学術関連の仕事

英文カバーレター で抑えておくべき5つのポイント

研究職への就職は狭き門です。選考に残るには、研究職に応募する際に効果的なカバーレター(添え状)を付けて、自分と同等もしくは同等以上の業績があるライバルの中で自分の応募書類を際立たせる必要があります。研究職向けのカバーレターの書き方は、一般的な職種向けのものとは大きく異なります。研究職の採用担当者は、応募者の学力面の適正や業績とともに、研究の哲学的基盤により高い関心を持っています。この記事では、印象的なカバーレターを書く際に抑えておくべき5つのポイントを紹介します。 https://www.youtube.com/watch?v=sEaPgybLkcs   研究職の応募書類に付けるカバーレターで伝えること そもそもカバーレターとは応募書類を提出する際に付ける書類です。採用担当者が応募書類を見る際に、履歴書や職務経歴書よりも先に目にすることになるので、印象的なカバーレターで熱意をアピールし、書類選考を進めてもらうことは大切です。書類選考を通過しなければ面接の機会も得られませんので、最初に自分をアピールするひとつの材料としてカバーレターを活用するのが良いでしょう。まず、カバーレターで何を伝えるべきかを整理しておきます。 1. 研究者としての自分の紹介 2. その職に応募している理由 3. その職で活かせる自分の能力と経験 カバーレターには、採用者が応募者の人柄とその職に対する熱意を判断する助けとなる情報を簡潔にまとめておき、興味を持って応募書類を見てもらうようにすることが大切です。 研究職向けの英文カバーレターに書くべきこと カバーレターは、そこに何を書くか、どのような職務に応募するかによって変わってきますが、自分の採用を勧める主な理由を効果的に示すのに鍵となる要素は変わりません。カバーレターは、首尾一貫した形式で作成する必要があります。自分に関する情報が採用担当者に分かりやすく伝わるように整理しましょう。その職に必要な能力を自分が有していることを理路整然と示せれば、良いカバーレターであると言えます。 研究職向けの英文カバーレターにおいて、採用者が求める情報を提供しつつ自分の能力をアピールする際、以下の7つの項目に注意を払うようにしましょう。…

How to Become a Research-Inspired Entrepreneur

A researcher acquires diverse transferrable skills through their Ph.D. and postdoctoral fellowship positions. Researchers, who…

研究室の主宰者(PI)への道

Principal Investigator(PI)は、研究室の主宰者、研究室代表、研究責任者とも呼ばれますが、独立した研究室を持ち、研究の実施から研究室(または研究グループ)の予算管理までを担う責任者のことです。多くの研究者がPIを目指して日々研究に励んでいますが、終身雇用にもつながる可能性のあるPIとなるのに必要なのはどのような行動でしょうか。 あるポスドク(博士研究員)のAさんの経験談から見てみましょう。 PIへの道のりは長く…… AさんはPIになって自分の研究室を率いて研究プロジェクトに取り組むことを夢見ていました。PIになれば、自分の研究を率い、その分野で名を馳せることもできると思ったのです。Aさんは、テニュアトラック*に乗って職位をつかむべく、ポスドクとして3か所で勤務し、何年もキャリアアップにつながると思われた仕事に従事してきました。しかし、それでもPIに手が届かず、失望とともに将来への不安を感じています。しかも周囲を見まわすと同じような状況にいる研究者がたくさんおり、なかなかテニュアトラック制度になる望みがかなわず、ポスドク職を渡り歩いています。 一般的なアドバイス なぜPIになるのが難しいのでしょうか。研究者が能力不足なのではなく、競争率が高すぎるのです。Aさんはテニュアトラックに乗るために必要なアドバイスを聞いてみましたが、耳に入ってきたのは予想した通り、ポスドクがよく聞く一般的な内容でした。 1. 人脈を作る:自分の研究分野のできるだけ多くの人と話し、そして協力しあう。 2. 論文を発表する:研究に励み、実験を行い、データを集め、論文を執筆・発表する。 本当に役立つアドバイス もっと有用な情報を得るため、Aさんはできるだけ多くのPIから直接話しを聞いて、その結果を自分なりに分析し、PIになるためにすべきことをまとめてみました。その結果分かったことは、熱心に研究して論文発表や学会発表をし、学生を指導するだけでは十分ではないということです。研究者としての根本的な活動に加え、早い時期からPIであるかのような動き方をする必要があるのです。Aさんは優秀な研究者です。研究室で長時間実験を行い、データを収集し、PIに進捗と課題を適宜報告していました。しかし、その状況から一歩も踏み出すことはなく、研究助手のような働きに終始してきてしまいました。いきなり新しい研究室に入って、そこで主導権を取れとAさんに言うつもりはありませんが、Aさんは自分の研究プロジェクト(そして自分の経歴)にもっと主体的に取り組むべきでした。そのことも踏まえたアドバイスが以下になります。 着実に研究を進め論拠を固める:科学者として当然、自分の仮説を立証する証拠が、しかも多くの証拠が求められます。データの批判的な解析も必要ですが、そればかりに偏ってもいけません。一定の結論を示すデータがあり、それを支える統計が得られたら、発表すべきです。確かな論拠をもとに、着実に研究を進めるのです。 主体的に取り組む:PIの研究助手の立場に甘んじていてはいけません。自分の研究では主体性を発揮すべきです。他者からの問いかけを待つのではなく、また安易にPIに回答を求めるのではなく、自問自答しながら研究を進めるようにします。自分で自由にできる研究資材などがなければ判断が難しいとはいえ、あらゆる物事についてPIの判断や指導を仰ぐのではなく、自分で考えることが大切です。PIになったら、指導者の助けなしに、研究プロジェクトを管理していくことが求められるわけですから、それを念頭に主体的に研究に取り組むよう心がけます。…

悩ましい進路-ポスドクか就職か

博士号の取得者にとって、学術研究を追求する研究者としてのキャリアを選ぶか、一般的な企業への就職を選ぶか――進路は悩ましい問題です。今回は、進路の悩みを巡って、考えるべき点を洗い出してみます。 ポスドクが直面する現実 博士課程終了後、その延長でポスドクになることを選択肢と考える人もいるでしょう。しかし、誰もがポスドクになれるわけでも、ポスドクになれば安泰というわけでもありません。ポスドクとは、博士号取得後に任期制の職に就いている研究者ですが、大学や研究機関によって契約内容や将来性はさまざまです。ポスドク自体を不要とする分野もあり、ポスドクの枠自体が減少するに伴い、椅子取り争いは激しくなっています。さらに、研究資金の制約が主な原因で、多くの大学はポスドクの在籍期間に上限を設け始めています。任期付である以上、業績があげられなければ任期切れとともに雇い止めとなることも予想され、次の仕事が見つかる保証もありません。先の見えない不安定な身分で研究を続けなければならないのです。その上、かつてはポスドク経験者のほとんどが研究職に就くことができましたが、最近では事情が変わり、ポスドクの任期を終えてからの職探しに苦労する人が増えています。 日本では、科学技術の振興を目指した国の方針に基づき、1996年から2000年にかけて押し進められた「ポスドク1万人計画」を受け、大学や大学院が大幅に定員を増やしたのに伴い、博士課程に進む人が急増したことがあります。しかし、博士課程修了者の受け入れ先ポストは増えなかったため、多くの博士課程修了者が就職できない事態に陥ってしまいました。こうした背景は、博士号取得者および博士課程への進学にも影響を及ぼしたと見られ、文科省の研究グループが2019年4月に発表した資料によると、2013年度の日本の博士号取得者数は100万人当たり121人と、他国と比較して少なく、博士課程への入学者は2003年をピークに減少傾向となっています。 日本以外ではポスドクは終身ポスト獲得に有利 ポスドクが任期付きではない正規の研究職または教職に就くまでの準備(トレーニング)期間との考えが定着している欧米では、事情が異なります。米国では、ポスドクの多くが学術機関での職を得ており、その率は少なくとも75%に達している(2013年)とされています。現在“tenure track(テニュアトラック)” ポジションにいる、あるいはすでにテニュアを取っている研究者への聞き取りを行ったところ、回答者の70%が現在のポストを獲得するためにはポスドクとして経験を積むことが「必要だった」か「経験していることが望ましい」と答えています。このテニュアトラック制度とは、一定の任期中に行われる厳しい審査に合格すれば雇用保障(終身雇用)が与えられる制度であり、米国ではテニュアトラック制度が学問の自由を保障する制度と位置づけられています。研究者としてのキャリアパスが整備されていれば、ポスドクの期間中に、研究を深め、論文を発表し、人脈を作ることにも余裕が持てます。これらの経験すべてが将来のキャリアにつながるのです。 日本でも、文科省が「テニュアトラック普及・定着事業」を進めており、終身雇用への道を開く制度と期待されていますが、ポスドクの雇用環境問題の改善にはまだまだ課題が多そうです。 研究職に残るか、学外に就職するか 文科省の科学技術・学術政策研究所の「ポストドクター等の雇用・進路に関する調査(2015年度実績)」によると、ポスドクを継続して国内の大学や研究機関で研究活動に従事していたのは11,118人(69.9%)、教員などに職種変更したのは4,536人(28.5%)でした。この調査からは、2015 年度におけるポストドクター等の延べ人数は 15,910 人、前回調査(2012 年度、16,170…

学術界以外での就職先候補

博士号を取得しても、学術界以外での就職を考える人たちは少なくありません。その背景は、研究や教職を一生の仕事にする気になれない、研究職を続けるのは現実的に厳しい、実業界で働きたい、自分の経験とアイデアで起業したいなど多様でしょう。博士号を取得した学生の就職を支援するFindAUniversityが運営するサイト「FindAPhD」に掲載された英国における最近の調査では、博士課程の学生の80%が、研究職を一生の仕事にするのは難しいと考えていると報告されています。とはいえ、学術界以外の就職先を選ぶ場合、どのような就職先を考えるかは大きな問題です。そこで、学術界以外での就職を目指す博士号取得者が 就職先候補 を検討するにあたって、参考になる情報を紹介します。 他でも使える博士課程で身につけたスキル 就職先候補を考えるにあたって、自分のスキル(能力)を振り返って見ましょう。博士号取得までに身に着けたスキルは、他でも十分に活用できます。その例をいくつか挙げてみます。 データ分析力:複雑なデータを解析し、解釈する力 問題解決力:実験などの課題に取り組み、その過程で幾多の問題に取り組んできた経験と解決力 発表力:学会などの成果発表で培った能力 執筆力:文章を書き、論文や書籍などの出版物としてまとめる力 遂行能力:最小限の助力で大きな仕事をやり遂げる力 企画・運営力:学会などのイベントを企画・運営する力 協調力:共同研究やチームでの論文執筆などで、国籍や経歴も異なる研究者と協力して仕事をすすめた経験と、それを可能にした協調力 理系学生の就職先候補 上に挙げたような能力・経験を生かせる就職先は数多くあります。特に、理系学生の場合、専攻学問よりも広い視野で職種を考えてみるとよいでしょう。ここでは、候補に成り得る一般的な職種を紹介し、それらの特徴やその職種が求められる業種を例示します。 研究開発(R&D):学術研究の経験は、産業界での研究開発職にもそのまま生かせます。業種としては医薬品製造業などが挙げられます。…

ポスドクからのキャリアチェンジを考える

せっかく苦学を経て博士課程を修了しても、そのまま研究者となれるか、あるいは学術研究に携わることのできる人はわずか。ポスドクのキャリアパスが不透明になっている時代、幅広いキャリア選択を視野に入れることが必要となっています。 ■ 学術研究が選択肢のひとつになる時代 研究職を続けたいと願うポスドクの前に、厳しい現実が立ちはだかります。削減される研究費予算、限られた助成金、先の見えない微妙な立場……ポスドクは研究者としての地位を築くための通過点ですが、教授クラスに到達できるのはほんの一握り。欧米では、ポスドクは正規の研究職に就く前のトレーニング期間として認識されていますが、日本では、ポスドクのキャリアパスが整っているとはいえない状況です。研究職のポストは限られており、研究職につけたとしても採用は任期付きであることが多く、高齢ポスドク(一般的に35歳以上とされる)の就職難などの問題につながっています。この状況を打破すべく、民間企業への就職も含めたキャリアパスを検討することになるわけですが、研究を継続することがひとつの選択肢と考えざるを得ないご時世なのです。文部科学省は「大学院修了者のキャリアパスの確保と可視化の推進」を含む「第3次大学院教育振興施策」を2016年に策定し(平成28年度からの5年間)、取り組みを進めていますが、研究者自身にも多様なキャリアパスの可能性を探る努力が求められています。 少し古いものですが科学技術・学術政策研究所が2014年に発表した研究によると、正規雇用の仕事(常勤・任期なし)に移ったポスドクの割合は、男女平均わずか6.3%と、正規雇用への移行率が極めて低いことが見て取れます。確かに、すべての民間企業がポスドクの採用に積極的とは言えませんが、一部の分野や業界ではポスドクのニーズが高まりつつあり、国や大学・大学院、さらには民間の採用支援企業などもポスドクの就職支援に乗り出しています。 ■ プロダクトマネジメントという選択 民間企業で働くことを考えたとき、どのような職種がポスドクに向いているのか、どのような職種が選ばれているのか気になるところです。Springer Nature社が運営する科学技術関連の求人情報やイベントなどを提供するサイト「NatureJobs」に紹介された記事に、PhDやポスドクの経験が役立つ職としてプロダクトマネジメンへの転職が紹介されています。 プロダクトマネジメントという職種は、アメリカの求人検索情報サイトを運営するグラスドア社が選んだ「人気職業トップ50」の9位にランクインする職です。業務内容としては、「製品、製品ライン、あるいは製品ポートフォリオのレベルでのビジネスマネジメント」であるとされ、生産プロセスに関わる一連のフローを組立てていく仕事だと言えます。コスト、生産体制、フローなどにつき最善の方法を提案・確認しつつ仕事を進める――と言われれば、研究課題を考え、研究予算の枠内で実験を計画し、成果としての論文作成を進めるのと似ているような気がしませんか。 一般的に、企業が顧客に提供する「プロダクト」には有形無形のものが含まれており、日本語の「製品」よりも広い意味でとらえるようです。そして、プロダクトマネジメントで重要視されるのが、ビジネスマネジメント。製品品質よりも広い範囲をカバーすることになるので、顧客または市場のニーズや課題を捉え、革新的な商品やサービスを作り出すことに携ることになります。つまり、プロダクトマネジメントとは、企業が生産し、販売するプロダクト開発の上流から下流まで体系的に整理し、責任を持つことと言えるのです。 ■ プロダクトマネージャーに求められるスキル プロダクトマネジメントには、新しいこと(機能)を考え出し、実現するための手段を考えつつ、コストにも注意しながら成果を出すためのスキルが求められます。PhDやポスドクは、これらのスキルを日々の学研生活で培っているはずです。チームで研究を進めた経験を有する研究者であれば、それまでの経験をプロダクトマネジメントの仕事に生かすことができるでしょう。さらに、課題に取り組む根気強さや、限られた予算や時間でプロジェクトを進めてきた経験も役に立つはずです。プロダクトマネジメントの仕事は、財務、運営、法務、品質管理、プロジェクト管理などさまざまな職務にわたります。そのため、プロダクトマネージャーには、考察力、論理的に物事を進める力、判断力、コミュニケーション力などのスキルが求められるのです。 しかし、いくら要求されるスキルを有していても、専門的な研究から企業での業務への移行は簡単ではありません。何より、ほとんどの研究職における成功は論理的かつ客観的なものですが、プロダクトマネジメントの成功は、多様な顧客の満足度と業績によって評価されるもので、評価基準が全く異なるのです。それでも博士課程で効率的な課題解決に向けて取り組んできた経験は、プロダクトマネジメントの業務でも生かされることでしょう。 ■ キャリアチェンジを成功させるための準備 専門的な知識、長年積み上げて来た経験を有する優秀な人材を目当てに、ポスドクの採用を検討する企業が増えてきているとはいえ、キャリアチェンジがチャレンジであることは確かです。プロダクトマネジメントをひとつの選択肢として就職活動を行う際、留意しておくポイントを紹介しておきます。 1 マーケティングの基礎と財務の原則を学んでおく…

インパクトのあるCV(職務経歴書)のポイント

CV(職務経歴書)とは、ラテン語の”course of life”(人生の道筋)を意味する”Curriculum Vitae”の略語で、英語圏でよく使われていますが、米語圏では” Resume”を使うのが一般的なようです。ともに特別な書式はないので、自分なりに工夫して、わかりやすく、伝えたい事項を逃さずにまとめることが大切です。CVは、研究者が「夢の仕事」をつかむための最初のステップであり、今日の競争社会においてインパクトのあるCVが書けなければ、次のステップである面接に進むことができません。ここでは、選考に残るためのCVの書き方について考えてみます。 ■ 研究者のCVに必要なこと 学術研究者のCVは、一般的な(企業)転職用のCVとは異なる書き方をする必要があります。研究者のCVに書くべきことには、学歴、職歴、出版履歴だけでなく、研修実績、取得したスキルなどが挙げられます。特に、研究者のスキル、研究履歴、研究の実績は重要です。 研究者は、学術研究者として求められていること(以下) ・研究を遂行すること ・論文を出版し、研究の成果を発表すること ・学生を指導すること ・自身の研究に必要な助成金を獲得できること を理解し、自分にこれらの要求に応えられる能力があることを、CVで示さなければなりません。 ■ 効果的なCVを書くためのポイント では、効果的なCVを書くには、どのような点に注意すればよいのか見てみましょう。…

米国で働くのに必要なグリーンカード取得方法

研究者が母国以外で研究活動を続ける場合、当然ながら、その国の法律に従って居住権あるいは就労許可を得る必要があります。今回は米国(アメリカ)で研究者として働く(=給与を得て研究活動に従事する)ために必要な就労ビザとグリーンカードについて、概要をまとめてみます。 ■ 米国で働くには何が必要? 米国内で合法的に就労するには、就労ビザ、労働許可証(EDA)、または永住権(グリーンカード)のいずれかを取得する必要があります。 ・就労ビザ 就労内容によって種類が複数ありますが、雇用者による保証と、有効年数ごとの更新が必要です。 ・労働許可証(EDA) 米国に滞在している人に発行されるもので、滞在に必要なビザ(例えば就労ビザ保有者の同行家族用ビザ)を有していることが前提です。 ・永住権(グリーンカード) 外国人が米国に滞在する資格を証明するもので、これを取得すると就労する権利や社会保障など、米国市民と同等に近い権利を得ることができます。就労ビザと違って無期限、かつ雇用者に関わらず就労できます。 研究者が米国で研究職に就きたい場合、通常は大学や研究機関に雇用されて就労ビザ(H-1B:特殊技能職)を出してもらい、さらに長期で滞在したい、別の機関で研究を続けたい(転職したい)といった場合にはグリーンカードを申請する、という手順が必要になります。 ■ グリーンカードを取得する方法 米国の移民政策の影響などにより、グリーンカードの取得は年々難しくなっているのが現実です。それでもグリーンカードがあれば、就労ビザに制限されることなく研究に没頭できるため、研究者にとっては大きなメリットと言えるでしょう。 では実際に、研究者が米国市民権・移民局(US Citizenship and…

ポスドクのキャリアの傾向が明らかに

博士号を取得した若手研究者のキャリアパスを調査した研究が発表されました。この研究は、アメリカ国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部門である国立環境健康科学研究所(National Institute of Environmental Health Sciences:NIEHS)のTammy Collins博士のチームが構築した手法に基づいて行われたものです。15年以上にわたって集められた900名近いNIEHSのポスドクのキャリアパスを分類・調査した結果とはどのようなものだったのか、見ていきましょう。 ■ キャリアパスを可視化するための分類 まず、この研究では、生物医学関係の職を組織区分(JOB SECTOR)、職業区分(JOB TYPE)、職務内容(JOB SPECIFICS)に分類しています。…

博士課程修了者の仕事探しに役立つ求人サイト4選

博士課程終了後、そのまま研究者の道を歩むか、一般的な就職をするのかは人生における大きな分岐点です。日本国内でポスドクの仕事に就くのは狭き門であり、容易ではないことは確かです。しかし国外に目を向けると、そのチャンスは広がりそうです。今回は、博士課程修了者の仕事探しに役立つ検索サイトを紹介します。 ■ 日本の博士号取得者の就職状況 文部科学省が毎年行っている「学校基本調査(平成29年度版)」を見ると、博士課程修了者のうち就職者が占める割合は67.7%、そのうち正規採用が53.3%、非正規採用が14.4%となっています。進学も就職もしていない人も18.8%います。大卒(新卒)の就職者の割合が76.1%、うち正規採用率72.9%に比べると、博士課程修了者の数字はかなり低いと言えます。これは、日本では、企業が博士課程修了という学歴をあまり重視しない傾向があることや、相対的に受け皿が小さいことも影響していると思われます。せっかく専門知識と技術を習得しているのに、それを生かす場が少ないのは残念なことです。 一方で、海外には博士課程修了者をより評価する企業や、専門知識を持った研究者を探している研究機関などが多数あります。こうした国外の研究機関などに就職することを考えるのも一案なのです。 ■ 研究職向け求人サイト では海外で研究者向けの仕事を探すには、どうすればよいのでしょうか。多くが求人サイトを利用しており、ここでは代表的な4つを紹介します。 NatureJobs 「NatureJobs」は、Springer Nature社が運営する科学技術関連の求人情報やイベントなどを提供するサイトです。生物医科学、環境科学、科学技術、食品科学、化学といった分野の求人情報が掲載されています。新着情報の検索はもちろん、履歴書をアップロードしておくことができるので、求人を出している機関などに、登録したプロフィールを見てもらうこともできます。 この検索エンジンには世界中の求人情報が掲載されており、働きたい場所(国や都市)を選んで検索することが可能です。また条件を設定すれば、気になる求人情報を通知してもらうことも可能です。 NatureJobsの最新情報とブログ(News and Blog)の中には、Career toolkitとして、履歴書を書くときのコツや面接の心構えなどの就職活動をサポートする情報も掲載されています。登録しておけばNatureJobsからのニュースレターを受信することができるので、業界情報を知るのにも役立つでしょう。 ScienceCareers…

あなたにぴったりな職場は海外にもある!?

英会話の能力さえあれば、就職先の選択肢も世界へと広がっていきます。では、あなたに適した国は、どうやって探したらよいのでしょうか? ここでまず、じっくりとよく考えたいのが、「何が自分を幸せにするか?」ということです。そのなかには、給料のよさ、健康保険の充実度、老後の年金の有無、研究者としての自由度など、いろいろな要素が含まれると思います。 2010年に国際ジャーナル『ネイチャー(Nature)』が行った「給与と職歴に関するアンケート調査(Salary and Career Survey)」によると、多くの人が、研究者としての自分にとって最も大切な要素は「上司や他の研究者から指導や助言がもらえる環境にいるか?」だと回答しています。競争の激しい研究の世界では、やはり腹を割って相談できる同業者が側にいるのは心強いものですし、そのような刺激的なサポートがあればこそ、国際的な競争に打ち勝つことができるというものです。 次に大事な要素として挙げられたのが「給与のよさ」でした。3番目は「研究者としての自由度」でした。 では、あなたにとって大事なことは何ですか? 『ネイチャー』のアンケート調査に参加した16カ国の研究者たちの満足度を国別に比較すると、最下位はなんと日本! 「自分が幸せな人生を送っているなんてことをいうのはなんだか恥ずかしい」という国民性も多少は影響していると思いますが、それにしてもひどい結果です。近年急成長を遂げているインドや中国も、日本に僅差で最下位を“取られた”感がありますが、「昨年よりも満足度が向上していますか?」という問いには「はい」と答えた人が多く、将来性が伺えます。 英語力が完璧でなくてもかまいません。最初から諦めて就職先を日本だけに絞らず、世界中を焦点に入れて頑張ってみませんか? このアンケートで最上位を獲得したのはデンマークですが、これにはデンマークが研究者支援の充実している国であることもさることながら、世界一住みやすい場所としても全世界の一位にランキングされている ことも大きく影響しているかもしれません。ただし、この種のランキング調査で第一位として挙げられている国は、スイスであったりフィンランドであったり、調査によってまちまちです。質問内容などアンケートの方法によって大きく左右されるようなので、あまりあてにしないほうがいいでしょう。 一般的にいえば、就職先を選ぶ場合には研究環境や手当てにのみ注目しがちですが、自分のライフスタイルに合った都市や国を選ぶことも大切だということです。 結婚して病気がちの子どもがいるのなら、国の保険や養育支援が充実している国。女性であれば、性差別の少ない国。一研究者として、そして1人の人間として、あなたの幸せ度を上げる大切な要素とは何かをよく考えれば、後はそれに適合した場所を探すのみ。その答えが日本以外で見つかるのなら、現在の英語力不足など考えずに挑戦することをお勧めします。