的な後期資本主義のもとでは倫理的な消費はありえず、テクノロジーの使用について葛藤を感じるのは自然なことです。私たちは、この技術がどのように作られ、どのように使われているかについて批判的な目を向け続けるべきですが、関わりを持たないという選択肢は現実的ではありません。魔神がランプから出てきてしまった今、私たち自身がこのテクノロジーを使いこなさなければ、私たちの仕事は本当にロボットに奪われてしまうのです。 さて、高みの見物はこれぐらいにして、本題に入りましょう。 ChatGPTを本当に使いこなすには、かなり時間がかかりました。この記事の残りの部分は、私がこれまでに学んだことを記録したものですが、私のやり方を踏襲する前に、ご自身の大学にも確認してみてください。ANUからの声明は漠然としたもので、使い方を探ってみることを認めていますが、異なるスタンスの大学もあります。 大まかに言うと、ChatGPTを使用する上で最良の方法は、それが、才能はあるものの惑わされやすく、性差別や人種差別やその他の種類の「イズム」など、悲しい傾向を持つインターン/研究助手であると想定して使うことです。 このような欠点を持つ人間に対するのと同様に指示出しすれば、より良い結果を得ることができるのです。また、これは変な話ですが、ChatGPTに人間の顔を持たせることも役立ちます。AI画像生成ツールDALL・Eに「メガネをかけたキュートでスマートなインターン」と入力すると、こんな感じになりました。 もちろん、「キュートでスマート」と言えば、白人の若者になりますね(まったく!)。この画像は、あらゆる種類のAIツールに度し難く組み込まれているであろうバイアスを、いい意味で浮彫りにしてくれます。さて、文献レビューにどのように役立つのか、見ていきましょう。 ブレインストーミング ChatGPTにアイデアを提案してもらうことができます。ChatGPTはデタラメの源泉になることもありますが、それ以上に問題なのは、アイデアが退屈でありふれたものになりがちなことです。退屈であることは悪いことばかりではありません。事実を確認したり、まやかしを打ち壊したりするための出発点になることもあるのです。 私の基本的なプロジェクトの題材「非定型発達脳の博士学生をよりよくサポートするために指導教官や大学ができること」、というテーマについてどのようなアイデアを出してくれるか見てみましょう。 プロンプト:…