翻訳サービスが抱えるセキュリティリスクとは
あらゆる情報がインターネット上でやり取りされる現代、不正アクセスやウイルスによる個人情報・顧客情報の漏洩や、コンテンツの不正改ざんなどを含めたサイバー攻撃は後を絶ちません。大手通信教育会社、政府関連機関、金融機関などからの個人情報流出事件が報道されたほか、最近では、安全と言われていた Wi-Fi でも暗号鍵が読み取られる脆弱性が見つかり、問題となりました。 インターネットを利用する以上、セキュリティの問題は切り離せませんが、企業も個人も関係なく危険にさらされているのが現実です。翻訳サービスと翻訳者もインターネットを介してお客様の依頼を受け、作業を進行させる以上、セキュリティリスクとは無縁でいられません。 ■ 翻訳会社には重要情報がたくさん 翻訳をはじめとする言語関連サービスを提供する企業にとって、お客様の情報、つまり顧客情報はもちろん大切なものですが、翻訳業界ならではの重要情報の取り扱いについても、十分注意する必要があります。それは、翻訳対象のファイルに書かれているあらゆる情報です。最新の研究、開発中の医薬品、新製品の説明書、会社のプレスリリース、法律文書など、秘匿性の高い情報が外部に漏れることは許されません。お客様の新製品の情報が外部に漏れて競合他社の手に渡ってしまうようなことが起きたら、事業展開に影響が出ます。開発中の新薬の情報が漏れて特許申請されてしまえば、長年の研究が水泡に帰してしまいます。 顧客の業種は多種多様で依頼内容も多岐にわたりますが、どんな情報であれ重要な情報であることに変わりはありません。顧客からの信頼のもとで重要な情報を預かり、作業していることを常に意識しておく必要があります。 ■ そこら中に転がるリスク インターネットの普及は世界中の言語を世界中で翻訳することを可能にしましたが、反面、セキュリティリスクが増大したのは事実です。多くの 翻訳会社 は社内でプロジェクトの管理や編集などを行いますが、一方で相当な人数の外部事業者(フリーランスなどの登録翻訳者)を抱えています。登録翻訳者は国内外問わず点在しており、依頼言語や内容に応じて選ばれますが、その際、顧客ファイルにアクセスする必要が生じます。が、そのアクセス方法や利用ソフトは多種多様です。複数名の翻訳者がいろいろな国からさまざまなネットワークを経由してサーバーまたはファイルにアクセスすることだけでも、インターネットセキュリティのリスクを負っていることになります。 さらに、ファイルを共有するためにログインIDやパスワードを共有したり、セキュリティレベルを確認することなく大容量ファイル預かりサービスを使ってファイルを転送したり、ファイルサイズが小さいからとメール添付でファイルの送受信を行ったり、テキスト文を検索エンジンにテキストコピーして検索にかけたりと、どれも普通にやってしまいそうなことですが、これらも大きなリスクです。実際、ネット上の翻訳サービスに入力した文章がそのまま公開されてしまうという問題が、数年前に発生しました。これは、翻訳結果がサーバーに保存されていたことで、意図しない情報漏洩につながってしまったというケースでした。サービスを提供する側からの情報提供が不足していたため、顧客がサービスを発注する際に「サーバーへの文書保存に同意しない」という選択肢があったことを知らなかったのです。 ■ 翻訳サービスがなすべきセキュリティ対策とは? このような問題を防ぐためにも、翻訳サービスを提供する 翻訳会社…