「最初の論文投稿から受理されるまでの時間」―ジャーナル新指標の提案
研究成果を論文として出版することは、学術研究にとって必要不可欠な要素です。長い間、研究者たちは研究成果を発表・共有することで、人類の知識を蓄積してきました。 論文出版のスピードを阻む障壁 しかし、学術出版プロセスは、ほとんどの研究者にとって、原稿を書き上げたからといって終わりではありません。研究論文をどの学術雑誌(ジャーナル)に投稿するかの選択は大変重要です。そして投稿された論文は、出版に値するかを判断するために査読にかけられるわけですが、この査読は学術出版プロセスにおいて最も重要な要素であるとともに、最も時間を要するものでもあります。 論文を投稿する研究者らは、ジャーナルの査読プロセスの長さを、迅速な出版を阻む大きな障壁として指摘しています。従来のジャーナルの評価指標でも、原稿が投稿されてから最初の判定が出るまでの平均時間や、受理(アクセプト)から出版までの平均時間などで出版効率が測定されてきましたが、それでも本当のタイムラインは捉えきれていません。 現在の出版システムは、何世紀もの間、かなりうまく機能してきましたが、投稿論文の量が指数関数的に増加するにつれて、著者が論文を投稿してから受理されるまでに要する時間が長期化するようになりました。これは、査読者の都合(査読者手配の難しさや査読を引き受けられる能力の問題も含む)や、査読者からのフィードバックに基づく修正の必要度など、さまざまな要因によるものです。時には、査読需要の増加によるジャーナルの管理上の問題が査読プロセスの開始の遅れにつながることもあります。この10年程度の間に、こうした状況および数々の問題への不満の要因が知られるようになり、重点的に研究が進められてきました。 「ジャーナルの3分の1が、査読に進まず編集者の判断で投稿後すぐにリジェクト(デスクリジェクト)するまでに2週間以上、6分の1が4週間以上を要している。このことは、査読者が査読に要する時間以外に、非効率的な編集プロセスも重大な原因となっていることを示唆している。所要時間が短く、論文がアクセプト(受理)された査読プロセスの方が、著者から高く評価されることは想像に難くない。」 Huisman & Smits (2017). Duration and quality of the…