誤訳

翻訳・通訳は文化理解が命!

翻訳 通訳というと元の言語と変換する言語を理解していればできるもの、と思われるかもしれません。言語自体の理解は言うまでもなく不可欠ですが、言語というものは各国の文化によって生み出され、作られていくものです。背景となっている文化を理解しないことには、言葉を置き換える時、意味を取り違えてしまったり、逆の意味に訳してしまったりすることもあります。これは時に、歴史に残る誤訳になってしまうことすらあるのです…。 ■ 語り継がれる有名誤訳 言語への理解不足が後世に多大な影響を与えてしまったという意味で、有名な誤訳の話があります。400年頃、神学者でもあった聖職者のヒエロニムスが、旧約聖書をヘブライ語からラテン語に翻訳した時のことです。シナイ山から下山したモーゼの頭に「光輪があった」とすべきところを「角があった」と訳してしまったのです。ヘブライ語に母音を表す文字がないために誤読してしまったと言われており、文法上の間違いによる誤訳です。この誤訳がその後も長く信じ続けられてきた結果、今でもたくさんのキリスト教会のモーゼ像には、角があるものが見かけられます。 比較的最近では、1977年にアメリカのカーター大統領がポーランドを訪問した時の話があります。訪問にはロシア人の通訳者が同行したのですが、この通訳者はポーランド語にはあまり精通していませんでした。結果として、大統領がポーランドの国民に向けたメッセージの中で「私がアメリカを出発したとき(when I left the United States)」と言ったのを「私がアメリカを棄てたとき(when I abandoned the United States)」に、「あなたがたの未来の展望(your…

下手な翻訳で失われるもの

近年急速に拡大するオンラインビジネス。国外に展開をする場合、当然、翻訳の必要が生じますが、実はスペルミスや誤訳、不適切な文章表現によって多くのお金やビジネスチャンスが失われてしまうのです……。今回は、下手な翻訳で失われるものについて考えてみます。 ■人は瞬間的に判断している 一般的に、初対面の人の印象は3~5秒で決まってしまうと言われています。これは、アメリカの心理学者が提唱した「メラビアンの法則」という概念ですが、人は初対面の際、55%を視覚情報(見た目や表情など)から、38%を聴覚情報(声の質や口調など)から、残り7%を言語情報(言葉の意味や話の内容など)から認識しているそうです。 では、ウェブサイトという視覚言語情報を初めて見た場合、サイト閲覧者は1つのサイトの内容をどれぐらいで認識・判断しているのでしょうか?一説には、サイト閲覧者が1つのサイトを注視する時間は6秒とも言われていますが、大体10~20秒以内にはそのページの内容に興味を持てるかどうかを判断しているとの分析もあります。いずれにしても、あまり長い時間ではありません。もしサイトの印象が悪ければ、あるいは不正確な情報が書かれていれば、この瞬間的とも言える短い秒数で顧客を失ってしまうこともあるのです。まず、閲覧者を惹きつけて、サイトに留まらせることが第一歩です。 ■メッセージを伝えるコンテンツと翻訳する意味 ウェブサイトが魅力的で顧客の目を捉えることができれば、次の課題はメッセージを的確かつ明快に伝えることです。コンテンツがわかりやすく、焦点が明確になっていないと、閲覧者はすぐに他のサイトに移ってしまいます。繰り返しになりますが、人が1つのページを判断する時間は、予想以上に短いのです。 メッセージを伝えるためには、ページが閲覧者にとって気軽に読める言語であることも重要です。ウェブ閲覧者の72%が母国語の表示を選び、54%の顧客が価格より自分たちの言語で書かれていることが購入の決め手になっているとの分析もあります。ということは、翻訳がウェブサイトの印象や顧客の購買意欲を左右してしまうということです。Economist Intelligence Unitの報告によると、572名の企業幹部へのインタビュー調査で半数近くが誤訳および「翻訳の結果、意味不明になった」コンテンツが自社の国際ビジネス取引を滞らせてしまう、との認識を示しました。 翻訳 することによって意味が不明になる、あるいは閲覧者に不正確なメッセージを与えてしまうようでは本末転倒です。 では、ビジネスを滞らせるもの、不明瞭な翻訳や誤訳によって企業が実際に失うものとは何でしょうか。 ■下手な翻訳で失われるもの 1:お金 英国を拠点とするオンライン起業家、Charles…