家系図翻訳 ―過去と現在をつなぐ仕事―
日本ではあまりなじみがありませんが、 家系図 や故人の経歴を記した文書などの翻訳の需要が増えています。日本の戸籍のようなシステムのない国では、海や国境を越えて新天地へと移住してきた祖先の来歴を知りたくても記録がなく、記録や資料が残っていても別の言語で書かれていて読めないという事情があるのです。今回は、家系に関する文書(系譜)の翻訳の話です。 ■ 家族の宝物 ある翻訳会社のもとに老紳士から、こんな依頼があったそうです。 「2つの文書の翻訳をお願いしたい。1つは、地元で尊敬を集めていたラビ(ユダヤ教における宗教指導者)である父の経歴を記した文書。もう1つは、その父の父、つまり祖父の一生についてしたためた文書。これらはヘブライ語で書かれており、読むことができないため、英訳する必要があるのですーー」 古雅なヘブライ語である上、多くの略語があり、翻訳にはかなりの時間を要したとのこと。しかし、いざ英訳した文書をお客様にお届けすると、それはもうたいへんな喜びようだったそうです。老紳士は言いました。 「家族の宝物を翻訳してくれて、ありがとうございます――」 ■ 家系調査の今昔 「To remember where you come from…
2017-10-03