PhD&ポスドク向け基礎知識

「あがり症」を克服して発表するためのコツ

学術に身を置く以上、研究発表からは逃れられません。とはいっても、壇上に上がって発表するよりも、数名の仲間と研究室で静かに過ごすほうが好ましいと感じている人も多いのではないでしょうか。聴衆の前に出て研究発表をするときに緊張してしまうのは、誰もが経験することです。ここでは、どうすればいわゆる「あがり症」を克服して自信をもって発表ができるようになれるかを考えてみます。 やっかいなあがり症 研究発表をしようと壇上に上がったものの、緊張のあまり固まってしまった。このような経験をした人は多いと思います。心臓がバクバクし、膝が震え、冷や汗をかいたり胃がきりきりと痛みだしたり・・・・・・人前で話をしようとするときによく見られる反応ですが、出方は人それぞれです。あがり症、つまり人前で話をしたりする時に感じる緊張や不安は、反応の出るタイミングが特定されます。非日常的なシチュエーションで生じるという意味で、日常的な(普通の生活)で生じる不安感とは異なるものです。しかし、「あがる」ことが予測できたとしても厄介な反応であることは変わりません。あがり症怖さに、大きな会議で自分の研究成果を発表する機会や、与えられた講演のチャンスを逃すのは避けたいところです。 あがり症を克服するためのコツ 人前で緊張し、不安になる―あがり症は、多くの人が抱える悩みだけに、さまざまな対処法や克服法があります。ここでは、そのうちのいくつかをご紹介したいと思います。 ■ ひたすら練習あるのみ! 実際に声を出して発表の練習をすることで備えることができます。緊張しやすいのに、練習を怠れば、発表当日に不安が募るのも当然です。徹底的に練習をしておけば、自信を持って本番に臨むことができます。鏡の前で、ペットに向かって、そして家族の前で、何度も練習しておきましょう。練習をすることで話の矛盾点やおかしな部分に気付き、修正しておくこともできます。準備を入念にすればするほど、本番が楽になるはずです。 ■ 呼吸を整える 緊張や強い不安を感じると、呼吸が浅く、早くなるものです。呼吸が早くなり、鼓動も早くなってしまうと緊張を増幅させます。まずは落ち着いて、お腹の底からゆっくりと深呼吸してみましょう。10回ほど繰り返すとおのずと気持ちが落ち着いてくるはずです。そして、発表するときには、深く息を吸い、お腹から声を出すようにしてみてください。発表の時に意識して、大きく、ゆっくり呼吸することで冷静さを保ちつつ、発表を進めることができるようになるでしょう。 ■ 成功をイメージする-ポジティブシンキング イメージトレーニングは、運動選手やビジネスリーダー、人前で何かをする機会の多い人がよく取り入れる方法です。勝てる自分、成功する交渉、うまくいく情景など、ポジティブなイメージを頭に描きます。発表が非常にうまくいき、聞き手が何事も聞き漏らすまいと前のめりになっているという情景をイメージするのです。発表する目的や内容を事前にしっかり確認して、何のために何をするかを意識し、そのことがうまくいく具体的なイメージを持って壇上に上がれば、緊張は軽減されるでしょう。むしろ緊張感を楽しむというくらいの気分になれるかもしれません。 ■ マイナスの事態も想定しておく 人は先行きの見えない状況に不安を覚えるものです。そこで、事前に想定問答(もし、こんなことが起きたらどうしよう)をしておくのも一案です。うまくいかなくなりそうな、あらゆる事態を予想し、その場合どうしたらいいか、を考えておくとよいでしょう。マイナスの事態、あるいは最悪の状況を覚悟しておけば、何が起きても対処できるでしょうし、おのずと不安からも解放されるというわけです。 ■ 持ち時間の配分 与えられた時間内に発表をまとめることは大切です。また、配分も重要です。30分間と考えると気が重くなってしまいますが、内容ごとに時間を配分し、短時間、例えば5分間の発表の積み重ねと考えれば気が楽になりませんか。壇上に上がったら、5分間ずつを段階的にこなすことに集中しましょう。そうすれば、あっという間に発表が終わっていた、となることでしょう。…

研究発表で聞き手の心を掴むための4つのコツ

研究成果を発表する準備としては、わかりやすいプレゼン資料(パワーポイントなど)を作成したり、質問への対応を考えたり、とやることがたくさんあります。そして、プレゼン資料を作る際の注意事項は多岐にわたりますが、中でも非常に重要なのは、「常に聞き手の存在を意識する」ということです。これは、研究発表を成功させるための必須要件といっても過言ではありません。 主役は聞き手 いかに聞き手の関心を惹き、内容に興味を持ってもらうか。ここで気をつけなければならないのは、発表者自身は自分の研究やプレゼン内容について熟知していても、聞き手は必ずしもそうではない、ということです。このことを意識しないまま「独りよがり」の発表を行えば、それは聞き手を無視した単なる自己満足にすぎません。そうならないために、常に聞き手のことを念頭において準備しましょう。どんな人が聞きにくるのかを予め想定することはもちろんですが、聞き手は研究発表を見聞きして何かを学びたいと期待している、ということも覚えておきましょう。発表を聞いている間、聞き手は「これは自分にとってどう役立つのか」「自分はここから何を学べるのか」を自問し続けています。このことを念頭において準備をすれば、「単なる自己満足」といった結果にはならないはずです。 その点を踏まえ、聞き手の心をつかむ4つのコツを見てみましょう。 聞き手の心をつかむ4つのコツ ① わかりやすい話の構成と流れを意識する 発表は、序論、本論そして結論としっかり構成されていることが大切ですが、伝え方としては、自身の研究を案内するように説明を進めると聞き手にとってわかりやすい発表となります。聞き手に一方的に講義するのではなく、聞き手の反応に気を配りながら話の方向性を示しましょう。特に話が変わる場面では、聞き手が話の転換についてこられるように、適切なつなぎ言葉を使うなどの工夫をしつつ、わかりやすい流れを作ることが大切です。 ② 情報過多にならないように気をつける プレゼン資料を作成する際によくやってしまうのが、情報の詰め込みすぎです。あれもこれも付け加えたくなる気持ちはわかりますが、それはかえって逆効果。大量の情報の羅列は、発表で本当に伝えたい部分をわかりづらくするばかりか、話の流れや明確性といった点で全体に悪影響を及ぼしかねません。情報の適量を知り、要点を絞ったプレゼン資料を準備しましょう。そうすれば、発表終了後、本当に大事なポイントが聞き手の記憶に残るはずです。 ③ 聞き手の立場に立つ 聞き手に向かって一方的に講義するようなことは好ましくありません。プレゼン資料に書いてあることをただ読み上げるだけ、というのも避けるべきです。もっと聞き手の側に立って、発表に入り込むような気分を味わってもらえるように心がけましょう。さらに、聞きやすい長さ(時間)にも気を配りたいところです。10分ルールと言われるように、大概の人は10分程度話を聞いていると集中力が落ちてしまいます。このことを踏まえると約10分を目安として、話を巧みに展開していかれるよう、事前に発表の構成や配分を考えておくことが必要です。また、話の転換点では、前述したように流れが変わることをわかりやすく伝える、ということも忘れてはいけません。 ④ 聞き手に質問を投げかけてみる…

ポスドクからのキャリアチェンジを考える

せっかく苦学を経て博士課程を修了しても、そのまま研究者となれるか、あるいは学術研究に携わることのできる人はわずか。ポスドクのキャリアパスが不透明になっている時代、幅広いキャリア選択を視野に入れることが必要となっています。 ■ 学術研究が選択肢のひとつになる時代 研究職を続けたいと願うポスドクの前に、厳しい現実が立ちはだかります。削減される研究費予算、限られた助成金、先の見えない微妙な立場……ポスドクは研究者としての地位を築くための通過点ですが、教授クラスに到達できるのはほんの一握り。欧米では、ポスドクは正規の研究職に就く前のトレーニング期間として認識されていますが、日本では、ポスドクのキャリアパスが整っているとはいえない状況です。研究職のポストは限られており、研究職につけたとしても採用は任期付きであることが多く、高齢ポスドク(一般的に35歳以上とされる)の就職難などの問題につながっています。この状況を打破すべく、民間企業への就職も含めたキャリアパスを検討することになるわけですが、研究を継続することがひとつの選択肢と考えざるを得ないご時世なのです。文部科学省は「大学院修了者のキャリアパスの確保と可視化の推進」を含む「第3次大学院教育振興施策」を2016年に策定し(平成28年度からの5年間)、取り組みを進めていますが、研究者自身にも多様なキャリアパスの可能性を探る努力が求められています。 少し古いものですが科学技術・学術政策研究所が2014年に発表した研究によると、正規雇用の仕事(常勤・任期なし)に移ったポスドクの割合は、男女平均わずか6.3%と、正規雇用への移行率が極めて低いことが見て取れます。確かに、すべての民間企業がポスドクの採用に積極的とは言えませんが、一部の分野や業界ではポスドクのニーズが高まりつつあり、国や大学・大学院、さらには民間の採用支援企業などもポスドクの就職支援に乗り出しています。 ■ プロダクトマネジメントという選択 民間企業で働くことを考えたとき、どのような職種がポスドクに向いているのか、どのような職種が選ばれているのか気になるところです。Springer Nature社が運営する科学技術関連の求人情報やイベントなどを提供するサイト「NatureJobs」に紹介された記事に、PhDやポスドクの経験が役立つ職としてプロダクトマネジメンへの転職が紹介されています。 プロダクトマネジメントという職種は、アメリカの求人検索情報サイトを運営するグラスドア社が選んだ「人気職業トップ50」の9位にランクインする職です。業務内容としては、「製品、製品ライン、あるいは製品ポートフォリオのレベルでのビジネスマネジメント」であるとされ、生産プロセスに関わる一連のフローを組立てていく仕事だと言えます。コスト、生産体制、フローなどにつき最善の方法を提案・確認しつつ仕事を進める――と言われれば、研究課題を考え、研究予算の枠内で実験を計画し、成果としての論文作成を進めるのと似ているような気がしませんか。 一般的に、企業が顧客に提供する「プロダクト」には有形無形のものが含まれており、日本語の「製品」よりも広い意味でとらえるようです。そして、プロダクトマネジメントで重要視されるのが、ビジネスマネジメント。製品品質よりも広い範囲をカバーすることになるので、顧客または市場のニーズや課題を捉え、革新的な商品やサービスを作り出すことに携ることになります。つまり、プロダクトマネジメントとは、企業が生産し、販売するプロダクト開発の上流から下流まで体系的に整理し、責任を持つことと言えるのです。 ■ プロダクトマネージャーに求められるスキル プロダクトマネジメントには、新しいこと(機能)を考え出し、実現するための手段を考えつつ、コストにも注意しながら成果を出すためのスキルが求められます。PhDやポスドクは、これらのスキルを日々の学研生活で培っているはずです。チームで研究を進めた経験を有する研究者であれば、それまでの経験をプロダクトマネジメントの仕事に生かすことができるでしょう。さらに、課題に取り組む根気強さや、限られた予算や時間でプロジェクトを進めてきた経験も役に立つはずです。プロダクトマネジメントの仕事は、財務、運営、法務、品質管理、プロジェクト管理などさまざまな職務にわたります。そのため、プロダクトマネージャーには、考察力、論理的に物事を進める力、判断力、コミュニケーション力などのスキルが求められるのです。 しかし、いくら要求されるスキルを有していても、専門的な研究から企業での業務への移行は簡単ではありません。何より、ほとんどの研究職における成功は論理的かつ客観的なものですが、プロダクトマネジメントの成功は、多様な顧客の満足度と業績によって評価されるもので、評価基準が全く異なるのです。それでも博士課程で効率的な課題解決に向けて取り組んできた経験は、プロダクトマネジメントの業務でも生かされることでしょう。 ■ キャリアチェンジを成功させるための準備 専門的な知識、長年積み上げて来た経験を有する優秀な人材を目当てに、ポスドクの採用を検討する企業が増えてきているとはいえ、キャリアチェンジがチャレンジであることは確かです。プロダクトマネジメントをひとつの選択肢として就職活動を行う際、留意しておくポイントを紹介しておきます。 1 マーケティングの基礎と財務の原則を学んでおく…

インパクトのあるCV(職務経歴書)のポイント

CV(職務経歴書)とは、ラテン語の”course of life”(人生の道筋)を意味する”Curriculum Vitae”の略語で、英語圏でよく使われていますが、米語圏では” Resume”を使うのが一般的なようです。ともに特別な書式はないので、自分なりに工夫して、わかりやすく、伝えたい事項を逃さずにまとめることが大切です。CVは、研究者が「夢の仕事」をつかむための最初のステップであり、今日の競争社会においてインパクトのあるCVが書けなければ、次のステップである面接に進むことができません。ここでは、選考に残るためのCVの書き方について考えてみます。 ■ 研究者のCVに必要なこと 学術研究者のCVは、一般的な(企業)転職用のCVとは異なる書き方をする必要があります。研究者のCVに書くべきことには、学歴、職歴、出版履歴だけでなく、研修実績、取得したスキルなどが挙げられます。特に、研究者のスキル、研究履歴、研究の実績は重要です。 研究者は、学術研究者として求められていること(以下) ・研究を遂行すること ・論文を出版し、研究の成果を発表すること ・学生を指導すること ・自身の研究に必要な助成金を獲得できること を理解し、自分にこれらの要求に応えられる能力があることを、CVで示さなければなりません。 ■ 効果的なCVを書くためのポイント では、効果的なCVを書くには、どのような点に注意すればよいのか見てみましょう。…

「学術起業」という選択を考える

大学発ベンチャーの活躍が話題となることが増えきました。産学連携や大学による起業支援などが後押しとなっているようですが、それでも日本の学生のほとんどは、大学あるいは大学院を卒業後に一般企業に就職しているのが現実です。在学中にビジネスの着想を得たら、どうやって起業につなげればよいのでしょうか?学術研究を上手に事業化することはできるのでしょうか?研究者が学術起業を目指す上でチェックすべきポイントを挙げてみます。 ■ 学術研究と起業の共通点 実は、博士号を取得するまで研究に従事した学生は、起業に必要な考え方を既に学んでいると言えます。研究デザインを起草してから実験を行い、論文にまとめて発表するまで、限られた予算内でいかに自分の研究を進め、成果を出すかを自発的に考えるプロセスは、ビジネスでも同様に求められるからです。スペインのアリカンテ大学の教授であるJavier Garcia-Martinez氏が「私は、学問と起業活動が両立しないと思ったことはない。実際、それらは密接に関連している」と述べているように、学術研究と起業活動にはつながりがあります。もう少し具体的に共通点を見てみましょう。 ・リサーチクエスチョン(研究課題):既存の知識と解決すべき問題の間のギャップを特定することは、研究でもビジネスでも必要な作業です。 ・文献調査:ビジネスにおける市場調査に当たります。問題を解決する、あるいは知識のギャップを埋めるための方法を調査することは、研究・ビジネスいずれの最終目的でもある社会貢献につながります。 ・研究提案:問題の解決策を提案し、統計や関連する調査で裏付けをしていきます。事業の達成に向けて包括的なビジネスプランを作成するのと同じです。 ・講演/会議参加:ビジネスで言うネットワーク作りです。会議に参加して研究を公表し、同じ分野の研究者とのネットワークを構築するのが自身のキャリア形成に役立つのは、学術研究でもビジネスでも同じです。 ・資金調達:研究を成功させるためには、助成金を申請して資金援助を求めなければなりません。起業で言うスタートアップ資金の調達です。自身のアイデアを売り込む力は、研究でもビジネスでも求められます。 ・時間、エネルギー、情熱:学位(博士号)を取得するのに不可欠なこれらの要素は、ビジネス(起業)においても重要です。研究も事業も、成功と失敗は表裏一体。限られたチャンスをつかむには情熱と覚悟、そしてそれなりの時間とエネルギーが必要です。 ■ 学術起業を目指す時にチェックすべきポイント 面白いアイデアが浮かんでも、実務的な行動ができなければ起業は困難です。学術起業を目指す上で欠かせないポイントをチェックしましょう。 1 製品またはサービスを特定する:起業するに当たっての大前提です。 2 アイデアを守る:必要に応じて特許(知的財産権)を申請し、自分のアイデアを守ります。所属機関で特許申請(研究成果の技術移転など)を担当する部署に相談するとよいでしょう。 3 的確な状況判断を行う:自身のアイデアに起業する価値があるかを慎重に判断するため、必要な情報を収集します。例えば市場調査を行うことや、起業する上で不足している知識やスキルを理解することは、判断材料として有用です。…

助成金申請を成功させる20のポイント

学術研究を続けるには資金(研究費)が必要です。特に、高価な実験設備や消耗品が必要となる研究室は、その確保が研究の実施内容に大きく影響します。そのため、多くの研究者は研究助成金を申請して資金援助を求めることになりますが、助成金の獲得はそう簡単にはいきません。研究資金の提供者は、受け取ったすべての申請に資金を提供することはできないので、選別を行います。申請者である研究者は、自分の研究がいかに魅力的かを売り込む必要があるのです。 ■ 研究助成金申請、ここに注意 研究助成金とは、公的機関や財団等が行う公募などに採択された研究に対して提供される資金です。日本学術振興会が実施する「科研費(学術研究助成基金助成金/科学研究費補助金)」が有名ですが、他にもさまざまな研究助成金があります。最近では、公的機関だけでなく民間(企業や財団など)からも提供されており、国際共同研究が増えるに従って、国外の公的機関・民間からの助成金を受けることもできるようになっています。では、申請を検討している助成金が自分の研究に合ったものなのか、どうすれば確認することができるのでしょう。以下に注意すべき主な事項を挙げます。 ・用途の自由度と負担対象(大学経費や人件費が含まれるか含まれないかなど) ・金額規模 ・期間(1年間というものが多いが、年と年度には要注意) ・採択率(概ね数パーセントの狭き門) 研究者はこれらの点を考慮し、さらに助成金提供者がどのような研究・提案を求めているのかを理解した上で、申請書を作成する必要があります。次は、採択される申請書を書くための具体的なポイントです。 ■ 採択される助成金申請のポイント 1.助成金の公募情報を探す まず、自分の研究分野に関連する公的機関、民間、財団などが研究助成金の公募を行っているかを確認しましょう。同僚や上司からも情報を収集し、どこに資金援助を求めたらよいのかを把握します。 2.助成金の申請先が適正かを確認する 自分の研究が、申請しようとしている研究助成金に適格な内容かどうかを確認しましょう。 3.募集要項を読み込む 慎重に申請の計画を立てると共に、募集要項を読み込みます。助成金申請用のテンプレートが用意されていることが多いので、それを確認しましょう。そして、所定の書面にすべて必要事項を記入したか、要求されている書類は揃っているかを確認し、期限を守って提出します。…

聞き手を引き込むプレゼンのコツ

研究成果を発表するプレゼンテーションにおいて、説得力のあるスライドとともにメッセージを伝えることはとても重要です。スライドがあれば、聞き手に聴覚だけでなく、視覚でも研究の重要なポイントを印象付けることができるからです。プレゼンのスライドは、研究成果について興味を引き、ひと目で理解してもらうことが目的ですから、研究内容のポイントを端的に伝え、聞き手をぐっと引き込むためのツールとして機能するように作成するべきです。 とはいえ、あくまでスライドは発表内容を効果的に伝えるためのプレゼンツールです。スライドに書かれた内容を見ながらそれを読み上げるだけでは、よいプレゼンとは言えません。先ほども述べた通り、目的は発表内容について興味を持ってもらうことなので、聞き手と向き合い、語りかけ、コミュニケーションをとることを心がけながら魅力的なプレゼンに仕上げたいものです。 ここでは、プレゼンを成功させるための効果的なスライドを作成する際のポイントを紹介します。 プレゼンを成功させるための3つのポイント 1.スライドはあくまでもシンプルに 研究内容は細かくすみずみまで説明したくなるものですが、スライドに文字が詰め込まれすぎていたら、果たして聞き手は読みきれるでしょうか。文字ばかりでは興味が失せてしまいますので、一目で言いたいことが伝わるよう、簡潔にまとめる必要があります。 [スライド作成時のポイント] ・スライドの向きは横向き ・スライドの枚数は極力少なめに、色使い、テーマ(デザイン)は統一 ・フォントは読みやすい大きさで ・書き込みすぎに注意 ・データはテキストで示すより、見やすい図表に加工 ・図表は強調したい箇所を反対色で示すなどして注目度を上げる ・(反射して見えづらくなる可能性があるため)明るすぎる色は使わない ・紛らわしい図表、不要なアニメーションを使わない…

「フェイク・カンファレンス」を見極める9のポイント

Eメールアドレスを持つ研究者であれば誰もが、さまざまなカンファレンス(会議)への招待状を受け取っていることでしょう。しかし、すべてのカンファレンスがきちんとした組織によって運営されているとは限りません。招待状の多くは、掲載料さえ払えば査読なしで論文を掲載する捕食出版社(predatory publishers)などが主催する、いわゆる「フェイク・カンファレンス」への誘いかもしれないのです。 ■ フェイク・カンファレンスはいかにして成り立っているのか フェイク・カンファレンスとは、通常、「営利目的」で開催される会議を指します。自身をアピールしたい、研究を発表する機会を得たいという研究者の要望に付け込み、開催数を増やしています。最近のデータによると、今やフェイク・カンファレンスの数は、いわゆる正式なカンファレンスの数を凌いでいることがわかっています。 フェイク・カンファレンスの主な収入源は、研究者からの参加費です。研究者が高額な費用を払う見返りに自身をアピールする機会を与えられる、巧妙に仕組まれたイベントです。できるだけ多くの発表者・参加者を動員するため、内容や分野すら異なるテーマの会議を一度に詰め込んで開催することもあります(フェイク・カンファレンスの有名な運営会社の一つであるBIT Life Sciencesは、さまざまな分野の研究者宛に招待Eメールを一斉配信しています)。科学研究のための実績を積みたい、論文を発表したいという研究者、とりわけ発展途上国の若手研究者の純粋な野心を食い物にして、大きな収益を得ていると言えます。 ■ フェイク・カンファレンスを見分けるポイント 研究や学術出版に従事する者にとって、フェイク・カンファレンスを見分けることは重要です。着目すべきポイントを紹介します。 1. 参加を検討している会議の運営者が、捕食出版社リスト(後述)に含まれていないか。 2. 専門団体や信頼できる組織が会議を運営しているか。 あまりにも一般的な名前を冠する組織によって運営される会議や、さまざまな分野を一つの会場にまとめた極端に大規模な会議への参加は避ける。 3.…

ポスドクのキャリアの傾向が明らかに

博士号を取得した若手研究者のキャリアパスを調査した研究が発表されました。この研究は、アメリカ国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の一部門である国立環境健康科学研究所(National Institute of Environmental Health Sciences:NIEHS)のTammy Collins博士のチームが構築した手法に基づいて行われたものです。15年以上にわたって集められた900名近いNIEHSのポスドクのキャリアパスを分類・調査した結果とはどのようなものだったのか、見ていきましょう。 ■ キャリアパスを可視化するための分類 まず、この研究では、生物医学関係の職を組織区分(JOB SECTOR)、職業区分(JOB TYPE)、職務内容(JOB SPECIFICS)に分類しています。…

博士課程修了者の仕事探しに役立つ求人サイト4選

博士課程終了後、そのまま研究者の道を歩むか、一般的な就職をするのかは人生における大きな分岐点です。日本国内でポスドクの仕事に就くのは狭き門であり、容易ではないことは確かです。しかし国外に目を向けると、そのチャンスは広がりそうです。今回は、博士課程修了者の仕事探しに役立つ検索サイトを紹介します。 ■ 日本の博士号取得者の就職状況 文部科学省が毎年行っている「学校基本調査(平成29年度版)」を見ると、博士課程修了者のうち就職者が占める割合は67.7%、そのうち正規採用が53.3%、非正規採用が14.4%となっています。進学も就職もしていない人も18.8%います。大卒(新卒)の就職者の割合が76.1%、うち正規採用率72.9%に比べると、博士課程修了者の数字はかなり低いと言えます。これは、日本では、企業が博士課程修了という学歴をあまり重視しない傾向があることや、相対的に受け皿が小さいことも影響していると思われます。せっかく専門知識と技術を習得しているのに、それを生かす場が少ないのは残念なことです。 一方で、海外には博士課程修了者をより評価する企業や、専門知識を持った研究者を探している研究機関などが多数あります。こうした国外の研究機関などに就職することを考えるのも一案なのです。 ■ 研究職向け求人サイト では海外で研究者向けの仕事を探すには、どうすればよいのでしょうか。多くが求人サイトを利用しており、ここでは代表的な4つを紹介します。 NatureJobs 「NatureJobs」は、Springer Nature社が運営する科学技術関連の求人情報やイベントなどを提供するサイトです。生物医科学、環境科学、科学技術、食品科学、化学といった分野の求人情報が掲載されています。新着情報の検索はもちろん、履歴書をアップロードしておくことができるので、求人を出している機関などに、登録したプロフィールを見てもらうこともできます。 この検索エンジンには世界中の求人情報が掲載されており、働きたい場所(国や都市)を選んで検索することが可能です。また条件を設定すれば、気になる求人情報を通知してもらうことも可能です。 NatureJobsの最新情報とブログ(News and Blog)の中には、Career toolkitとして、履歴書を書くときのコツや面接の心構えなどの就職活動をサポートする情報も掲載されています。登録しておけばNatureJobsからのニュースレターを受信することができるので、業界情報を知るのにも役立つでしょう。 ScienceCareers…