研究不正は筆頭著者の責任か?
研究不正は、学術界でよく議論される問題です。学術出版の不正がよく取り上げられますが、盗用・剽窃、ゴーストライターによる執筆、査読プロセスにおける問題など、不正の原因は多種多様です。しかし、すべてが研究倫理と研究不正がせめぎあっている状況を照らし出しています。研究不正は研究論文の撤回につながり、ひいては科学研究への信頼を損なうものです。 https://www.youtube.com/watch?v=EnXM-2EUPgg ある研究には、大規模な臨床試験ではゴーストライターが当たり前になってきていると示唆されていました。ゴーストライターとは、研究に参加していても論文著者として名前が記されないまま研究・論文執筆を行う人です。他に、実際には研究にまったく関与していないにも関わらず名前が記載される偽の共著者(fake co-author)も問題となっています。名前が通った研究機関の研究者や、優れた出版実績を持つ研究者の名前を、共同研究者として加えているのではないでしょうか。 このようにオーサーシップ自体に関する不正問題が指摘される中、論文に不正ありとなった場合、誰が内容に責任を持つのでしょうか?名前が載った全員でしょうか?研究を行った研究チームの研究責任者でしょうか?あるいは、出版者?いろいろ考えられますが、筆頭著者(ファーストオーサー)に論文全体の責任があるとする研究が示されましたので紹介します。 筆頭著者の責任 オープン・アクセス(OA)の学術雑誌(ジャーナル)PLOS ONEに、2019年5月付けで掲載された論文は、筆頭著者に責任があるとの立場を示しています。この研究を行ったのはルクセンブルグ大学のKatrin Hussingerとルーヴァン・カトリック大学のMaikel Pellens。彼らが筆頭著者に論文全体の責任があるとした理由は何でしょうか?それは、US Office of Research Integrity(米国研究校正局)が不正調査を実施した80の事例を調べ、筆頭著者が不正の原因であるケースが最も多い傾向にあるとの結果を踏まえたものです。…