論文の書き方 & 助成金

研究助成金情報と申請で抑えておきたいポイント

研究者にとって、学術研究を続けるためには資金(= 研究助成金 )の確保が切実な問題です。しかし、資金を獲得したい研究者はたくさんいるので、潤沢な資金の確保は容易ではありません。当然、卓越した研究、社会に役立つ研究でなければ資金獲得競争には勝ち抜けません。 多くの研究資金は、大学や研究機関、政府機関、または民間企業やファンド(資金提供者)のいずれかから提供されています。官民かかわらず公募によって募集し、選考を経て、資金提供対象者・研究を選ぶのが一般的ですが、民間企業の場合には、会社の利益につながる研究、社会に直接的に役立つ研究などが選出において優先される傾向が強いということはあるでしょう。研究資金を得るには、まず自分の研究にあった助成金を見つけてから申請書を作成します。いかに自分の研究を「売り込むか」が重要です。手始めに、どのようなところで助成金応募の情報が見つけられるかを紹介します。人文学、社会科学、自然科学まで全ての分野を対象とした研究費の助成を行うものや、分野に特化したものなどさまざまな助成金公募があるので、見比べてみてください。 助成金募集ニュースの紹介や助成金情報の検索ができるサイト 研究助成・奨学金検索サイト コラボリー/Grants(研究助成):クラウドファンディング ウォッチング 研究開発の助成金、奨学金ポータルサイト:GRANT SQUARE 科学新聞:公募情報 日本学術振興会:公募情報 公益財団法人 助成財団センター:助成金情報>助成プログラム検索、助成金募集ニュース 大学病院医療情報ネットワークセンター(UMIN):FIND各種助成(研究助成、海外留学助成、留学生受入助成等)公募情報 海外の研究機関で働きたい研究者を支援するための経済的なサポート制度(フェローシップ)…

ポジションペーパー作成に大切な10のポイント

一言で学術論文といっても、研究成果を記す原著論文や学会などで発表するためのポスター発表など、種類や長さによる違い、査読の有無によってさまざまな種類に分けられます。その中のひとつ、ポジションペーパーとは、見解論文と呼ばれることもあるように、比較的短めかつ早めに新しい問題やアイデアに関する見解をまとめるものです。ポジションペーパーを上手に書くには、研究スキルだけでなく、研究を進める間に収集した情報を分析するスキルも必要です。今回は、ポジションペーパーの基本的な構成と、作成するときに押さえておきたい10のポイントを紹介します。 ポジションペーパーとは ポジションペーパーは、ある問題やアイデアに対して、賛成あるいは反対いずれであれ意見を述べるものです。特定の問題(トピック)について議論したり、再考を求めたりするために書かれます。よって、ポジションペーパーの著者は、取り上げる研究論文やデータが何を伝えているかを読者に伝えた上で、問題や論争となっている点をどのように解釈するか、議論の的となっている理由を説明した上で、自分の見解や論点、解決策についてわかりやすく示す必要があります。 ポジションペーパーの構成 通常、ポジションペーパーは数ページで、取り上げたトピックの概要(議論の論点)、議論の背景、結論(解決策の提示)を1-3段落に分けて記載します。取り上げるトピックを決めたら、それに関する見解と可能な解決策を提案するため、関連する情報、データを収集する必要があります。概要を述べる際に主要な関連用語(キーワード)を特定しておくと背景が書きやすくなるでしょう。また、情報を収集する際には、その情報がトピックに関連性のあるもの、信頼性の高いものであることが不可欠です。ページ数については、4-6ページ程度が目安のようですが、フォントサイズや行間、挿入する図表の数などが指定されていることもあるので、大学や出版社がポジションペーパー用の執筆ガイドラインを定めている場合には、それを参照してください。 トピックの選択(判断基準) まず、ポジションペーパーを書くのに適したトピックをどうやって選択するかが重要です。面白くないもの、議論の余地のないことについて書いても誰の興味も引けません。自分の研究分野との関連性が高いもの、社会に影響を及ぼす可能性の高いものなど、賛否両面からの議論が展開できるものを選びます。トピックを選別するための判断基準として、以下を考えてみてください。 実際に議論されている、あるいは疑念がもたれているなど明確な論点があるか 説得力のある議論ができるか、賛否両面から論点を説明できるか(議論の異なる側面の長所と短所を挙げられるか) 賛否いずれかの意見を支持、主張ができるか 議論の絞り込みは可能か これらの問いかけを満たすトピックを選択したら、自分の意見を固めるために、論点の裏付けを行うための研究調査を進めます。賛否両面の証拠を示し、論点や意見を比較することにより、対立する議論の弱い部分への指摘も含め、議論に対して明確に意見することができるようになります。 ポジションペーパーの構成 一般的な構成に沿って考えをまとめてるようにします。 1.…

論文レイサマリー(要約)の書き方のポイント

毎年、何百万本もの学術論文が発表されており、毎日のように飛躍的な発見も生まれています。科学研究が現代の生活にすっかり溶け込んでいるにもかかわらず、一般の人にとって研究内容を理解することは容易でなく、まして最新の研究動向を把握するのはことさら難しいことです。たいていの場合、科学的な論文には専門用語が多く、一般的には分かりにくい書き方となっていることも一因です。しかし、研究者にとっては研究資金提供者やメディアの関心を集めると同時に、多くの人に成果を知ってもらうことが重要です。そのためにできることのひとつは、一般の人にも分かりやすい要約「レイサマリー(lay summary)」を書くことです。ここでは、レイサマリーの書き方と注意すべきポイントをみていきましょう。 レイサマリー(要約)とは 「レイサマリー」とは、誰でも理解できる簡易な言葉で研究の内容を説明するものです。研究論文の冒頭の「要旨(アブストラクト)」が研究者などを対象として研究概要を書くものであるのに対し、レイサマリーは専門知識を持たない人でも研究の内容を理解できるように書くものです。多くの学術雑誌(ジャーナル)がレイサマリーをウェブサイトのトップページに掲載することで、たくさんの人が科学論文に接することができるように配慮しています。例えば、Elsevierの学術ジャーナル「Epilepsy and Behavior Case Report」や「Journal of Hepatology」がレイサマリーを掲載しています。また、欧州連合における臨床試験制度であるEuropean Union Clinical Trials Regulationのように、レイサマリーの提出を求めている機関もあります。レイサマリーは、一般の人だけでなく、ジャーナリストや研究資金提供者など、該当分野の専門家ではない人にも研究内容を理解してもらうのに役立ちます。研究成果を一般にも広く知らしめ注目されることは、研究者としての影響力を高め、研究資金を確保することにもつながるので、非常に重要なことです。レイサマリーは、これらを可能にする手段のひとつと言えるでしょう。 レイサマリーの書き方のポイント…

失敗から学ぶ-論文却下を招く15のミス

研究者である以上、誰もが自分の研究論文が高インパクトな学術誌(ジャーナル)に掲載されることを目指していることでしょう。しかし、論文がジャーナルに掲載されるというのは簡単なことではなく、却下(リジェクト)されることも少なくありません。論文が却下されるのは辛くても、その経験は次に原稿が受理(アクセプト)されるためのコツを学ぶチャンスとなります。そこで今回は、「失敗から学ぶ」として、論文却下を招く15のミスを紹介します。 1.誤解を招く恐れのあるタイトル 見当違いなタイトルは論文の即時却下につながります。タイトルは、自分の論文テーマを正確に表すものであることが大切です。研究範囲に収まっていない内容を想起させるようなタイトルを付けるのは問題です。 2.整合性の取れていない要旨(アブストラクト) 要旨(アブストラクト)が論文に書かれた内容と整合性が取れていない場合もリジェクト要因となります。要旨において紹介する研究結果や結論が、本文で述べられている内容ときちんと一致し、的確にまとめられている必要があります。 3.不十分な序論(イントロダクション) 序論の内容が不十分であると、論文本文に読み進む前の段階でジャーナル掲載に値せずと見なされかねません。序論には、研究課題と仮説、研究の目的が分かりやすく述べられていなければなりません。序論は、上手に自分の研究の価値を伝え、本文につなげることが重要です。 4.研究方法(メソッド)の不正引用 複数の論文を執筆していると、つい同じ研究方法(メソッド)を複数の論文で反復して記述しがちです。しかし、たとえ自分の論文に書いたメソッドであっても、過去に出版された論文に記載された内容や研究方法を原典の引用なしに掲載した場合には、自己盗用とみなされます。データの収集方法や解析方法についても同様です。さらに、研究方法は常に状況を踏まえた内容でなくてはなりません。新しい技術や技法が現れた時点で、今までの方法は時代遅れとみなされます。 5.結果の記載の過不足 結果には、研究の結果のみを簡潔かつ明確に記さねばなりません。ジャーナルから指定された字数制限に気を取られるあまり、重要な情報を取りこぼしてしまったり、反対に説明が過剰になったりすると却下される原因となります。 6.非論理的な内容 当然ですが、議論が非論理的な論文は、容赦なく却下の対象となります。研究テーマに関連がない、結果に焦点を合わせないまま広がりすぎている、見解が偏っている(バイアス)、他の研究者による重要な発見を踏まえていない、研究の限界を見落としている――といった考察は、非論理的であると見なされます。 7. 投稿先ジャーナルの選択ミス 論文の内容が、ジャーナルの目的と研究領域(Scope)に一致していない場合、投稿原稿が受け入れられることはありません。ジャーナルによって、投稿論文への要求は異なるため、投稿先ジャーナルの「Aims…

論文提出前の読み直しと推敲・校正の重要性

やっと仕上げた論文原稿の問題を指摘されると不愉快になるものです。しかし、文法の間違いなどが、論文全体の評価に悪影響を及ぼすことを指導教員はよく認識しているからこそ、注意してくれるわけです。指摘された箇所を修正することはもちろん、原稿の見直し、推敲・校正するスキルを向上することは大切です。これを怠って間違いを見落としてしまったり、完成度の低い論文を提出してしまったりすると、研究成果そのものへの大きなマイナスとなってしまいます。 推敲と校正は極めて重要 推敲と校正は、文章を仕上げる上で欠くことのできない作業です。この一手間をかけることにより、文書が的確に、伝えたい考えが明晰に表現できるようになるのです。推敲と校正を同じようなものと考えている学生や論文執筆者を多く見かけますが、両者の意味は明らかに異なります。推敲は文章を読み直して、不適切もしくは不明確な部分を修正したり、文全体の構成や記述の順番を変えたり、内容を改めたりする作業です。一方、校正は、用語や誤字脱字、文法などの誤りや記述上の不備をチェックして修正する作業です。推敲や校正の手始めに、指導教員の指摘をじっくりと読んでみると良いでしょう。どういう点を注意して見るべきかが分かるはずです。 推敲作業 推敲は大変な作業ですが、必ず習得すべきことです。このスキルを向上させるにはさまざまな要素が関っていますが、手始めに注意すべきこととしては以下が参考になるでしょう。 文書構成 イントロダクション(序論)とコンクルージョン(結論)を明確にする 段落構成 段落ごとに内容を明確に転換させること 段落ごとに、その段落の中心をなす考えを示すこと 主題 論文の主張を、明確に、散漫にならずに書き記すこと 論文の中心となる主張を支える明確な論拠を示すこと 明瞭性 必要な場合には定義と論拠を明示することで、論文とそこに記述している考えを明確にする…

伝わる研究論文を書くために―鍵は文章力

研究論文の執筆で大切なのは、自分の研究内容や考察をわかりやすく正確に読者に伝えること。分かってはいるものの、なかなか満足できる論文を書き上げられない・・・・・・。そんなときには、論文執筆の落とし穴にも注意してみてください。 論文執筆の落とし穴 研究論文を執筆するときに陥りがちなのが、自分の伝えたい内容に気をとられるあまり、それを表す文章の書き方(句読点の使い方や文法)にまで意識が及ばない、ということです。しかし、読者に研究成果を分かりやすく伝える論文を書くには、文章力も非常に重要です。簡潔かつ、読者にしっかりと内容が伝わるような文章が書けるようになれば、きっと満足のいく論文を書き上げることができるでしょう。 研究者は長文好き? 一般の読者、あるいは他分野の研究者にとって難解であろう研究成果をできるだけ分かりやすくしようとすると、おのずと文章は長く、複雑になりがちです。しかし、それではよい論文には仕上がりません。難しい内容をいかに分かりやすく読者に伝えられるか、ここが腕の見せ所なのです。 例えば次の文章を読んでみてください。 In botany there are many factors that affect the…

科学における仮説を立てるときの注意

科学における仮説とは、研究における「問い(命題)」を設定し、予想される「結論」を記述するものです。仮説の設定は、科学実験の基盤をなす研究手法に組込まれているものなので、注意深く厳密に行う必要があります。仮説に、たとえ小さくとも不備な点や欠陥があると、実験に悪い影響が生じかねません。よって、堅固で検証可能な仮説を立てることが重要です。検証可能な仮説とは、実験によってその仮説が正しいか間違っているかを証明することができることを意味します。 検証可能な仮説の重要性 科学的な方法に基づいて、実験を計画して実行するには、検証可能な仮説が必要です。科学的な仮説が検証可能であると判断するためには、次のような基準を満たしていることが不可欠です。 1. 仮説が正しいことが証明される可能性があること(検証可能であること)。 2. 仮説が誤りであることが証明される可能性があること(反証可能であること)。 3. 仮説の結論に再現性があること。 こうした基準を満たしていなければ、仮説とその結論は曖昧なものとなってしまい、実験の結果としても、なんら有意義なことを立証も反証もできないことになってしまいます。 有効な仮説をどのように設定するか 検証可能な仮説を立てることは、簡単ではありません。科学的な実験の目的と、予測される結果について、明確に示すものであることが求められます。的確で説得力がある仮説を組み立てるために、考慮すべき重要なことがいくつかあります。 1. 答えを導こうとしている問題を定義する 仮説によって、実験の命題と注目点が明確に定義されている必要があります。…

論文執筆で泣かないために―英語表記の注意

研究者にとって自分の論文が学術雑誌(ジャーナル)に掲載・出版されることは、意義があるだけでなく、自信につながることです。だからこそ、せっかく書いた論文が、英語表記の間違いで却下(リジェクト)されるのは避けたいところです。今回は、リジェクトされないために注意すべき、よくある英語表記の間違いをご紹介します。 はじめに、論文を執筆する際の注意点を確認しておきましょう。以下の3点はいずれも怠るとリジェクトにつながりかねない重要事項です。 ・不適切な文献選び 研究者の中には、論文作成においてとても大切な文献選びに無頓着な人がいます。原稿を執筆する際には、先行研究や既存知識についてしっかりと調べて考察することが不可欠であり、その際に、古い、いわば鮮度の落ちた文献を引用した論文は、容赦なくリジェクトされかねません。 ・研究に適した方法論の採用 研究を行うにあたり、しっかりとした研究方法が明示され、それをふまえた分析が行われることが必須です。データ分析が複雑になればなるほど、間違いのリスクも高まりますが、不適切なデータは原稿の信頼性を損ねるので注意が必要です。 ・盗用・剽窃 盗用・剽窃は、学術界において非常に問題視されている不正行為です。既存の文献を逐語的にコピー&ペーストしたような文章が含まれている場合は盗用・剽窃とみなされます。盗用・剽窃と判断された場合、該当の原稿は即リジェクトされるのがほとんどです。どのような場合に盗用・剽窃となるのかをしっかり理解しておきましょう。 では次に、よくある英語表記の間違いを説明します。 英語表記の間違い   スペルミス スペルミスのある原稿は、印象がよくないものです。場合によっては、そのスペルミスのせいで文章の意味そのものが変わってきてしまうこともあるので要注意です。しっかり校正をして、ミスを防ぎましょう。 コロン ある事柄を列挙する場合は、コロンで文を区切ってから、その後に続ける形で記します。…

プロシーディングと学術雑誌-その違いは

学術界では“Publish or Perish(出版か死か)”という言葉がよく聞かれます。これは、論文が学術雑誌(ジャーナル)に掲載されないと、研究実績として認められないので、研究を続けるため、つまり研究者であり続けるためにはよい論文を書いて出版しなければならない――ということです。特に、研究者はインパクトの高い査読付きの学術雑誌に論文を掲載することを目指し、日々の努力を重ねています。研究が評価されれば、昇進、終身在職権、資金調達も夢ではなくなるからです。 論文投稿と並んで研究成果を広める場となるのが学会(学術会議)です。プレゼン発表だけでなく、配布される プロシーディング (講演要旨集)に論文を掲載するという方法で研究を広めることができます。プロシーディングは、学会が出版する学術雑誌ではなく、あくまでもその会議で発表する予定原稿をまとめたものです。そのため、掲載への査読がない、またはあってもそれほど(査読付き学術ジャーナルほど)厳しくないことが多いので、査読付き論文とは別の出版物として扱われます。では、プロシーディングに論文を掲載することは、研究者にとってどのような意味を持つのでしょうか。 ■ 学会発表とプロシーディング 研究者が学会で発表を行うには、学会主催者に事前に論文などを提出し、研究発表として、また該当分野の研究者間の情報交換として価すると承認されなければなりません。学会での発表方法としては、ポスター発表、口頭発表(プレゼン)、またはワークショップ形式のディスカッションなどがあります。これらの発表方法は会議によってさまざまです。そして、提出された論文などを学会主催者側の編集チームが確認を行った後に、会議論文をまとめて冊子にしたものがプロシーディングです。学会開催前後に参加者や希望者に配布されます。 分野や学会によっては、学会後に査読付きのプロシーディングを書籍やジャーナルとして刊行することもあるようです。また、発表者自身が、学会後にプロシーディング用に執筆した原稿(proceedings paper)/会議論文(conference paper)を原著論文(full paper)にまとめ、学術ジャーナルに投稿することも可能です。ただ、その際には必要な許可を確認しておくことが重要です。前述のようにプロシーディングが学会によって学術ジャーナルの形で刊行される場合や、プロシーディングとまったく同じ内容で学術雑誌に投稿した場合には二重投稿となる危険がありますので注意しましょう。 プロシーディングに採録する会議論文に査読を行っている学会もありますが、査読システムや採択率は学会によって多様です。査読の有無は学会への申込み時点で確認できるはずですが、いずれの場合でも会議論文を書くときには、以下のことに気をつけましょう。 会議論文を書くときの注意 ・表題:表題は、論文が何に重点を置いて書かれたものかを明確に伝え、かつ人の興味を引くものにする。…

研究論文における結果と考察

研究成果を伝えるための研究論文は、序論(問題提起・仮説・目的)・方法・結果・考察・結論で構成されることが一般的です。学術論文の代表的な構成とされる「IMRAD形式」では、序論・方法・結果・考察となっていますが、論文を書くためには基本的な枠組みを理解しておくことが重要です。その上で、投稿する学術雑誌(ジャーナル)によっては書式に多少の差があるので、論文を執筆する前に投稿先の投稿規程を確認しましょう。中には、結果と考察を1つのセクションで書くよう指示しているものもありますが、今回は、結果と考察を分けて書く方法を見てみます。 ■ 「結果」と「考察」の違いと書き方 まず、「結果」は実験などの結果または観察記録などであるのに対し、「考察」は結果に基づく分析や議論です。結果は、淡々と事実を述べればよいのに対し、考察は論理的な組み立てが必要です。そのため論文の評価では、考察が重要視される傾向にあります。結果と考察をまとめるか、分けて書くかは投稿規程に順ずるべきですが、どちらの形式にも長所・短所があります。結果と考察をまとめた場合、結果に応じた考察が続けて書かれるため、読者は流れをつかみやすくなります。結果と考察を分けた場合、考察が連続的に書かれるので読者は研究全体を俯瞰し、把握しやすくなる反面、何度も考察に関連する結果の箇所に戻って読み直さなければならないかもしれません。結果と考察の書き方としては、いずれも間違いではありません。 ここでは、結果と考察を2つに分けて書くときのチェックポイントを並べてみます。 ■ 結果と考察を効果的に分けるために 結果と考察を分ける場合には、以下のことに注意します。 1.結果には、実験の結果、データを提示することに徹する。 2.結果の説明は、考察に記す。 3.結果で提示した情報を考察で繰り返さない。 結果は簡潔に伝える 結果は、論文の要であり、実験の結果あるいはデータを簡潔に示す部分です。 結果に書くべきこと 1.重要な研究結果…