論文の書き方 & 助成金

論文の謝辞の書き方

謝辞(Acknowledgements)は、学術論文において重要な役割を担う、不可欠な構成要素です。 謝辞 では、すべての貢献者に対して感謝を述べるとともに、当該論文に携わった人、組織・機関などの貢献に対する評価を記します。ここでは、謝辞の書き方を見てみましょう。 ■ 謝辞は誰に対して書くか データの作成なども含め、直接的に研究に携わった人は著者に含まれますが、研究の支援者や機関など、それ以外にも論文に携わる人はたくさんいます。そこで著者は、論文内に謝辞という項目を加え、彼らに感謝の意を示すのです。謝辞を見れば、部分的であれ研究に貢献した人などを特定することもできます。 謝辞で対象とするのは、著者、著者に該当しないながら研究に貢献した人、資金提供者、編集者、さらには事務職員までをも含みます。学術論文では、謝辞に記載する情報は簡潔にすべきであり、研究に直接関係する人、機関などへの言及にとどめます。 著者 貢献者に謝辞を述べることは大切ですが、最初に著者と貢献者を区別しておく必要があります。医学雑誌編集者国際委員会(International Committee of Medical Journal Editors, ICMJE)は、著者資格の基準として満たすべき4項目を挙げています。…

研究論文にストーリー性はいかが?

読んでいて面白い文章、また読みたくなる作品とはどんなものでしょうか。専門性、表現の豊かさ、意外性……。人によってさまざまでしょうが、多くは物語性のあるものではないでしょうか。書いてある内容にストーリーがあるほうが、淡々とした解説を読むより、よほど興味をそそるはずです。では、小説などの文芸作品ではない科学論文でも、同じことが言えるのでしょうか。科学的観察にストーリー性を持たせることで面白みを高められるのかを考えます。 ■ 科学論文に面白みを加える要素 論文においても、どのように書けば読者を惹きつけられるかを考えることは重要です。物語には一般的に、登場人物・背景・緊張・行動(アクション)・盛り上がり(クライマックス)・解決の6つの要素が含まれているとされます。日本語で小論文を書く時の構成としては「起承転結」が必要と言われ、また映画や舞台などの脚本の構成では、設定・対立・解決の役割を持つ三つの幕で構成する(三幕構成)のが基本ともされます。つまり文章や作品の中に流れや変化があることが、人々を惹きつける鍵になるのです。では論文の場合に必要な、ストーリー性を加えるための要素を考えてみましょう。 明確な目的 物語において、登場人物の性格や行動を理解できなければ話を理解することができないのと同様、研究論文においては、目的と目的に到達するための方法が理解できなければ、研究を理解することはできません。読者があなたの研究内容に理解を示し、かつ共感してもらえるよう、目的を明確にしておかなければなりません。 研究の背景 物語では、登場人物の行動を理解してもらえるよう、心理描写や回想シーンといった「背景」が共有されます。論文の場合でも、読者が研究の重要性や位置付けを把握するために背景が必要です。研究分野が置かれている状況や、あなたがその研究に取り組むに至った過程などを記すとよいでしょう。ただし、専門的すぎる解説は読んでも面白くないと思われがちです。読者に楽しんでもらうには、簡潔かつ的確な言葉を使用すべきです。専門用語は最小限に抑えたほうがよいでしょう。 実験の内容と結論 研究論文 でアクションやクライマックスに相当するのは、どの部分でしょうか。アクションとは「動き」、「行動」を指すので、予期せぬ発見に至るまでの方法・実験にあたると考えられます。情報が蓄積されていくに連れて見えてきた問題解決の道筋を記しましょう。クライマックスとは、論文を締めくくる結論部分です。アクションを経て導かれた筋道を明確に示すことで、物語は最高潮に向かいます。結論もはっきりと分かりやすく伝え、研究が信頼できるものであることをアピールすることが重要です。 ■ ストーリー性の高い論文は読者を惹きつけられるか ストーリー性の高い研究論文がより多くの読者を惹きつけ、影響力や評価も高まる――。と言いたいところですが、これがすべての研究分野に当てはまるかは不透明です。何をもって効果があったとするかによっても、結果は異なるでしょう。しかし、少なくとも気候変動に関する科学論文における文章スタイルの影響力の調査(PLOS ONE誌掲載の研究)では、ストーリー性のあるスタイルの論文のほうが引用された数が多く、さらには学術雑誌(ジャーナル)に採択されるに可能性が高まった、と示唆されています。一般的な論文発表のプロセスにおいては少なくとも、論文にストーリー性を持たせるという発想は有用な手法であると言えそうです。 優れた研究論文には、図解や図表だけでなく、魅力的な文章が必要です。ストーリー性のあるわかりやすい文章が読者によい印象を与え、より大きな影響力をおよぼすのであれば、使わない手はありません。 ストーリー性のある論文を執筆するには、研究者の創造性と文章力が十分に発揮される必要があります。これは大変な作業ですが、ストーリーに必要不可欠な要素を押さえ、時に感覚的な言葉や表現を使うことで、読者に伝わりにくい情報を上手く伝え、読み手にとってより面白みのある論文とすることができるでしょう。自分が伝えたいことを伝えるためにどうしたらよいか――そのためのひとつの策として、論文にストーリー性を持たせるという発想を取り入れてみてはいかがでしょうか。実際にストーリー性のある論文を書いてみたら、あなた自身もより、研究を楽しめるかもしれません。

論文の要旨(Abstract)と序論(Introduction)の違い

学術論文を書こうと思った時、ふと気になる疑問が浮かびます。要旨(アブストラクト)と序論(イントロダクション)は何が違うのだろう?序論には、要旨を繰り返し書けばいいのだろうか?どちらも論文の内容を説明するものではありますが、それぞれ異なる要素が求められます。 論文の読者は、ほとんどの場合、まずタイトルで興味がある分野の内容なのかを判断し、次に要旨を見て、本文に読み進むかを判断します。よって、要旨は論文全体の要約として、簡潔かつ端的であることが求められます。一方、序論は、論文の内容に踏み込み、研究の背景や研究によって実現したいこと、仮説などを簡潔に記載することが求められます。いずれも読者を論文に引き込むために、非常に重要な役割を持つものです。この機会に要点をつかんでしまいましょう。 ■ 要旨(アブストラクト) 要旨の役割 要旨(アブストラクト)とは、研究の背景や方法から結論まで、論文の概要を簡単にまとめた文章です。端的に言えば、「ここを読めば論文全体に何が書いてあるのかがわかる短文」です。学術雑誌(ジャーナル)の査読者は、要旨を見て論文全体を読み進めるかを判断するので、要旨の役割は重大です。要旨には、論文の背景や方法、結論が記載されていて、本文や参考文献を見ずとも論文の内容を理解してもらえるものである必要があります。 とはいえ、要旨には研究の詳細を記載すべきではありません。要旨の単語数は通常、論文全体の1割程度と考えられており、各学術誌の投稿規定では上限の単語数が決められています。また、要旨の最初の250~300語のみを閲覧可能にしているオンライン・データベースも存在します。したがって、要旨は簡潔かつ明快である必要があり、長々と詳細を書くものではないのです。データベースに登録されることを前提とすれば、論文の研究分野における重要なキーワードと考えられる単語が複数(4-5個程度)要旨に含まれていると、その分野の関連文献としてウェブ上で検索されやすくなります。参考文献を探している研究者は、検索の結果として表示された論文の要旨を読んで自分が探している内容かどうかを判断しているので、キーワードをうまく入れ込みましょう。 要旨の形式 要旨の形式には、構造化要旨(Structured abstracts)、非構造化要旨(Unstructured abstracts)の2つがあります。構造化要旨は、以下の5つの項目から構成されます。読者からすると、どこに何が記載されているのが一目瞭然であり、すぐに知りたい内容を確認できる点で優れています。 [構造化要旨の項目] 1.背景 研究テーマに関する最新の情報やキーワードを記載し、読者の興味を喚起します。 2.目的 研究の対象とそれに取り組む理由、研究によって実現したいゴールを記載します。…

文献レビューを書く時に重要な10のポイント

*本記事は、2018年5月に掲載された「文献レビューを書く時に重要な10のポイント」の内容を更新してお届けするものです。 文献レビューとは、特定のテーマに関する研究論文などの著作物の概要や評価をまとめて記述するものです。論文の一形式として知られており、いかなる分野の学術研究においても、研究者が特定の研究テーマに関する先行研究の論文を把握したり、研究分野に関する知識を収集したりするのに役立つものです。 文献レビューは、それ自体で単独の論文として公表することも可能です。序論、方法、本論、考察と結論、最後に引用(参考)文献リスト(Reference)といった章立てで構成され、ほぼ論文と同じ要素を盛り込む必要がありますが、よりよい文献レビューを書くには、構成の他にも留意すべき点がいくつかあります。該当分野の研究を広く網羅しつつ、執筆者の独創性(オリジナリティ)があり、かつ、わかりやすく書かれた文章であることが求められるのです。 ここでは、研究者が文献レビューを論文形式で書くときに押さえておくべき重要な10のポイントを紹介します。 1. 対象テーマの学術論文の調査を行い、先行研究を広く網羅する。 文献レビューは特定の分野における文献を評価するものです。対象とするテーマについての研究の進展状況を把握したり、先行研究の傾向と内容をつかみ問題を解決する、あるいは、まだ解決していない問題、明らかになっていないことなどを指摘したりするため、先行研究を広く網羅しておく必要があります。 近年は分野を跨いだ研究も活発化していることら、直接的に関係しないように見える他分野に対象テーマに関連する文献が潜んでいる可能性もありますので、範囲を限定せずに広く網羅することも大切です。 2. 参考文献管理ツール(Mendeley Desktopなど)を用いて出版済み論文の調査時間を節減する。 対象とする研究テーマに関する先行研究を徹底的に調べて分析することが必要です。先行研究を探す際には、Mendeley Reference Manager for…

検索キーワード選定が論文の閲覧数を決める!

膨大な時間をかけてまとめた研究論文、どうせならより多くの人に読んでもらいたいですよね。そのためには、内容をインターネット上にアップするのが最も効果的です。ただし、SNSやサイトにただアップするだけでは、大きな効果は見込めません。Googleなどの検索エンジンで、自分の研究論文をいかに目立たせるか、つまり検索結果の上位に持ってこられるかが鍵となります。検索エンジン最適化(SEO対策)を実践することで、あなたの研究論文に圧倒的な注目を集めることができるかもしれません。 ■ 膨大な検索対象データ 何か調べ物をしたいとき、私たちはGoogleなどの検索エンジンにキーワードを入れて調べることでしょう。研究者の場合は、研究関連の情報を検索する際に、学術系に特化した検索エンジンを利用することが多いようです。例えばPubMed。世界の主要ジャーナル、書籍、MEDLINE(1946年以降の学術誌に掲載された医学文献を蓄積したデータベース)に掲載された700万点もの医学系論文を検索し、該当論文の収録先に関する情報、要約、引用数まで調べることができます。また、Google Scholarは、検索キーワードに関連する論文を一覧で表示できます。 ただし、一般的な検索エンジンであれ学術系の検索エンジンであれ、検索対象となるデータは膨大です。これらの中から皆さんの研究論文を、一体どうやって見つけてもらえばいいのでしょうか。 ■ SEO対策の進め方 検索エンジンで自分の論文を見つけてもらうための策として、研究論文のタイトルと本文にキーワードを入れ込んでいくのが有効です。該当するキーワードが検索されたときに、そのワードを含む論文を検索結果の上位に表示させるようにするのです。キーワードを選択する際は以下のポイントに注意しましょう。 1.論文のコンセプトを伝える言葉をキーワードとする 2.論文の件名やアブストラクト、見出し、図表、図表などの説明文すべてにキーワードを入れ込む 3.タイトルは端的に最低限の文字数に抑える 4.キーワードはよく検索に使われている語(検索ボリュームの多い語)を選ぶ 5.ウェブサイトやソーシャルメディアなどへのリンクをつける 6.3~4つのキーワードを選び、類義語も含め論文内に入れ込む 7.キーワードに人名や書籍名、認知度の高いイベント、特定の歴史的出来事または重要な言い回しなどを用いる場合は、正しく表記する このように「キーワード」は、まさにSEO対策の「キー」となるものです。では、どのように決めればいいのでしょうか。…

論文の構成要素 – コンクルージョン

論文のコンクルージョンは本文の最後に位置し、論文をまとめる部分です。コンクルージョンは「Conclusion」という見出しの一つのセクションとするのが一般的ですが、「Discussion」と「Conclusion」、または「Summary」と「Discussion」、あるいは「Summary」と「Discussion」と「Conclusion」などといった複数のセクションに分割されることもあります。 論文のコンクルージョンは少なくとも以下の役割を果たします。 (i) 論文を要約し、結果を繰り返して述べます。 (ii) 研究結果の重要性とそれが影響を及ぼす範囲を明らかにします。 (iii) 研究の長所と短所を指摘します。 (iv) 既存研究との関係を述べます。 (v) 今後の研究の可能性について議論を行います。 これらの項目の記載順は、一般に上の通りになりますが、(iii)と(iv)の順番が逆になることもあります。以下でそれぞれの役割についてより細かく説明します。 (i) <論文の要約、結果の記述>…

論文の構成要素 – 本論

論文の「本論」はイントロダクションとコンクルージョンに挟まれ、研究内容の徹底的な記述を行う部分です。分野やジャーナルによって、「Methods」と「Results」、または「Materials and Methods」と「Results and Discussion」、あるいは「Methods」と「Results」と「Discussion」などという決まったセクションから構成される形式もありますが、セクションの数、見出し、内容に関しては規定がないことがより一般的です。 研究は、やり方が様々ですが、いかなる場合でも基本的には何らかの研究過程を通して結果を入手する、というプロセスになります。論文の本論では、研究過程とそれによって得られる結果を詳細に報告します。 本論は、ターゲット・オーディエンス(読者)が研究過程の各部分を再現できるほど微細、正確、かつ明確な説明と議論から成るべきです。例えば、研究が理論的なものであれば、結論が明確な出発点から切れ目のない論理の連鎖によって導き出されていることが必要です。また、論文で報告される実験、調査、数値計算、臨床試験などは、読者が(少なくとも原理的には)同等の条件の下で同等のプロセスによってデータを集めることができるように説明されているべきです。さらに、収集されたデータを出発点とした議論が、論理的に研究結果に到達することを明確に示す必要があります。 日本人学者による英語論文の中では、議論の出発点と到達点をつなぐ論理が明確でないことがしばしば見受けられます。多くの場合、問題の原因は論文が日本語的な考え方で表現されたことだと思われます[1]。 [1] 関連した議論についてはグレン・パケット:『科学論文の英語用法百科〈第2編〉 冠詞用法』(京都大学学術出版会,2016)の前書きをご参照下さい。 ※ 次回は「コンクルージョン」の構成についてお伝えします。

論文の構成要素 – イントロダクション

論文のイントロダクションは、本文の最初の部分であり、論文全体の内容を理解するために必要とされる予備知識を提供する部分です。個別のセクションに区切られる論文であれば、イントロダクションは「Introduction」という見出しの一つのセクションになることが一般的です。 イントロダクションが果たす主な役割には以下の項目があります。 (i) 論文の背景を示します。つまり、当研究が、どの分野に分類されるのか、そしてその分野においてどこに位置付けられるかを明確にします。 (ii) 研究の動機を述べます。要するに、なぜこの研究を行う意味があるかを説明するのです。 (iii) 研究の目標を示します。つまり、今回の研究でどのような進展を目指しているかを明らかにします。 (iv) 研究法を簡潔に記述します。具体的には、目標を達成するためにどのような方法によって解を与えようとするかを概説します。 (v) 結果を簡潔に述べます。 (vi) 結果の重要性を手短に論じます。特に、この結果が研究分野の進展にどのように貢献するかを明らかにします。 概して、これらの項目の記載順は上の通りになります。以下にそれぞれの役割について、もう少し細かく説明します。…

シンプルなアブストラクトの論文はより多く引用される

学術論文には必ずアブストラクト (要約)が付きます。そして論文は一般的にいって、引用される回数(被引用回数)が多ければ多いほど評価されます。では、アブストラクトの書き方はその論文の評価にどのような影響を与えるのでしょうか? 英国のワーウィック大学のデータ・サイエンティスト、エイドリアン・レッチフォード氏らは、論文の要約のスタイルが、その論文の被引用回数に影響するかどうかを調べ、その結果を『情報学ジャーナル(Journal of Informetrics)』で公表しました。 レッチフォード氏らは、オンラインデータベース「Web of Science」から、1999年から2008年までの各年について、最も引用された論文3万本の計量書誌学的データ(bibliometric data)をダウンロードしました。合計30万本のデータが集まったことになります。彼らはその中からアブストラクトや題名などが欠けている論文を取り除き、残りの21万6280本の論文について、それぞれのアブストラクトにある文字数や単語数、センテンス数をカウントして分析しました。その結果、アブストラクトでより頻繁に使われる言葉を使う論文を掲載するジャーナルは、論文1本あたりで見て、より多く引用される傾向があることが明らかになりました。また、アブストラクトでより頻繁に使われる言葉を使う論文は、同じジャーナルに掲載されるほかの論文と比較しても、より多く引用される傾向があることもわかりました。 さらに、アブストラクトの長さと論文が引用される回数との間にも関係があることもわかりました。レッチフォードらの分析では、アブストラクトがより短い論文を掲載するジャーナルは、論文1本あたりで見て、わずかに多く引用される傾向があることを示しました。また、アブストラクトがより短い論文は、同じジャーナルに掲載されるほかの論文と比べて、より多く引用される傾向があることもわかりました。彼らの計算モデルでは、5文字の言葉を1つ加えると、引用数が0.02%減るという結果が出ました。 レッチフォードらは、アブストラクトがより短くて、より頻繁に使われる言葉を含む論文がより多く引用される理由について、3つの可能性を述べています。第1に、インパクトファクターの高いジャーナルは、論文のアブストラクトの長さを制限し、より広い読者に適した書き方を要求しているのかもしれないこと。たとえば、『サイエンス』のアブストラクトは125語に制限されています。第2に、大きな科学的進歩を報告する論文は、より短いアブストラクトで書かれ、あまり専門的でない言葉を使うのかもしれないこと。第3に、より一般的な言葉を使ったより短いアブストラクトは読みやすく、それゆえにより多く引用されるのかもしれないこと。 ということは、より頻繁に使われる言葉で、より短いアブストラクト、つまりよりシンプルなアブストラクトを書くようにすれば、より多く引用される論文を書けるような気がしてきます。しかしもちろん、研究内容自体が優れていることが大前提でしょう。

他人の論文を修正して自分の論文に引用するときには?

先行研究が多い分野では、すでに発表された論文の図やグラフを使えば、自分の主張をよりわかりやすく説明できる場合が多々あります。たとえば、論文Aに掲載された図を、自分の研究に関係ある部分だけ抜粋して見せたくなることがあります。また、自分の論点をはっきりさせるために元の論文のグラフのX軸とY軸を入れ替えるなど、その表示方法に手を加えたくなることもあります。 ここで大切なのは、元の図やグラフと、自分の論文で“引用”した部分との違いをはっきり説明することです。表などを元のまま引用する場合や、必要な部分だけを抜粋する場合には、表の最下部や脚注に「adapted from Jones 2009」などと書けばいいでしょう。また、原書の表をもとに、ほかの研究の結果を書き加えたり、自分の解釈を添え書きしたりする場合には、「based on Jones 2009 and Smith 2010」などと書けばいいでしょう。元の論文の記述をまとめて要点をリストアップするような場合には、「summarized from Jones 2009」といった表現がよく使われます。 このように表やリストの最下部や脚注に引用元と引用方法を明記するだけではなく、本文で簡単な説明をすることも忘れないようにしましょう。原書の表をどのように変えたのか、また変更した理由を数センテンスでまとめて書きましょう。…