研究を推進する

学術論文における「e.g.」と「i.e.」の使い方

文章の中でよく見かける略語で、通常は括弧の中にあり、その前後の文脈からだいたいの意味は把握できるようなものがありますね。そのひとつが「e.g.」です。これは、ラテン語の「exempli gratia」の略で、「例えば(for example)」という意味です。もうひとつよく見かけるのは「i.e.」で、これはラテン語の「id est」の略です。英語にすると「that is to say」や「in other words」、日本語の「つまり」といった意味合いです。文中で、あるポイントを強調するための例を挙げる際に「e.g.」を使うことや、一文でくどくどと説明するのではなく、言い換えて要点を述べるために「i.e.」を使うことは少なくありません。 しかし中には両者を混同して、間違って使う人もいます。ここでは、間違えないためのヒントと用例をご紹介します。 「e.g.」と「i.e.」の違い 上記のように、「e.g.」は 「for example」の略です。間違えないための簡単な方法は、「e」で始まるから「example」だと覚えておくことです。では「e.g.」の実際の文中での用例を見てみましょう。 “There…

記述的研究の攻略法

記述的研究(descriptive study)は、特定の集団や現象に関する情報を収集するために使用する強力な研究手法です。記述的研究とは、研究対象の「理由」に焦点を当てるのではなく、現象を説明することに終始する比較対象群をおかない調査研究の方法です。具体的には、症例報告やケースシリーズなどがこれに相当します。記述的研究の根幹である観察とデータ収集は、研究の主題の特徴や行動についてより深く、詳細に理解するのに役立ち、後続の研究のためにも貴重な洞察を提供します。 この記事では、記述的研究の定義、特徴、方法を踏まえ、質の高い研究成果を出すために避けるべき7つの失敗の攻略法を紹介します。経験豊富な研究者であれ、これから研究に取り組む学生であれ、科学研究を成功させるためには記述的研究の基本を理解することが不可欠です。 記述的研究とは 記述的研究とは、特定の現象の因果関係、つまり「理由」に焦点を当てるのではなく、与えられたテーマについて観察、データ収集を行うものです。記述的研究の目的は、研究対象の母集団や現象の特性を包括的かつ正確に把握し、データ内に存在する関係性、パターン、傾向を説明することです。 記述的研究の方法には、調査研究、観察研究、ケーススタディ研究(症例研究)などがあり、収集されるデータは質的・量的に関わらず多岐にわたります。記述的研究から得られた知見は、貴重な洞察を与え、将来の研究に役立てられますが、特定の現象が生じる因果関係を立証するものではありません。 記述的研究の重要性 1.母集団や現象の特性の理解 記述的研究は、特定の母集団や現象の特性や行動を包括的に把握することができるので、研究者はそのテーマについてより深く理解することができます。 2.基本的情報の入手 記述的研究によって集められたデータは研究の基礎となり、さらなる研究につながります。 3.情報提供(収集されたデータの活用) 特定のテーマに関する貴重な情報源となるため、将来の研究、政策決定、研究プログラムなどに洞察を提供し、広く役立てることができます。 4.多様なサンプリング方法の検証 記述的研究では、さまざまなサンプリング方法を検証し、研究に最適なアプローチを決定するために使用することができます。…

読むべき論文の選別・優先順位付けに文章要約AIツールを活用

研究者1:ノートPC開く度に大量の論文が届くんだ、勘弁してよ。 研究者2:なんでダウンロードするデータを分類しておかないの? 研究者1:やってるよ。でも、情報量がすごくて、どこから手を付ければいいのかわかんないよ。 どこかで聞いたような会話ですか?学術研究のデータの照合を始めたばかりの研究者によくある困りごとかもしれません。大量の情報が恩恵をもたらすことが多々ある一方で、研究論文に関連する情報過多は必要な情報を特定することを困難にします。必要な情報をすべて見つけ出せたとしても、どの論文を優先して読めばよいのか分らなくなることもあります。例えば、学術雑誌(ジャーナル)掲載論124本、書籍の中の該当する章27章、プレプリント論文45本、卒業論文内の章8章を一度にダウンロードしたとしても、すべてを読むにはどれほどの時間を要するか、見当も付きません。すべての研究論文をセクションごとに要約すれば、相当な時間短縮ができるでしょう。この記事では、研究者が自分の研究テーマに関連する情報源を見つけ出す方法と、研究記事をセクションごとに要約することで時間を有効に使う方法をご案内します。 ダウンロードした膨大な研究データを手作業で照合・要約するのは難しい 文献レビューを行う際には、複数の情報源からダウンロードされた大量のデータを利用し、関連するデータだけを使って最大の有用性を引き出すことが大切です。膨大な研究情報を照合し、管理するには、体系的なアプローチで取り組む必要があります。情報管理がうまくできれば、文献レビューの洞察を導き出し、読むべき論文の優先順位を付けるのに役立ちます。しかし、情報過多になってしまうと、論文の要約を行うどころか、研究データを管理し、分析する段階で混乱してしまうでしょう。 研究論文をセクションごとに正確に要約する秘訣は、要点を押さえることです。論文をひとつひとつ自力で要約するのは大変な作業です。要約するためには、論文を徹底的に読み込まなければなりませんが、すべての論文を最初から最後まで読み、注釈、小見出し、さらに参考文献にまで注意を払うのは途方もない作業です。しかも、重要なことが常に明白に書かれているとは限らないので、重要な点を見逃さないように各セクションを個々に読み進めなければなりません。研究が続く限り、この要約の作業は続きます。さらに、どの論文から読むかの優先順位を決めるには、入念に計画された照合作業と関連度に基づくデータの要約が必要です。 情報過多のほかにも、文献レビューの体系的なアプローチを妨げる問題は以下のようなものがあります。 選択バイアス:キーワードだけで、関連性のある情報と判断すべきではありません。 包括性の欠如:リサーチクエスチョンの理解があいまいで、誤った用語や関連性の低い用語で情報を検索するために発生します。 論文のエビデンス(証拠)を検証していない:証拠を検証しないと結論を誤る恐れがあります。 透明性/再現性の欠如:レビュー手法の再現性は、科学的方法論の中心となる基本的な考え方です。レビュー手法に透明性がなく再現できない場合には、信頼できると見なされません。 どの文献から読むべきかの優先順位の付け方 論文のタイトルだけでは、論文を読み進める決定打とはなりません。通常、研究者は、アブストラクト(要旨)、結果、結論を読んで、その論文をさらに読み進める価値があるか、研究テーマに関連性があるかを判断します。しかし、情報が氾濫している現在、今までと同じやり方をすると、時間と労力を費やすことになってしまいます。 大量にダウンロードした情報から適切な文献を見つけるのは時間と手間のかかる作業です。論文のアブストラクトと結論だけを読んで、その文献が有用な情報かの判断を下したいところですが、自分の研究テーマに関連する重要な情報が、論文のアブストラクトや結論のセクションに記載されているとは限りません。そこで、AIの助けを借りて読むべき論文に正しく優先順位を付けるための新しい技術が模索されるようになりました。AIが研究論文の重要なポイントを強調し、すべてのセクションを要約してくれるのであれば、読み落としの潜在的な解決策となります。この技術により、研究者は関連性のある文献だけを読めるので、時間の節約となるだけでなく、最も大切なことは、適切な情報を引用することが出来るようになります。…

システマティック・レビューの構成と書き方

システマティック・レビュー(系統的レビュー)とは、特定の課題についてこれまでに書かれた文献を収集し、データの調査・評価を行い、分析することで一定の結論を出すものであり、学術ライティング特有の作業です。システマティック・レビューを行うことは、質の高い、論理的なレビュー論文を書くための基本です。システマティック・レビューを出版するには、世界的に合意された特定のガイドラインに準じた作業プロセスで進めなければならないことは、学術研究者ならば、よく知るところです。ガイドラインは、研究者や出版社が論文について効果的かつ有意義なコミュニケーションをとるために無くてはならないものです。 大学院生など、論文の執筆や学術出版の経験が浅い研究者がシステマティック・レビューを執筆する際は、ガイドラインを注意深く読み、経験豊富な著者からのアドバイスを参考にすると良いでしょう。 National Center for Biotechnology Information(米国国立バイオテクノロジー情報センター)やNational Library of Medicine(米国国立医学図書館、国立衛生研究所の一部門)は、システマティック・レビューを以下のように定義しています。 “A systematic review is a…

人目を引きつける論文ステートメントの書き方

論文ステートメントとは 論文ステートメント (Thesis Statement)とは、エッセイや研究論文の主旨となるアイデアを端的に伝える文章です。著者の考え、あるいは調査研究において主張しようとしていることについて記すものですので、1-2文程度で明確かつ簡潔に書きます。 論文ステートメント-論文執筆において極めて重要なもの 繰り返しになりますが、論文ステートメントは、研究論文のアイデアを1文もしくは2文にまとめて記し、論文の内容を整理し、研究の論点や意見を発展させるためのものです。論文にどのようなことが書かれているか、著者が研究課題にどのように取り組んでいるかを読者に伝えるためにも重要です。さらに、論文の構成の指針となり、著者が自分の考えをより効率的にたどったり、整理したりするのに役立ちます。 論文ステートメントは、複雑で方向性の見えない議論において著者が状況を見失わないようにするのを助けると共に、研究論文が問題に直結し、研究目的に焦点を合わせた内容となることを確保するものです。 論文ステートメントはどこに書くのか 通常、論文ステートメントは、エッセイあるいは研究論文のイントロダクションの終わりに書きます。研究テーマに関する著者の意見を一文で示すことで、読者に向けた論文全体の具体的なガイドと位置づけられます。 影響力のある論文ステートメントを書くための6つのステップ ステップ1:研究論文を分析する 研究論文に関連する領域でまだ明らかにされていないナレッジ・ギャップ(knowledge gap)を特定し、著者が示す論点のより深い含意を分析します。論文ステートメントで言及した研究目的は、考察(Discussion)または結論(Conclusion)で覆されていませんか? 著者自身の考えに矛盾はありませんか? 研究目的を定める際、重要なナレッジ・ギャップはありましたか? 著者は、基本的な理論を正しく理解し、実証しましたか? 著者は、裏付けとなる文献の引用なしに議論の裏付けをしていませんか? こうした問いかけで自問自答してみることは、実用的な論文を作成し、苦労することなく方向付けを行ない、構造を組み立てることに役立ちます。 ステップ2:質問を考える 論文を作成しているとき、執筆プロセスの早い段階で、取り組むべきリサーチクエスチョンが見つかっているかもしれません。研究課題の中に、すでに確固たるリサーチクエスチョンがあれば、それが研究デザインの指針となり、特定の目的を定義・特定することができるでしょう。こうした目的は、著者が論文ステートメントを構成するのに役立ちます。…

研究者におすすめの盗用・剽窃チェッカー4選

語彙の選択、句読点の間違い、文法上の誤りといった一般的な英文を書く時の問題は、校正ツールや英文校正サービスを利用することで対処できますが、盗用・剽窃を防ぐことは別の問題です。盗用・剽窃とは研究倫理に反する行為であり、論文著者、学生、研究者およびさまざまな学術関係者にとっては深刻な懸案事項です。そこで、研究不正を防ぎ、学術論文を比類ないものにするために、盗用・剽窃チェッカーの需要が高まっているのです。 盗用・剽窃チェッカーを利用すべき理由 盗用・剽窃は、特に学術界では許されない不正行為です。実際には盗用・剽窃チェッカーを使用すれば盗用は簡単に見つかってしまいます。このような不正が発覚すれば、研究者としての評判が落ちるだけでなく、所属大学から免職処分を受けたり、解雇されたりする危険性すらあります。 研究論文やあらゆる種類の学術文書は、研究内容を徹底的に調べ、構成を整え、指定のガイドラインに準拠する必要があります。誰でも面倒な作業は避けたいところですが、それこそが問題の原因です。盗用・剽窃とは、必ずしも意図的に行われるのではなく、むしろ、無知(不正行為だと知らなかった)、確認不足、盗用・剽窃の定義に関する混乱(その行為が盗用・剽窃に該当するとは思わなかった)などが原因となって起こってしまうものです。だからこそ、オンラインの盗用・剽窃チェッカーを利用して、簡単に防いでしまいましょう。 盗用・剽窃チェッカーを活用するメリットは以下の通りです。 1. 公開されている情報リソースを包括的に検出できる 2. 盗用・剽窃された箇所が強調表示されるので、簡単に見分けられる 3. 類似率が表示されるツールもある 4. 不正確に言い換えたコンテンツも検出が可能 5. ツールを使用することで著者の誠実さを示すことになる…

リサーチギャップ(研究ギャップ)の特定方法

この記事は、公共衛生分野の博士課程の指導員による講義内容から抜粋したものです。革新的な研究をするためにリサーチギャップ(研究ギャップ)をどのように特定するかの参考にしてください。 リサーチギャップとは まず、リサーチギャップとは何か。リサーチギャップとは何で、どのように特定すればいいのか、革新的な研究を追求するためにどのようにリサーチギャップを使えばいいのか、など知りたいことは山積みです。新しく、心躍るようなリサーチクエスチョンを考え出せたと思った途端に、それが既に他の誰かによって取り上げられていたと気づいたことがある人はいませんか?私は数え切れないほど経験しています。大学院での研究には、該当分野に新しい知識を加えたいというプレッシャーが付きものです。私たちも人類の進歩と知識に貢献することは可能ですが、そのためには、まず既存の文献における研究のギャップを特定する必要があります。 リサーチギャップとは、簡単に言えば、情報が欠けているか、不十分であるために、リサーチクエスチョン(質問)に対する結論に到達できていない課題あるいは領域のことです。先行研究で解決されていない課題や、研究を行う余地が残されているものとも言えます。ただし、リサーチギャップをリサーチクエスチョンと混同しないようにしてください。例えば、人間にとって最も健康的な食事は何かというリサーチクエスチョンに対しては、考えられる回答がたくさん出てくるでしょう。一方、妊婦への抗うつ薬の効果というリサーチクエスチョンにした場合、既存のデータからはあまり情報が得られないと思います。それがリサーチギャップです。リサーチギャップが特定できれば、潜在的に新しく、心躍るような研究の方向性も自ずと特定できるようになります。 どのようにリサーチギャップを特定するか 膨大な既存研究の量を思えば、リサーチギャップを特定することは無謀な試みで、とても特定できるものではないと思えるかもしれません。私自身も、公開されている公衆衛生に関するすべての論文を読む時間はありませんでしたし、みなさんも同じ状況でしょう。ではどうすればリサーチギャップを特定することができるでしょうか。 分野ごとにやり方は異なりますが、以下のような幾つかのステップに絞り込むことはできます。 研究を進めるにあたって主な動機となる問題や質問を特定する その問題について重要な用語を抜き出す 文献を調査し、先に抽出した重要な用語を検索して関連する論文・出版物を探し出す 前のステップで探し出した主要な論文・出版物で引用されている文献を確認する 自分にとって重要な動機となっている問題に関連する文献で、取り上げられていない問題を特定する 最後のステップが最も難しいところです。論文に「示されていないことを」を探し出すのは難しいものです。私は、バイアス(偏見)や一貫性のない情報を記録しておくのを面白いと思いますが、著者が「将来の研究のための目標」と書き記している記述をたどるのも一案です。既存のリサーチギャップを示唆してくれることが多々あるので、そうした記述を拾い出してみましょう。 リサーチギャップが複数見つかったら次にすべきこと 幾つかリサーチギャップが見つかれば、次は優先順位をつけます。答えが必要な質問が多々出てくるかもしれないので、優先順位をつけることは重要です。大抵は、ひとつの質問に答えてから次の質問に取り組むべきです。リサーチギャップの優先付けを行う際には、研究助成金提供機関や利害関係者、該当分野におけるニーズ、さらには現在研究している内容に対する疑問との関連性も考慮する必要があります。また、自分が検討している研究を行うためのリソース(資金や環境など)とスキル(能力)についても考慮します。すべてを検討していくと、適切なクエスチョンを絞り込むことができるでしょう。…

論文で「研究の限界」を書くことの重要性と書き方

研究者が論文を執筆する際、「研究の限界」を示すことは珍しくないでしょう。「限界」と聞くと一見ネガティブに聞こえますが、研究における「限界」は、その研究を適切に組み立てるのに役立つこともあり、「研究の限界」の重要性を正しく理解しておくことが必要です。 この記事では、研究の限界を客観的に提示することで、影響力のある研究結果へと導く方法について解説します。 研究の限界とは どのような研究にも限界があります。研究の限界は、方法あるいは研究デザインの条件によって生じ、研究に影響を与える可能性があるものです。研究の限界は、研究にとどまらず、出版しようとしている研究論文にも影響することもあるのですが、残念なことに、多くの研究者は、読者目線の論文の評価に影響を及ぼすことを恐れるあまり、研究の限界について議論することを避ける傾向にあります。 しかし、研究の限界について論じ、対象読者(他の研究者やジャーナル誌の編集者、査読者など)に示すことは非常に重要です。と同時に、研究の限界が結論や所見にどのように影響しているかを説明することも、とても大切です。論文著者として研究の限界に言及する際には、研究についてのあらゆる弱点について調査し、研究主題について深く理解していることを示すことが必要です。研究について実直に示すことによって、その研究が誠実な努力を重ねた説得力のある結果であると示すことができます。 研究の限界をなぜ書くのか、どこに書くのか そもそもの研究の主たる目標は、研究目的に応えることです。実験を行い、結果が出たらそれについて説明し、最終的に研究課題(リサーチクエスチョン)の正当性を説きます。論文も同様の流れで、研究の限界について言及するのに最適なのは、結果の後の考察(ディスカッション)のセクションです。 考察では、冒頭で研究方法の長所を強調したあと直ぐに、研究の限界について述べます。研究論文の結論(コンクルージョン)のセクションでは、自分の研究の限界にふれてから後続研究に向けた「提案」という形で、下記のような具体的なポイントを述べることもできます。 1. 研究者の制限 研究者に起因する制限については必ず言及します。制限についてきちんと書くことで、読者に対して透明性を示すことができます。また、今後の研究において研究者に起因する制限を減らすための策を提案することも可能です。 2. 情報へのアクセスの制限 研究には、複数の研究機関や個人が関わっていることがあり、そうした機関の所持する情報へアクセスが許可されないこともあるでしょう。このような場合、研究の進め方を再設計、または研究を再構築する必要が出てきます。アクセスが制限されている理由を読者に説明しましょう。 3.…

パイロットスタディとは?パイロット研究の目的と進め方

新しい研究プロジェクトに取りかかる時は、ワクワクするものですが、プロジェクトに着手する前に、その計画が実現可能かどうかを確認しておくことは重要です。 準備が不十分だったために、一度に大量のサンプルを処理するはめになったり、アンケートに重要な質問を加えるのを忘れたりすることは避けたいものです。 パイロットスタディとは パイロットスタディとは、研究プロジェクトを開始する前に、その研究デザインの実現性を見極めるために行う予備的な小規模調査です。 研究プロジェクトに使用する手法をパイロットスタディで試し、その結果を踏まえて大規模なプロジェクトの方策を確定できます。質的・量的研究のいずれにおいてもパイロットスタディは有用です。 パイロットスタディを通して研究課題や方法を特定または具体化することで、エラーの発生を防ぎ、リスクを軽減できるだけでなく、プロジェクトに要する時間とコストを見積り、余計な手間や費用を削減することができるのです。 アフリカの格言に「You never test the depth of a river with…

WHO推奨:研究プロトコルに書き込む21項目

ある学生は研究プロトコルについて頭を悩ませているようです。 研究主宰者(Principal Investigator : PI):研究プロトコル(研究計画書)は書きましたか? 学生:まだです。分らないことだらけで…そもそも、研究プロトコルを作成することがなぜ重要なのでしょうか?研究プロポーザル(研究提案書)と同じようなことを書けばいいのか、何を書かなければならないのか、どのような構成にしたら良いのか…所定の書式に従って書けばよいものですか? 経験の浅い研究者は、研究プロトコルを作成する目的や重要性だけでなく、どうやって書けばよいのかも理解できていないようです。この記事を通して、研究プロトコルの書き方について理解を深めていきましょう。 研究プロトコルとは 研究プロトコルとは、臨床試験の背景、理論的根拠、目的、デザイン、方法、統計的考察および実施機関(団体)について説明する文書です。臨床研究の計画の概要を示すだけでなく、研究課題に対して満足できる答えを示すように作成する必要があります。研究プロトコルは、研究を実施するための試料と手順を示す文書なのです。 なぜ研究プロトコルが重要なのか 治験や臨床試験において、研究プロトコルは最も重要なものであり、臨床研究の基盤となるものです。臨床試験の被験者の安全と収集するデータの完全性を保証するための文書でもあります。拘束力を持つ文書である研究プロトコルには、臨床試験の一環として許可されていること、あるいは許可されていないことを記載します。さらに、自分が所属する研究機関の研究倫理審査委員会(IRB)に申請を提出する際、最も重要な文書と見なされるものです。 研究プロトコルは、医療専門家、統計の専門家、薬物動態の専門家、臨床研究コーディネーター、研究プロジェクトマネージャーなどからの情報を基に作成します。研究のあらゆる側面が最終的な文書に網羅されていることを確認しましょう。 研究プロトコルと研究プロポーザルの違い 混同されることが多々ありますが、研究プロトコルと研究プロポーザルは、異なる文書です。下表に二つの相違点を並べてみます。 研究プロポーザル(Research…