オーストラリア国立大学(ANU)のインガー・ミューバーン(Inger Mewburn)准教授が、大学院で勉学に勤しむ学生さんにお役立ち情報をお届けするコラム「研究室の荒波にもまれて(THE THESIS WHISPERER)」。インガー准教授が論文の考察(Discussion)の部分をクリエイティブに書くためのコツを紹介します。こちらの記事は、前編、後編の2回に分けてお届けします。前半は作家がクリエイティブになるための環境作りをどうしていたかと、インガー准教授が建築業界にいた当時どのように創作性を磨いたかの考察です。 さて、去年私は、How do I write the discussion section? という記事を投稿しました。 この記事を書いたのは、論文執筆に関する検索から「研究室の荒波にもまれて」のサイトを訪れる人の75%が、論文の「考察(Discussion)」の部分について知りたがっていることを示すトラフィック分析があったからです。創造性が必要な「考察」は論文の中でも特にやっかいです。去年の記事では「考察」で何をどのような順序で行うか書きましたが、創造性については触れませんでした。 創造性・クリエイティビティに関する研究はたくさんあり書籍も山ほど出ています。でも、創造性をもたらす万能薬などは今のところ発明されていません。 難しい問題ですね。 では、創造的な研究者になるにはどうすれば良いのでしょう。秘訣は、創造性を何かの出来事やインスピレーションと捉えるのではなく、プロセスとして捉えることなのだと思います。どんな研究者でも、訓練により、必要に応じて創造的になることができると私は考えています。…
2021-04-23